2024年1月20日土曜日

次の10年に向けてのプレ・シーズン

The big money is not in the buying and selling...but in the waiting.

Charlie Munger

『次の10年に向けての雑文(1) ーカタリストとしての株式投資ー』で書いた通り、今後は5月をThe 3rd Man's  Fundの年度の始まりとします。ということは2月~4月は第四四半期になりますが、ファンドのInceptionからこの4月末で丸10年を迎えるので、5月からは投資活動における新たなシーズンが開幕という気分になっており、それまではプレ・シーズンで慣らし運転期間と位置づけたいと考えています。新たに投資方針も策定したこともあるので、これで本当に違和感がないかを確認することになりますね。 

といっても現状の株式市場の相場水準を鑑みると、ほとんどアクションを起こす機会はなさそうです。逆に、機会を待ち続けることに自身をどう慣らせるか・・・が焦点です。

2023年12月26日火曜日

次の10年に向けての雑文(4) ーa permanent holderにとっての最大のリスクー

例年通り、レッドソックスはなりふりかまわずプレーオフをめざしているところだった。息切れ寸前で苦しみながら、「クリフ・フロイドを獲らないことには、にっちもさっちもいかない」とまで思い詰めていた。たったひとりの選手で全問題が解決するはずという、よくある浅はかな発想だ。 〈中略〉 もしフロイドを獲れば、地元ボストンの新聞各紙は狂喜する。フロイドは、レッドソックスの本拠地〈フェンウェイ・パーク〉にまやかしの夢と希望をもたらす存在なのだった。

マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山宥・訳 ハヤカワノンフィクション文庫

 

For some reason, the media love the news of one business merging with or acquiring another one.  The investment bankers and financiers who make fat fees love them even more.  Following such an announcement, the CEO is typically invited to CNBC interview during which they will extrol the virtues of "strategic fit," "synergies," "culture fit," and other boilerplate platitudes uttered in every single M&A.  They are almost always wrong.  Most mergers and acquisitions fail.

Pulak Prasad 『What I Learned About Investing From Darwin』Columbia Business School Publishing


インド株式を運用するNalanda Capitalの創始者Pulak Prasad氏は、その著書でM&Aの成功率(失敗率)に関する文献を紹介しています。

2023年12月17日日曜日

次の10年に向けての雑文(3) ー無人島にもっていく3冊+1ー

 

本を読むとは、自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ。たえず本を読んでいると、他人の考えがどんどん流れ込んでくる。

ショーペンハウアー 『読書について』 鈴木芳子・訳 光文社古典新薬文庫

 

前回、M&Aの巧拙を考えてみたいなんて書きましたが、ちょっと時間がかかりそうなので、今回は向こう10年間で折に触れてページを紐解いていくだろうと思われる3冊+1について書いてみたいと思います。

前提としてThe 3rd Man's  Fund(一時期『いざ・波』とわかれていましたが)は最初の10年間でそれなりに資産を増やしました。とにかく大きくしていくことが最重要課題だったので、別枠に月々積み立てている投資信託にさらにOn Topで定期的に四半期ごとに新たな資金を投入してきました。

さらには投資に関する本も多く読んで知識を吸収してきました。つまらなくて、あるいは私には合わなくて、放り出した本も多数ありましたが。


つぎの10年間は、

  • 家族との旅行(子供たちはいつまで一緒に行ってくれるのだろう)
  • 教育(塾なんぞ無かった田舎出身の私としては、途方に暮れている)
  • 食費(いずれバカスカ食い始めるんだろうな)

に資金と時間を最優先でアロケーションすることになります。

2023年12月6日水曜日

次の10年に向けての雑文(2) ー最大の失敗ー

 

What does a high ROCE of, say, 20 percent tell us?  A simple fact: This Business earns $20 for every $100 it invests.

『WHAT I LEANED ABOUT INVESTING FROM DARWIN』 Pulak Prasad


2014年4月に誕生したThe 3rd Man's  Fund、来年には10歳になります。

おおむね順調に育ってきていて、個人的にはEnoughと言える結果です。財務諸表とはなんぞや?の状態から始まり、日米のいろいろな企業の株式に手を出して試行錯誤しながら自分なりの投資スタイルを探してきた、そのひとつひとつの悪あがきそのものがとても楽しいことでありました。

次の10年はThe 3rd Man's  Fundのクオリティをもっと高めていくことになります。我が家の3番目のProfit Centerとして永続的に行進できる筋肉をビルドアップします。

それをするにあたり、やはり最初の10年での失敗をきっちりと確認し、それの回避策を考えるのはマストです。というわけでここのところじっくりと考えていたのですが、やはり私の弱点は

2023年11月24日金曜日

次の10年に向けての雑文(1) ーカタリストとしての株式投資ー

「十分というのはあなたが考えているよりも長いかもしれないわよ」

村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編』 新潮文庫

 

 投資家は、企業と人間の本質、さまざまな数字について多くを知る必要がある。

デビッド・クラーク 『マンガーの投資術』 林康史・監訳 石川由美子・翻訳 日経BP社


2014年4月に誕生したThe 3rd Man's  Fund、来年には10歳になります。これを機に年度を5月はじまりの4月終わりに変更します。たいていの米国企業は2月から3月にかけてアニュアルレポートが作成されますし、日本企業も3月が年度末のところが多いため、そのほうが都合がいいというのもあります。

また、なんとなくなのですが、自分の中で長期投資は30年という意識があります。その場合、10年ごとに前半・中盤・後半と分けられます。

ということで、来年の5月からはいよいよ中盤の10年に差し掛かることになります。中盤が終わるころには、私は63歳、ムスメは19歳、ムスコは15歳となり、こりゃ、なかなか重要な局面を迎えることになりそうです。

来年からNISAもさらに充実してくることもあって、これからは投資信託への積み立てがメインになる予定ですが、一方でThe 3rd Man's  Fundももっとクオリティを高くしていくつもりで、これまでの10年間の反省を踏まえながら、改めて投資方針を見直している最中です(Code of Conduct for next 10 years (策定中))。

それに合わせ、すこしずつポートフォリオの中身もいじっている最中で、来年の4月末まで時間をかけて質を高めていく予定です。最終的には中盤が終わる2034年の初夏の時点で株式の平均保有年数が10年になることを目指します。

その過程でいろいろ考えていることを、これから複数回にわたってつらつらと書いてみたいと思います。

2023年9月30日土曜日

投資家K.の四半期レポート 3rd Q, 2023

At Berkshire, we look to performance, not to the calendar.  Charlie and I, at 71 and 64 respectively, now keep George Foreman'spicture on our desks.

To the Shareholders of Berkshire Hathaway Inc.(1994)

今年の夏は暑かったです。炎熱という表現がしっくりきました。その昔、フィリピンはマニラを舞台にした『炎熱商人』という小説がありましたが、もう東京でもそのタイトルでいけるのではないでしょうか。 

夏に備えて2月あたりからしっかり走りこんで汗をかいてきたのですが、ほんっとに屋外に出るのに気合が必要でしたね。それでも家族を連れて山や川、それに海に行ってきたところ、8歳と5歳の子どもたちの好奇心と体力は無尽蔵で暑さなんてもろともしておらず・・・こうして振り返ってみると、私にとってはひたすらバテた印象しかない夏でした。



2023年8月31日木曜日

積み立て投信にたいする考察 ー シン・NISAを迎えるにあたり ー

 敗北……。勝利……。私にはこういった常套句の使い方がよくわからない。人を昂揚させる勝利もあれば、人を駄目にしてしまう勝利もある。人を打ちひしぐ敗北もあれば、人を目覚めさせる敗北もある。生命というのは、そのときどきの状態によっては示すことができない。ただその歩みによってのみ示すことができるのだ。

サン=テグジュペリ 『戦う操縦士』 鈴木雅生・訳 光文社古典新訳文庫

『汝の父を敬え作戦』発動から8年半が経過しました。

教育資金を準備する目的で、ムスメ(8.5歳)のための1st Frontでは、彼女が誕生したその日から以下の投資信託を毎月積み立ててきました。現在はつみたてNISAを利用しています。


  • ひふみプラス(2022年9月まで)
  • コモンズ30 (2022年10月より)
  • 米国株式のインデックス投信

さらにはムスコ(5.2歳)向けの2nd Frontとして、

  • 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね
  • スパークス・新・国際優良日本株ファンド

を毎月積み立てています。

積み立ては、子供たちがそれぞれ中学を卒業する15歳まで行う予定です。そしてその時点での含み益・損の状況を見て、

  1. 定期預金に切り替えるか
  2. そのままリスク資産として保有し続けるか
  3. 積み立てを継続するか

の判断を下すつもりです。

2023年8月8日火曜日

ポートフォリオは円で見よ ーNVICの米国厳選投資編 第6期ー

暑い日が続きます。今年は2月あたりから夏に備えてけっこうランニングをやって汗をかいてきたんですけどね、この暑さはすさまじいですね。外に出たくありません。聞くところによると、あまりの暑さに海水浴客が少ないということで、これに台風がかさなると・・・いやあ、ちょっと厳しい夏になってしまいましたね。

2023年6月30日金曜日

投資家K.の四半期レポート 2nd Q, 2023


The operative phrase here is “pay no attention”. This is not easily done. Many investors are professionally required to “pay attention” to the latest trend for fear of missing out (pay attention and be invested!).

Nomad Investment PartnershipのInterrim report, Jun 30th, 2002

2023年も折り返し地点です。

せんだって映画『探偵マーロウ』を観てきました。あんまり期待しておらず、また劇場で見終わったときも、ま、こんなもんだな、程度の感想しかなかったのですが、それから何日か経つにつれジワジワとくるものがあり、最近ボーっとしているときは映画の回想に浸っていたりします。

そして気が付いたらブログのタイトルを変更してしまいました。いったいどうしたことか。このままでは劇場まで再度足を運びかねない。うーん、もともと上映場所が少ないうえに、人気なさそうだからいつまでチャンスがあるだろう・・・

2023年5月24日水曜日

ロスト・ワールドの覇者

Watsco knew Peirce-Phelps was a good company and they only wanted three things of us: to continue to lead and manage the business as a market leader; to accelerate our growth by providing us with additional capital and technology; and to collaborate with our peers throughout the Watsco network so that we could all learn and benefit from each other’s experience. So far, we’ve all checked all three boxes and both companies have benefited from the transaction.

Watscoの2019年度版アニュアルレポートより

よく言われていることですが、昨今のICTによるネットワーク化や人々の価値観の多様化などにより、かつての重厚長大な企業が発揮していたような、とくに資本力や固定資産のデカさに依存したスケールメリットが薄れつつあるように見えます。

最近のM&Aにしても、単に規模を大きくするのではなく、新たな技術や販路を確保するといった目的でなされていることが多いように思います。さらには世のトレンドは、ジョンソン&ジョンソンやユナイテッド・テクノロジーズ、日立製作所(6501)のように、分割したり事業を手放したりして組織の効率化を図る方向にあるように見受けられます。

しかし、約2億130万年前から始まったジュラ紀に存在していた生物が、生き延びるためにひたすら巨大化する方向に進化したのと同じように、現在でも大きくなることこそが正しい世界、作家コナン・ドイルの代表作の『失われた世界』のような台地が米国に存在しています。