君は何を求めているんだ。バラ色のもやの中をあでやかに飛ぶ黄金の蝶々か?
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』村上春樹・訳 早川書房
2019年6月16日の日本経済新聞朝刊の一面に『米企業は借りすぎか』と題した後藤達也氏・伴百江氏の記事がありました。
「ウォーレン・.バフェットに働きかけようと思っている」ファルドは言った。慎重に考えたうえでの発言だった。ポールソンが伝説のオマハの投資家の友人であることを知っていたからだ。バフェットは投資銀行家全般を嫌悪していることで有名だが、長年、業務の一部でゴールドマンのシカゴ支店を利用していて、ポールソンとも親交を結んでした。
バフェットが投資するなら、金融業界では、万全の保証書をもらったに等しい。市場は大いに好感するだろう。
アンドリュー・ロス・ソーキン 『リーマンショック・コンフィデンシャル 上』 加賀山卓郎・訳 ハヤカワノンフィクション文庫
*ファルドはリーマン・ブラザーズ破たん時のCEO、ポールソンはその時の財務長官
「リーマンショック・コンフィデンシャル」を読んでいると、名だたる米国の金融関連の経営陣たちは、いよいよ状況が切羽詰まってくると、まず「いったいこのありさまをどうやって株主に説明するんだ!」とうろたえはじめ(イイですね、最初に彼らの頭をよぎるのがお客様でもなければ従業員でもなく、株主です)、次に「こうなったらバフェット氏にすがろう」というパターンがいくつか見受けられます。
先日の1/2の神話再び -日本管理センター(3276)の獲得-という記事で、獲得した理由のひとつに
- 和製銘柄にしてはROEが高く(約30%)、またそれを維持することを数値目標として掲げている
と訳知り顔で書いていましたが、果たして私自身がROEとは何かをきちんと把握している自信がないので、改めて広木隆さんが書かれた『勝てるROE投資術』(日本経済新聞出版社)を再読してみました・・・いやはや、ROEの数値をもとに判断する前に読んどけっちゅーねん。