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2020年10月14日水曜日

老舗連続増配企業に祝福のKISSを その4 -プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-

さて、ぼちぼちCovid-19のパンデミックの影響下での業績を報告するアニュアルレポートが出てきました。まずはプロクター・アンド・ギャンブル(PG)です。同社の2020年度の後半の2四半期はコロナ禍のインパクトを受けていますね。


PGは2014年の前半、2015年半ば、2018年前半の3回に分けて獲得しています。最後のやつは、ドクターペッパー・スナップルズ(DPS)の後釜補強の一環でしたね(参考記事『Dr.ペッパーを引き継ぐ者たち』)。

PGの株価推移(月足)。赤矢印が獲得のタイミング


ではさっそくRevenueとOperating Incomeの推移、ならびに一株当たりの数値。


数字のソースはモーニングスター


数字のソースはモーニングスター

2020年度はなかなか調子が良かったようです。

既存事業売上高は前年度比6%増とのことで、地域別にみると売り上げの約半分を占める米国で10%増。中国では+8%。Eコマースでは+40%で、売り上げの約10%を占めるようになったとのこと。

PGでは5つのセグメントがあるのですが、そこからさらに製品群を10のカテゴリーに分けているようです。その内訳は:


上記のようになります。Brandsは日本で比較的目にするものを載せました。青字は我が家にあるものです。Personal Health CareとFamily Careに関しては日本で馴染みのブランドは無いような気がします。

各セグメントの対前年度比なのですが、まず驚きなのがBeautyのNet Salesが+4%。中国本土で二けた成長だとか。北米ではMid single digitの成長、欧州、アジアでも伸びていたとか。これはマーケティングに力を入れたのと、カテゴリーの成長が主な要因。ふーむ、てっきりここはコロナ禍のネガティブインパクトをもろにくらっているものとばかり思っていた。中国ねえ・・・資生堂とか面白いかもしれないな。100株買うのがしんどいけど。

GroomingのNet salesは-2%。さもありなん。在宅勤務の巣ごもりとあれば髭は剃らない。私は子供たちを保育園に送っていく際の世間体というものがあるので(こうみえても小心者です)、毎朝律義にジレットしているのだが。

逆にコロナ禍でポジティブインパクトを受けたのがHealth Careで、+10%。とくにPersonal Health Careが+20%。これには買収したMerckの影響も一部含まれているのですが、それにしてもすごいですね。

Fabric & Home Careは+7%。為替を除くと+9%。巣ごもり需要がてきめんに出ています。ウイルスの来襲に加え、自宅での食事が増えるとなると、もちろんクリーニング剤とかのニーズも増えますね。 

あまりコロナ禍のインパクトが少なそうなBaby, Feminine & Family Careは+3%。おむつは少しマイナス。競争激化に加え、中国の出生率の低下が影響しています。翻って北米ではカテゴリーが成長していて、マイナスインパクトを軽減したとのことです。

Feminine careもLow single digitsの成長ですが、けん引したのが日本でのウィスパー(大人用尿漏れケア)の新製品。

Family CareはHome Careと同様の理由で好調でした。

いやあ、PGの株式を保有しているだけで、世界のデモグラフィックな動きが把握できますね。

そしてPGは2020年度のアニュアルレポートでこう言い放っています。

2017年にこれらの10のカテゴリーを自己評価したときには、たった30%の製品だけが優位性を持っていた。こんにちでは70%以上の製品が優位性を持っている。

随分自信をつけてきましたなあ。

奇しくも2017年と言えば、『老舗連続増配企業に祝福のKISSを その3 -プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-』を書いた年です。ふふーん、どうやらPGはダンケルクの浜辺からうまく撤退できたようだな。

***

私がわざわざ断るまでもなくPGは保有していて退屈な株式です。往々にして指数の上昇に置いて行かれます。それならS&P500のETFでも保有していた方がマシという意見があったとしても、私は深く頷きます。

しかしそれでも私はPGを選びます。

なぜなら、以前『令和の改新 その1 -始まりの終り-』に書いたように、サブプライム金融危機があり、当時IVV(S&P500のETF)や1306(TopixのETF)をたっぷり保有していた私が打ちのめされていた時、それでも目に入ってきたのがスーパーのレジの列に並んで、清涼飲料水や食料品、日用雑貨を買い求める人々だったのです。

そう、どこかの投資銀行が吹っ飛ばされようが、ニューヨークがロックダウンされようが、大統領に誰がなろうが、ひとびとは日々、髪を洗い、歯を磨き、おむつを替えるのです。これらの事実は逆風下にモノを言う。指数という正直なかなかTangibleに実感できないものよりも、モノを言う。

なので指数に劣後しようが何だろうが、んなこたあ、どうでもいいんです。どうでも・・・

アニュアルレポートより

勝っとるやんけ。

情報開示:この記事を書いている時点でPG133株保有。

このブログでのPGのその他の記事はこちら。


2018年11月14日水曜日

必需をめぐる冒険 (1)

「羊のことよ」と彼女は言った。「たくさんの羊と一頭の羊」
「羊?」
「うん」と言って彼女は半分ほど吸った煙草を僕に渡した。僕はそれを一口吸ってから灰皿につっこんで消した。「そして冒険が始まるの」

村上春樹『羊をめぐる冒険(上)』講談社文庫

最近読んだチャーリー・ティエン著『とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法』(長尾慎太郎・監修、山口雅裕・訳、パンローリング)に、ドナルド・ヤックマンなる投資家が紹介されています。

2018年2月9日金曜日

Dr.ペッパーを引き継ぐ者たち

 「だいじなのは個人を復旧することではない。集団全体を復旧することだ」とビリー・ビーンは言明している。ジェイソン・ジオンビーをもうひとりみつけられるはずがなく、無理に見つける必要もない。
マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山 宥・訳 ハヤカワ ノンフィクション文庫
先日こころならずもドクターペッパー・スナップル・グループを放出する羽目になったので(参考記事:『さらば、愛しきドクターペッパー・スナップル・グループ (DPS)』)、キャッシュができてしまいました。

2017年11月3日金曜日

老舗連続増配企業に祝福のKISSを その3 -プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-

 日曜日の朝、僕は九時に起きて髭を剃り、洗濯をして洗濯物を屋上に干した。素晴らしい天気だった。最初の秋のにおいがした。
村上春樹 『ノルウェイの森(上)』 講談社文庫
もう11月です。開け放ったベランダの窓から漂ってくるのはかなり深まった秋のにおいと洗濯物のアリエールの残り香ですね。すでにプロクター・アンド・ギャンブル(PG)はFY18の第一四半期の結果を発表してしまっているのですが、今更ながらにPGのFY17のレビューをしてみます。

2017年1月28日土曜日

老舗連続増配企業に祝福のKISSを その2 -プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-

 彼女は集計をつづけ、彼はかごを持たずに商品棚を見てまわった。男はポール・ニューマンも、どんな醜男も、それだけはおなじだ。安全剃刀の替え刃を買いに来て、最後はかかえきれぬほどの品をかかえこむくせに、決してかごを取ろうとしない。
ジョン・ル・カレ 『ナイト・マネジャー』 村上博基・訳 ハヤカワ文庫
男たちの足をしぶしぶドラッグストアへ運ばせる、ジレットの替え刃を擁するプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が復活の兆しを漂わせています。ああ、FY18のQ2の結果が出る前にこの記事を書きたかったな。

2015年7月6日月曜日

プロクター&ギャンブル(PG)の追加獲得と2015年6月のポートフォリオ

以下がThe 3rd Man's  Fundの、日本時間7月5日時点でのポートフォリオです。$1=¥122.34で計算してます。あらかじめお断りなのですが、投資方針を策定する以前に購入している銘柄もあります。なお The 3rd Man's Portfolioのページもアップデートしています。

2015年3月11日水曜日

老舗連続増配企業に祝福のKISSを -プロクター・アンド・ギャンブル(PG)-

戦線を縮小しろよ。つまり昔に戻るのさ。

村上春樹 『羊をめぐる冒険(上)』 講談社文庫

先だって、うちの奥さんが突然「パパは若々しくないといけません」と高らかに宣言し、彼女御用達のSK-IIのクリームを毎朝晩の洗顔後私の顔に塗りたくるようにとのお達しがありました。これこそ無駄な抵抗で費用対効果ゼロと考えるのですが・・・下手に抵抗すると貴重な時間まで無駄になるので唯々諾々と従っております。綾瀬はるかさん、ごめん。

2014年5月14日水曜日

緊急補強候補銘柄 PG (Procter & Gamble Co.)の分析

先日のエントリーで述べましたとおり、今週1銘柄をThe 3rd Man's Fundに加えます。結論から申しますとPG (Procter & Gamble Co.)に決定しました。 5/8から複数回にわたり何故PGになったかをレビューしています。 かなり駆け足で調べたので(実質細切れ数時間)、思いっきり簡易調査です。突っ込みどころは満載かと思います。突っ込んでいただければ今後の糧にします。

PG (Procter & Gamble Co.)