2024年3月18日月曜日

スパイスのない人生なんて 9 - MKCとLSTR-


My planet, Arrakis, is so beautiful when the sun is low. Rolling over the sands… you can see spice in the air.

映画『Dune』


フランク・ハーバート原作の『Dune』は壮大な叙事詩であり、SiFi(アメリカ人はエス・エフではなくサイ・ファイと言います)の金字塔です。息子のブライアン・ハーバートによると、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ等々によるハードカバー版SF作品が全米ベストセラーに名を連ねるようになったのは、〈Dune〉シリーズが大成功を収めたのちのことなんだそうです。(『砂漠の砂丘たち〔新訳版〕』酒井昭伸・訳 ハヤカワ文庫 序文より)

つまり『Dune』がSiFiを文学的にまともなジャンルのひとつにした、といっても過言ではないですね。それまでは一部の物好きによって廉価ペーパーバックが読み捨てられるGeekな娯楽とみなされていたんでしょう。

その壮大な物語は、砂の惑星アラキスでとれる特殊なスパイスを巡る骨肉の闘争記、とも言えます。人類にとってスパイスとは、はるか未来の宇宙の彼方にまで大きな影響を及ぼす存在なのです。ま、『Dune』の場合、スパイスというよりはドラッグといったほうがいい感じがしますが・・・

2024年3月15日金曜日

2月後半の振り返り

保有している米国株式のうちの3社から、2月後半に第四四半期および2023年度の決算が発表されました。すべて米国の住宅関連になります。 

ご存じの通り米国での住宅ローン金利は高止まりしていて、とくに中古住宅の需給はよろしくありません。中古住宅販売件数は先の金融危機時(リーマンブラザーズが破綻したやつです)の大底レベルに近い水準とのことで、これからレビューする3社にとっては逆風が吹いています。

2024年3月5日火曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 -2023年Q4-

Though the stock market is massively larger than it was in our early years, today’s active participants are neither more emotionally stable nor better taught than when I was in school. For whatever reasons, markets now exhibit far more casino-like behavior than they did when I was young. The casino now resides in many homes and daily tempts the occupants.

SHAREHOLDER LETTES 2023, BERKSHIRE HATHAWAY INC.


Listen to me very carefully.  There are three ways of doing things around here.  The right way, the wrong way, and the way I do it.  You understand?

映画『カジノ』、ロバート・デ・ニーロ演じるSam 'ACE' Rothsteinのセリフ


最近発行されたバークシャー・ハサウェイの2023年度版のレターを読んでいたら、映画『カジノ』を観たくなりました。私はとくに『グッドフェローズ』に代表されるスコセッシ監督の映画のグダグダ感が大好きで、そういった意味で『カジノ』も興味津々だったのですが、日本で公開されたのが私が社会人になったばかりの1995年。金銭的にも精神的にも劇場に足を運ぶ余裕がなく、そのまますっかり観そびれていました。

2024年2月19日月曜日

2月前半の振り返りとストライクゾーンの修正

保有している米国株式のうちの4社から今月前半に第四四半期および2023年度の決算が発表されました。すこし振り返っておきます。が・・・ 

その前に『打率8割の投資家の勝率』でTypeIエラーを減らせ!と書いたばかりにもかかわらず、一部ストライクゾーンでバットを振ってもいいエリアを上方に修正しましたので報告しておきます。舌の根も乾かないうちに・・・というのは私の得意技。 

詳しくは投資方針のページに記載していますが、右打者であると仮定すると、内角高めにヒッティングエリアを拡大しています。内角は過去10年間のROCEの中央値が35以上であり、さすがにこのあたりの数字をたたき出している企業の株式のPERは過去をさかのぼって調べても常に高いので、エリアを高めに修正しています。

ROCEの35以上の企業ってのは大抵の場合、バフェット氏が言うところの「島に一つだけかかる橋を所有しているような事業」を行っており、なおかつ投資対象企業はDebt/Equityが0.3以下に絞っているので、獲得時のPERが高くても致命的なリスクは避けられるだろうという判断です。

2024年2月16日金曜日

打率8割の投資家の勝率

  マーケットで生き残ることは、戦場で生き残ることと本質的に同じことだ。できるだけ損失を出さないようにして生き残ることさえできれば、結果的にいくらかの財産ができているものさ

by ウォルター・シュロス、Roald W.Chan 『価値の探究者たち』 山本御稔・小林真知子・訳 きんざい

 

進化のカジノで使われる通貨は生存である。

リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子』 日高敏隆・岸由二・羽田節子・垂水雄二・訳 紀伊國屋書店


私にとって投資関連のザ・マスターピースと言える本、インド株式を運用するNalanda Capitalの創始者Pulak Prasad氏(以下敬意をこめて師匠Pと呼ぶ)による『WHAT I LEARNED ABOUT INVESTING FROM DARWIN』は3つのセクションで構成されていますが、それぞれに


  1. Avoid big risks.  
  2. Buy high quality at a fair price
  3. Don't be lazy - be very lazy 


とタイトルがつけられてあるように、まずは(損をする)リスクを最小限にとどめることに重きが置かれています。しかし人間、いやもとっと範囲を広げると、生きとし生けるものすべてが、リスクを広げてしまうエラーを犯す存在でもあります。

2024年2月2日金曜日

1月の振り返り

Struck me kinda funny
Seemed kinda funny sir to me
Still at the end of every hard day
People find some reason to believe

Bruce Springsteen 『Reason to Believe』

保有している米国株式の第四四半期および2023年度の決算が発表され始めました。まずは数字だけで軽くフォローしてみます。

2024年1月20日土曜日

次の10年に向けてのプレ・シーズン

The big money is not in the buying and selling...but in the waiting.

Charlie Munger

次の10年に向けての雑文(1) ーカタリストとしての株式投資ー』で書いた通り、今後は5月をThe 3rd Man's  Fundの年度の始まりとします。ということは2月~4月は第四四半期になりますが、ファンドのInceptionからこの4月末で丸10年を迎えるので、5月からは投資活動における新たなシーズンが開幕という気分になっており、それまではプレ・シーズンで慣らし運転期間と位置づけたいと考えています。新たに投資方針も策定したこともあるので、これで本当に違和感がないかを確認することになりますね。 

といっても現状の株式市場の相場水準を鑑みると、ほとんどアクションを起こす機会はなさそうです。逆に、機会を待ち続けることに自身をどう慣らせるか・・・が焦点です。

2023年12月26日火曜日

次の10年に向けての雑文(4) ーa permanent holderにとっての最大のリスクー

例年通り、レッドソックスはなりふりかまわずプレーオフをめざしているところだった。息切れ寸前で苦しみながら、「クリフ・フロイドを獲らないことには、にっちもさっちもいかない」とまで思い詰めていた。たったひとりの選手で全問題が解決するはずという、よくある浅はかな発想だ。 〈中略〉 もしフロイドを獲れば、地元ボストンの新聞各紙は狂喜する。フロイドは、レッドソックスの本拠地〈フェンウェイ・パーク〉にまやかしの夢と希望をもたらす存在なのだった。

マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山宥・訳 ハヤカワノンフィクション文庫

 

For some reason, the media love the news of one business merging with or acquiring another one.  The investment bankers and financiers who make fat fees love them even more.  Following such an announcement, the CEO is typically invited to CNBC interview during which they will extrol the virtues of "strategic fit," "synergies," "culture fit," and other boilerplate platitudes uttered in every single M&A.  They are almost always wrong.  Most mergers and acquisitions fail.

Pulak Prasad 『What I Learned About Investing From Darwin』Columbia Business School Publishing


インド株式を運用するNalanda Capitalの創始者、Pulak Prasad氏はその著書でM&Aの成功率(失敗率)に関する文献を紹介しています。

2023年12月17日日曜日

次の10年に向けての雑文(3) ー無人島にもっていく3冊+1ー

 

本を読むとは、自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ。たえず本を読んでいると、他人の考えがどんどん流れ込んでくる。

ショーペンハウアー 『読書について』 鈴木芳子・訳 光文社古典新薬文庫

 

前回、M&Aの巧拙を考えてみたいなんて書きましたが、ちょっと時間がかかりそうなので、今回は向こう10年間で折に触れてページを紐解いていくだろうと思われる3冊+1について書いてみたいと思います。

前提としてThe 3rd Man's  Fund(一時期『いざ・波』とわかれていましたが)は最初の10年間でそれなりに資産を増やしました。とにかく大きくしていくことが最重要課題だったので、別枠に月々積み立てている投資信託にさらにOn Topで定期的に四半期ごとに新たな資金を投入してきました。

さらには投資に関する本も多く読んで知識を吸収してきました。つまらなくて、あるいは私には合わなくて、放り出した本も多数ありましたが。


つぎの10年間は、

  • 家族との旅行(子供たちはいつまで一緒に行ってくれるのだろう)
  • 教育(塾なんぞ無かった田舎出身の私としては、途方に暮れている)
  • 食費(いずれバカスカ食い始めるんだろうな)

に資金と時間を最優先でアロケーションすることになります。

2023年12月6日水曜日

次の10年に向けての雑文(2) ー最大の失敗ー

 

What does a high ROCE of, say, 20 percent tell us?  A simple fact: This Business earns $20 for every $100 it invests.

『WHAT I LEANED ABOUT INVESTING FROM DARWIN』 Pulak Prasad


2014年4月に誕生したThe 3rd Man's  Fund、来年には10歳になります。

おおむね順調に育ってきていて、個人的にはEnoughと言える結果です。財務諸表とはなんぞや?の状態から始まり、日米のいろいろな企業の株式に手を出して試行錯誤しながら自分なりの投資スタイルを探してきた、そのひとつひとつの悪あがきそのものがとても楽しいことでありました。

次の10年はThe 3rd Man's  Fundのクオリティをもっと高めていくことになります。我が家の3番目のProfit Centerとして永続的に行進できる筋肉をビルドアップします。

それをするにあたり、やはり最初の10年での失敗をきっちりと確認し、それの回避策を考えるのはマストです。というわけでここのところじっくりと考えていたのですが、やはり私の弱点は