2019年10月26日土曜日

フロントドアをノックしろ -FTDRのレビュー その1-

 新聞の勧誘員以外に僕の部屋をノックする人間なんてまず誰もいない。だからドアを開けたこともなければ返事さえしたこともない。
 しかしその日曜日は三十五回もノックを続けた。仕方なく僕は半分眼を閉じたままベッドから起き上がり、もたれかかるようにしてドアを開けた。グレーの作業服を着た四十ばかりの男が、仔犬でも抱えるようにヘルメットを手にして廊下につっ立っていた。
 「電話局のものです」と男は言った。「配電盤を取り替えるんです」

村上春樹 『1973年のピンボール』 講談社文庫

先日アブビー(ABBV)を放出し、それを元手にフロントドア(FTDR)とレストランブランズ・インターナショナル(QSR)を追加獲得しました。

2019年10月19日土曜日

投資家K.の四半期レポート 2019 Q3

割安な株を探すのではない。よいビジネスを探すことが重要だ。売りたたかれているビジネスへの投資は破滅につながることがあるが、よいビジネスへの投資にその心配はない
フランチェスコ・ガルシア・パラメス(スペインのベスティンバー・アセット・マネジメントの元最高責任者)の言葉。Ronald W.Chan 『価値の探究者たち』山本御稔/小林真知子・訳 きんざい
2019年も残すところあと3か月をきりました。

2019年10月12日土曜日

令和の改新、最終章 -作戦術の導入ー

 こうした変化をみたヨーロッパ諸国の軍人や軍事思想家は、戦争に勝つための策を定める戦略と、戦闘を有利に進めるわざである戦術とのあいだに、もう一つ、「作戦」という次元があると考え始めた。そこで採られるべき方策を究明することが、今後の戦争遂行に重要な意味を持つと認識したのである。ロシアは二十世紀初頭に、こうした理論的試みにおいて、著しい進捗をみせた。日露戦争で、日本軍よりもずっと優勢な大軍を擁しながらも敗北した経験が、ロシアの軍人たちに深刻な施策を促したのだ。
大木毅 『独ソ戦』 岩波新書 *上記引用の戦争と戦闘の部分に下線を引いていますが、原文では傍点です。
戦略と戦術を有機的に結びつける(ソ連)作戦術は、ベトナムで痛い目に遭った米軍も研究をするところとなったのだそうです。やはり人間、失敗しないとなかなか進歩しないものですね。

2019年10月5日土曜日