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2016年5月12日木曜日

終わりのないブルーズ(石油界隈) その1

 エディがいった。テキサスシティ、金のにおいだ。彼は北側、低湿地の向こうを指した。もつれるようにして立ち並ぶ黒と灰色の煙突が、遠方のぼんやりとした景色を縁取っている。製油所と石油化学プラントのだ。みんな、あそこで働いている。
 勝手に働いていろ、レイ・ボブがいった。あいつらはみんな馬鹿だ。おれは絶対、あの手の場所じゃ働かない。有毒廃棄物のゴミためなんかじゃ。鼻が完全に馬鹿になっちゃう。
 払いはいいわ。物静かな声で、バックシートのデラがいった。
 そんなにはよかない、とエディ。彼は彼女を見返した。ああいうところにいると、癌になる。ひどいやつに。癌になりたい?

クリストファー・クック 『終わりのないブルーズ』 奥田祐士・訳 ヴィレッジブックス


米国のディープサウスを徘徊する悪党たちと、彼らを追うテキサスレンジャーを描いたノワール小説の傑作、『終わりのないブルーズ』は、舞台である米国のディープサウスの雰囲気をうまく醸し出していると思います。


読んでいるとじっとりと汗ばんできます。梅雨時のじめじめした季節にR.E.M.のDriveとかを聴きながら読むにはぴったりです。Nobody tells you where to go, baby...


ドクターペッパー片手に読むと、なおさらいいかもしれません。(関連記事:米大陸のガラパゴス銘柄、ドクターペッパー・スナップル・グループ(DPS)の増配


いや、実のところ、私は米国の南部には足を踏み入れたことはないんだけど・・・。