2026年3月14日土曜日

子供たちは何処へ - NVRのレビュー 2-

米国の主に北東部を根城にしているホームビルダーNVR, Inc. (NVR)の2025年度を確認します。

しかし、まあ、なんというか、とくに書くことはなく、退屈の極みですな。自ら望んでいることとはいえ・・・

この写真の建築中の家はNVRのものかどうかはわかりません。あくまでイメージです

NVR売り上げ規模でいくと米国第4位のホームビルダー。本社はワシントンDC(注、ワシントン州ではない)にほど近い、ヴァージニア州レストン。一軒家やコンドミニアムの建築・販売を行う会社。原材料を仕入れて、子会社の工場でパネル等セグメント部材を組み立てて現場に搬入。工事の指揮・監督をするが、実際の建築作業は請負業者が行う。

平均86日で完成させる非常に効率的な仕組みをつくっている。Aurea Lotusの柳下氏主宰の第190回サロンより)

一方で自社取り扱い物件に限るが、住宅ローン専門金融も行っており、ローンの発行手数料、タイトル(保有権)手数料の収入がある。またローンそのものは締結後30日以内にSecondary Marketに売却する。

Homebuildingでは以下の3つのTrade Nameで商売をしている。

  • Ryan Homes (2022年就任の現CEO、Paul C. Savie氏はここ出身)
  • NVHomes
  • Heartland homes

主に活動している地域は以下の通り。

Mid Atlantic:

Maryland, Virginia, West Virginia, Delaware and Washington, D.C.

North East:

New Jersey and Eastern Pennsylvania

Mid East:

New York, Ohio, Western Pennsylvania, Indiana and Illinois

South East:

North Carolina, South Carolina, Tennessee, Florida, Georgia and Kentucky

***

【存在を知ったキッカケ】

Aurea Lotusの柳下氏のX (旧ツイッター)

【初回の獲得】

20251

【誰にどのような価値を提供しているか】

狭義では、質の高い中~(準)高級住宅(25年度のSettlementにおける平均価格はUS$450.6K)と、住宅ローン専門金融。

広義では、住宅購入者の資産価値及び周辺地域全体のブランド向上、ならびに地域経済の活性化

【参入障壁】

Aurea Lotusの柳下氏主宰の第190回サロンの講義によると、米国ではホームビルダーのテリトリーは比較的地域やターゲット層によって住み分けされていて、あまりシェアの奪い合いはおこらない。逆に地域全体の付加価値を上げていく施策・開発を行っていることにより、地理的な障壁を築いている。いったんコミュニティとWin-Winな関係を築くと、そこに後から割り込んでいくのは結構大変と思われるし、そんなことをするより、各自得意領域に集中したほうが効果的と思われる。

【長期潮流】

令和の改新 その3 - 株式投資のメインストリーム -』『令和の改新 その4 - 巨鯨現る -』に書いた通り。

【短期の天候】☔

金利の高止まり、粘着質なインフレ、トランプ政権による連邦政府職員リストラによるワシントンDC近郊の住宅需要の低下(私の推測)

***

上記の逆風にもかかわらず、NVRのROCE 、ROICの数値(あくまで私の計算なので参考レベル)は、2025年度も素晴らしいものでした。




ROICは過去10年のMedianでいくと33.6%です。

Morningstarで調べると、同業のD.R.Hortonの直近の数字は11.2%、Lennarは6.9%、住友林業は7.7%でした。

これはNVRが土地の購入をして自ら開発をしないことが大きな要因となっています。投下資本が少ない結果、計算の際の分母の値が小さいので、このような目覚ましい数字が産出されることになります。

土地を購入する代わりにNVRは土地開発業者とLot Purchase Agreement(完成地購入契約)に基づいて、開発された建物用地を取得します。そのさい最終的な価格の10%程度までをデポジットとして支払います。つまり最終顧客が家の建築・購入を決定するまで土地を持たないプロセスになっています。

このようなasset lightな戦略をとっているのがNVRの特徴です。

2024年度は:

Net Salesは-2.4%、過去10年間のCAGRは6.0%(マイナス成長2回)
Operating Incomeは-17.6%、過去10年間のCAGRは10.2%(マイナス成長2回)
Operating Marginは16.1%、過去10年間の平均は15.5%
ROCEは45.4%、過去10年間のMedianは44.6%

地域別の動向:


右軸の赤字と赤の折れ線が一戸当たりの平均価格です。それ以外は左軸で各地域のNew Order、Settlements、Backlogの数字です。

住宅価格は21年あたりからぐーんと上昇して高止まりです。いっぽうBagcklogは特に主力のMid Atlanticが落ち込んでいて、これはしばらく厳しい情勢が続きそうです。

ちなみに長い目で見ると黄色のSouth Eastが伸びてきています。現役引退世代がフロリダとかに移住しているのでしょうか。『子供たちは何処へ  - NVRのレビュー 1-』で書いたあの子供たちも、そろそろ南へ越そうかななどと考え始めている頃でしょうか。

一株当たりのフリーキャッシュフローの推移。


過去10年間のCAGRでみると14.5%。年末ごとの株価のCAGRは14.7%。ま、そういうことですね。

引き続きのんびり保有。いささか退屈ではあるが。

情報開示:この記事を書いている時点でNVR5株保有

Appendix



0 件のコメント:

コメントを投稿