2026年3月18日水曜日

プールサイドにて その3

 プールの2025年度を確認します。



Pool Corporation (POOL)

米国最大(=世界最大)のプール関連の卸。B2Bで、プールの施工・メンテ業者が主な顧客になります。


【存在を知ったキッカケ】

下記のリンク先の記事。たしかこのときは米国のスポーツ関連の小売りをいろいろ物色していてこの記事にたどり着いた記憶があります。

https://www.nasdaq.com/articles/4-stocks-to-gain-from-the-leisure-recreation-products-industry

同社の事業に対する知識を深めるため、2022年9月にAurea Lotusの柳下氏主宰の第143回卒業生サロン(私は卒業してませんが😅)に参加しました。


【初回の獲得】

20222月。その後、若干の追加・放出あり。


【誰にどのような価値を提供しているか】


プール施工・メンテ業者への、ワンストップ・サービスによる利便性。POOLへのサプライヤー業者数は2,200社もあり、製品数は20万以上。POOLがなければ、施工・メンテ業者はプールにたどり着くまで、なかなか面倒くさい業務をせざるを得ない破目になる。


【参入障壁】


扱っている製品が特殊なので、例えばThe Home Depot, Inc(HD)等のようなホームセンター大手、あるいは一般的なハードウェア製品を扱う小売業者が、正面切って参入してくる可能性は低い。

その特殊なマーケットで既に456(昨年から14増加)の販売センターを持っていて、市場シェアが40%(この数値は既述の第143回卒業生サロンの情報で、少し古い)とのことなので、いまさら新規企業にひっくり返される隙は、ほぼ無いと考える。

また特殊な製品を扱うには特殊な物流手段・方法が必要なため、アマゾン等のEコマースから被るインパクトも少ない。


【長期潮流】


住宅にプールを設置するの人口は増えている。

米国でプールが設置される家は、カリフォルニア州やアリゾナ州、それからフロリダ州といった温暖な地域に多く、仕事を引退した人々がよく移住してくる場所でもある。米国での60歳以上の人口は、2016年で約11,250万人なのが、2050年には概ね40%増の15,670万人になると推定されてる。


【短期の天候】☔


金利の高止まりと粘着質なインフレによる住宅需要の停滞に引きずり込まれる形で、新規設置やリモデルの需要が頭打ち。


***


POOLが産み出す企業価値を見てみます。(以下経営効率や一株当たりのFCFの数値は私の計算なので、あくまで参考値)





棒グラフはROIC-WACC Spreadです。直近はコロナ禍の特需の反動(というより2020年が出来すぎ)と金利動向による住宅市場がスローなので、だらだらと落ちてきています。とはいうものの2025年度のROCEの値は21.1と20を超えていますし(FundSmithによると2025年のS&P500のROCEは17)、ROICも16.1なので、全然悪くはない(両数値とも私の計算なので、あくまで参考値)。

2025年度は:

Net Salesは-0.4%、過去10年間のCAGRは7.5%(マイナス成長は3回)

アニュアルレポートによれば、年間通じてReccuring需要であるNon-discretinary製品は安定していたようです。一方Discretinaryは、年後半にかけて回復基調とのこと。

ちなみに23年度と24年度のGross Profitの前年対比の落ち込み方は、Net Salesのそれらと比較して大きかったのですが、FY25年度は小さくなっています。またFY24のGross Profitはトランプ関税への対策見込み違いで余分の利益があったとのことで、これらを鑑みると、インフレに対応した値上げが進んできていることがわかります。

Operating Incomeは-6.0%、過去10年間のCAGRは8.5%(マイナス3回)
Operating Marginは11.0%、過去10年間の平均は12.2%
ROCEは21.1、過去10年間のROCEのMedianは33.5

2025年度はネバタの庭園用の石や人工景観物を扱う卸、カンザスやテキサスのdistribution assetを買収しています。

一株当たりのフリーキャッシュフローの推移。


営業活動によるキャッシュフローが、ビジネスがスローなのと、インフレに備えて在庫を増やしたのと、繰越税金の支払いのタイミングで24年度が嵩上げされていた反動があり、25年度は落ち込んでいます。孫p結果一株当たりのフリーキャッシュフローも低くなっています。

10年のCAGRは10.2%です。


***


コロナ禍での特需以降、ビジネス環境に逆風が吹いていて数字的には芳しくありません。しかし依然としてPOOLが行っているビジネス自体は良い・根本的なところの価値創造能力は劣化していない、と判断しています。

株価も手ごろになってきています。2025年末の株価でのFCF Yieldは3.7%で、S&P500の2.8%(ソースはFundSmithを上回っており、かつ最近同社のDirectorの一人も株式を購入しています。
 
しかし、現時点ではZoetis Inc. (ZTS)のほうが妙味があると判断しているので、新たな資金を割り当てるのは保留中となります。


情報開示:この記事を書いている時点でPOOL58株、ZTS294株、HD55株保有

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Appendix



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