“長期”を一カ月の期間で定義するマーケットとは違って、ビジネスの根本的な優位性に注目するのだ
by 阿部修平、Roald W.Chan 『価値の探究者たち』 山本御稔・小林真知子・訳 きんざい
ムスコ(5歳)がここ数日すこし高めの体温が続いていて、大事をとって保育園を休んでいます。しかし元気で、在宅勤務中の私の気を引こうと、あの手この手で仕事の邪魔をしてきます。ま、それはよかったんですが・・・
夜、ワイルド・ワイフ(家内)と私が医者に連れて行くかどうかを相談していると、部屋の片隅でそれを聞いていたムスコの顔が一瞬ピクッとひきつったのが気になってはいたのです。
翌日の昼前、ムスコがやたらハイテンションになり、部屋をよろつきながら駆け回ってあっちこっちにアタマをぶつけ、挙句の果てに朝食を吐き出し、目が回るぅー、パパが二つに見えるぅーと呻いたかと思うと、自分で布団を持ち出してきて、ぐーぐー寝始めました。
なんかおかしい・・・そういえば朝、水を入れたコップをもってそそくさと子供部屋に駆け込んでいたな・・・怪しいぞ、と思い捜索してみると、机の下に家内が昔服用していた漢方系の睡眠薬錠剤の容器の殻が転がっていました。
察するに、注射を恐れたムスコがなんとか病院行きを回避しようと、意を決して自己治療を試みたらしい。
さすがに慌てましたが、近所の小児科はすべて休みだったのと、昼寝から起きたムスコがすっかり元通りに元気(相変わらず体温は高い)なので、そのまま様子を見ることにしました。
一晩明けて、念のため保育園は休みましたが、もう暇を持て余しまくっていて、手伝いに来た祖母を連れてカタツムリ取りに出かけております。ま、大事なくて何より。皆様におかれましては、もし小さなお子様がいらっしゃる場合は、薬の管理は厳重にしておきましょう😂
そんなムスコの教育資金を準備するための「汝の父を敬え」作戦で毎月積み立てているスパークス・新・国際優良日本株ファンド(以下、同ファンド)の第16期の全体版運用報告書が出たので、同ファンドのポートフォリオを確認します。
ちなみにムスコが生まれたときから積み立てを開始しているので、はじめにその第11期を見てみましょう。なお、これ以降のグラフは全体運用報告書から数字をマニュアルチックに拾ってきて作成したので、細かいところでは間違いがあるかもしれません。予めご了承ください。評価額をもとにした円グラフになります。
第11期 |
計16社。
Top3のソフトバンクグループ、日本電産、シマノをはじめ、日本を代表する名だたる企業が名を連ねていますね。ふーん、このとき既に三菱商事を保有していたのか。あと、アシックスがありますね。
もう個人的にはアシックスの株式を獲得しなかったのが残念で残念で・・・。
いまの私自身、ビジネスシューズからスポーツ、普段履きまで全部アシックスのシューズであり(トレッキングだけ別)、今をさかのぼること数十年の高校バスケ部時代からその品質の差に気が付いており(当時エア・ジョーダンの2代目モデルが爆発的にヒットしていて、イケてる先輩も履いていましたが、あれ、とことんボロかった。買ってすぐ横の部分が剥がれていた。修理に出したらツギハギだらけで返ってきていて、先輩は肩を震わせて絶句していた。私もアシックスからアディダスにバッシュを変えたことがあったが、その履き心地・性能の悪さに唖然とした)、なおかつ留学時代にランニング好きの米国人の友人から、「まじめに走るんだったらアシックスかNBだね、ナイキ?とんでもない」と言われたこともあり、さらには以前勤めていたヨーロッパ系の会社では、本社から出張してくる男性の足元はアシックスがやたらと多かった(とてもカジュアルな雰囲気の会社だったので皆足元はスニーカー)ことに気付いていた・・・それら諸々にもかかわらず、私は株式には手を出さなかった。ピーター・リンチ氏からは、ほら、オレの本で言っただろ、と叱られそうである。
毎日玄関で靴紐を締めるたびに、悔しい思いをしています。
個人的な愚痴はさておき、少し端折って第14期。
第14期 |
計16社。
三菱商事がTop。そして、日立製作所が一気に第2位に初登場。The 3rd Man's Fundで2023年2月から同社に投資をしていますが、これはスパークス・新・国際優良日本株ファンドの月次レポートを読み続けたのがきっかけでした。
そしてアシックスが、なくなっています。マヌケはオレだけじゃない。
第15期。
第15期 |
一気に25社に増えました。
グラフではHOYA以下の3社の名前が含まれていませんが、順に、日本取引所グループ、ローム、ルネサスエレクトロニクスになります。
月次レポート等で記述があったかと思いますが、2022年あたりの同ファンドは、昆虫で言うとサナギのような状態で、その内部で大いなるTransformationが行われていたのが見て取れます。
7 & i、三菱UFJ、そして半導体・保険関連の企業が組み込まれています。なにやら潮目の変化を嗅ぎとった気配がありますね。
では最新の第16期(2024年3月)。
第16期 |
計22社。
前期から姿を消したのは、ミスミグループ本社、ローム、テルモ、HOYA。新たに加わったのが、半導体デザイン企業のソシオネクスト。
運用報告書によると、株式数が増えたのは7 & i、オリックス、ルネサスエレクトロニクスなど、減ったのが日立製作所やロート製薬など。
私自身で同ファンドの保有株式数の記録をとっているのですが、最近日本の企業はやたら株式分割が多くややこしいので、増減を的確に把握するのは諦めました。分割より単元制度をなんとかしてほしい。
なんとなくですが、Transformationはひと段落がついて、強靭な形態に変貌を遂げてきた感じです。
ちなみに同ファンドの運用報告書より、第一期来の運用成績を見てみましょう。
第14・15期はTOPIXに劣後していましたが、第16期は10%強の差をつけて上回っています。
思うに第14・15期は、ポートフォリオで確認した通り、中長期を見越したTransformation真っ最中であったのが、劣後の原因なのではないかなあと思います。
こうしてみると、同ファンドは、5-10年の周期で定期的に形態を変える、いわば(日本だけに)シン・ゴジラのような生命体なのかもしれません。となると今期以降、鎌倉上陸以後のゴジラのごとき進撃が再開されるかもしれませんね。
もし第14・15期の基準価格の結果だけを見て不満を抱いて同ファンドを手放した方がいらっしゃるのだとしたら、その方々は、真のアクティブ・ファンドに手を出す資格がなかったと言えるかもしれません。
何事もそうですが、上質なものを楽しむためには、楽しむ側もそれなりの見識が必要です。
私も引き続き、及ばずながらも、精進ですね。
情報開示:スパークス・新・国際優良日本株ファンドは、2018年夏より積み立て投資中
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