2024年6月28日金曜日

ドラフト候補の調査 FY25 Q1

Our best protection against getting swayed by a false positive - a stock price fluctuation that makes a lousy business look better than it is - is the question we pose for every investment: Do we want to be permanent owners of this business?  Are we absolutely sure that we are willing to live with it permanently?  Are we willing never to sell it? 

Pulak Prasad 『What I Learned About Investing From Darwin』Columbia Business School Publishing

今年の梅雨入りはかなり遅かったですが、私の住んでいる地方ではまだ梅雨空と言えるほどの天気になっていません。子供の保育園の送り迎え等を考慮するとそのほうがよく、特に薄暮の下、缶ビール片手に小一時間くらいかけてムスコ(5)と一緒に寄り道しながらブラブラ帰宅するのはとても楽しいものではありますが、降らなければ降らないで物足りないところではあります。

九州とかで線状降水帯が発生、みたいなニュースが耳に入ってきたりしますが・・・雨の多寡ってKeePer技研のビジネスにどれだけ影響するのだろうか。雨が降ったらキレイになるコーティングというふうに謳っているので、逆に降らないとユーザーから物足りなく思われたりするのだろうか。それともやはり天気がいいほうが客足が伸びるのだろうか。どうなのだろう。



とか書いていたら、今日から雨が降り出した・・・

いっぽう(私における個別)株式投資方面は、もう株価水準的にはピーカンの日照り状態で、獲得・放出のアクションは全然おこしていません。ただ、天気のいい日に傘の手入れをせよ、じゃないですけど、隙間時間にせっせと調査を行っています。

やりかたは、利用しているSBI証券の米国株式の一覧表の一口事業内容メモみたいなのにざっと目を通し、興味を引く企業があればそのROICとDebtの過去10年の推移を確認し、よさげであればホームページを訪ねて製品やサービス、プレゼン資料、アニュアルレポートに目を通し、さらに興味をひかれた場合は、過去10年のROCEやCash Flowを自分のエクセルに落とし込むという方法をとっています。

それにしてもSBI証券では今現在5,190超もの米国銘柄を取り扱っていて、これはシビれますね。私が口座を開設した2007年当時は、せいぜい数百くらいだったんじゃないか。それこそコカ・コーラとかP&Gとかの世界的有名企業しかなかった気がする。

しかし私は興味がない分野は一切調べようとはしないので、実際に手を動かすのは少ないです。金融・保険関係、はやり(?)の半導体、不動産、ITとかは、未読スルーです。

ただ仕方がないことだとは思うのですが、この一口事業紹介メモ、けっこういい加減で、たとえばWatsco, Inc.(WSO)は、

“主に米国サンベルト地帯で事業を展開する家電製品販売会社。

と紹介されていて、オイ!と言いたくなったりします😅

(ちなみにWSOについは『ロスト・ワールドの覇者』で書いています)

以上のようなローラー作戦を行った結果、以下の4社をマイナー扱いで経過観察することになりました。

  • AAON, INC. (AAON)
  • DONALDSON COMPANY, INC. (DCI)
  • LINCOLN ELECTRIC HOLDINGS, INC. (LECO)
  • SIMPSON MANUFACTURING CO., INC. (SSD)

***

【AAON】

産業用HVAC機器メーカー。業務用屋上型エアコンや、データセンター・クリーンルームの空調設備も手掛けている(これは数年前にBasx Solutionを買収)。過去10年増収で、営業利益率も平均で17.1%と高い。どうやら独特の技術を持ってるらしく、営業も独自路線で開拓・展開してきたニッチ企業。

効率化の努力が実って、ほかの企業(おそらくダイキンとかキャリアとか)と価格的にも遜色なくなってきたということで、今後は一般的な流通チャネル(ディストリビューター経由?)にも手を広げるとのことだが、吉と出るか凶と出るかは、どうでしょう。

日本だと木村工機(6231)とキャラが被っている感じかな。6231も気にはなる・・・工場は八尾にあり、若かりし頃はあのあたりによく仕事に行った。AAONのPERが35以上に対し、6231は10以下。

HVACは大きなトレンドではあると思うし、目下のところグローバルのデカップリングで日米双方とも工場やデータセンター建設はホットなトピックだけど、一過性で終わる懸念が無きにしも非ずかな。

【DCI】

世界的な産業・工業用フィルターメーカー。私が新卒で入った会社は、ステンレス(SUS304とか316Lとか)製の0.1MM径の線が1インチの長さの中に100本(0.1x100mesh)はいっているのがスタンダードのメッシュでつくられたフィルターを扱っていたので、若干の郷愁あり。薬の調合からプラスチックの射出成型、車のエンジンからエアバッグまで、ありとあらゆるところにフィルターは存在するのです。安定してROICはWACCを上回っており、アフターマーケット需要も大きいので、ここはいいと思う。

【LECO】

世界的な溶接・切断機メーカー。若干シクリカル。過去3年は素晴らしい実績だけど、良いサイクルなだけだったのかもしれない。Serial acquirerでもある。素晴らしいのはその自社株買いで、10年前から株数が30%も減っている。

【SSD】

木材建築の資材(コネクターとかトランスプレート、接着剤等々)を扱う会社。今後の米国の人口動態をにらむと、いいポジションにいるのかなと思うが、22年度の、もうやめたCEOの最後の大仕事的な欧州企業の買収が余計。まだROCE(私の計算なので参考ベース)の10年のMedianが20に達していないので、引き続き注視。

上記4社のROCE(私の計算なのであくまで参考ベース)とDebt/Equityの推移は以下の通り。



LECOのDebt/Equityの値が投資基準に引っかかっています。1895年創業の老舗業界リーディングカンパニーなので心配することはまったくないとは思いますが、素人の個人投資家としてはそこは厳格に守りたいと思います。

***

純粋にROCEとかの数字を見ていくと、The 3rd Man's  Fundにすでに組み入れられている企業のほうがよかったりするのですが、不測の事態が起こったときには果敢にアクションをとれるよう準備は怠らずにしておきたいところです。

ただ決定を下す際の最後の問いは、やはり以下になるでしょう。

Am I willing never to sell it? 


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