2024年5月17日金曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 -2024年Q1-

And you wanna be a big shot
You wanna be the big man
You wanna hold a big gun
You gotta have a quick hand
You wanna be the big shot now
The chosen one your mother loved the most
After all

The Lumineers『BIG SHOT』

各大物ファンドマネジャー(Big Shot)の2024年のQ1の株式ポートフォリオが公開されました。たてまえは余興、実は虎視眈々と投資先の開拓を狙って、比較的に厳選・長期株式投資を行っているんじゃないかなあと思われるBig Shotsの動向をチェックしてみたいと思います。

そのまえに・・・ほかの人々の株式ポートフォリオは決して冷やかしで覗いてはいけません。そこに至るまでの苦難に満ちた道程に敬意を表さなければなりません。各ファンドマネジャー、および個々人にとって、出来上がったポートフォリオは、

The only son we love, after all...

のようなものなのです。

まずはThe Lumineersの涙なしでは聴けない名曲で心を律し、姿勢を整えましょう。


心と姿勢は整いましたでしょうか。

値札(基準価格とか信託報酬とか)しか関心がない方は、どうぞお引き取りを。

では、まいりましょう。

ソースは13Fで、基本的に各Big shotの米国株式のLongポジションのみになります。それらのポートフォリオの上位10社を見ていきます。あと前回と一部ファンドが変わっています。

各ファンドの左側が2023年12月末で右側が2024年3月末時点になります。% of PFはあくまで時々のポートフォリオに占めるその構成企業の割合で、増減を表しているものではありません。

まずは"Buy good companies, Don’t overpay, Do nothing"で有名なテリー・スミスが率いるFundSmith。計40社保有中で昨年末と同じ



上位10社に限ってみると、MARとGOOGLがPEPとMKCと入れ替わって登場しています。我らがThe 3rd Man's  Fundと違い、MKCの保有株式数は20%減ったようです。あと全般的に前期から保有株式数は減っており、株価の上昇でポジション調整をしたものと推測します。

ちなみにFundSmithのシェアホルダーミーティングは、なかなか見応えがあります。この雰囲気、いいですね。



次にチャック・アクレのAkre Capital Management。計20社保有で2社増えています。同氏に関しては『一流投資家が人生で一番大切にしていること』(ウィリアム・グリーン著、依田光江・訳、早川書房)で知りました。"資本利益率が高く、フリーキャッシュフローを高い利益が見込める案件に再投資できる、少数の優良企業に的を絞っている”そうです。



10社で約95%。順位の変動はあれど、メンバーは変わりなし。こちらも上位を中心に保有株式を減らしています。株価が好調だったのでしょう。MAにVは私も持っておきたかったなあ。

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ドナルド・ヤックマンのYactman Asset Management。73社保有(前期は70社)チャーリー・ティエン著の『とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法』(長尾慎太郎〔監修〕山口雅裕〔訳〕PanRolling)で知りました。景気循環に影響されない企業、商品寿命が長いものを作っている企業だけに投資しているのだとか。


アクレと同じく、10社のメンツは変わらない。やはりCNQ以外の保有株式は減っているので、株高で、とくにRSはポジションを調整したものと思われます。


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『一流投資家が人生で一番大切にしていること』で飽くなき学習マシンとして紹介されていたポール・ラウンティスのLountzis Asset Management。46社保有で前期より1社増。



ORCLが上位10社に入ってきています。株価が伸びたのですね。10位のGOOGLは保有数を増やしています。バークシャー・ハサウェイの株主総会に三十年間毎年出席し続けているだけに、BRKの割合がすごいのは引き続き替わらず。The 3rd Man's  FundとはZTSが被っています。

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LINDSELL TRAIN。そのホームページで、

We are stock pickers. At the heart of our approach is a conviction that inefficiencies exist in the valuation of “exceptional” companies. Specifically, we note that durable, cash generative franchises are not only rare but also appear to us to be undervalued by other investors for most of the time.

と謳っております。

きりのよい30社保有。


みなさんPEPが好きですね。やっぱりバフェットさんと被るのがイヤなのかな。10社でほぼ100%です。マ、マンチェスター・ユナイテッド⁉

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ここからはもっとクセのつよい連中のご登場。


ビル・アックマンのPershing Squre Capital Management。川上譲・著の『リスク・テイカーズ』(日本経済新聞出版社)では、10年先までビジネスの将来を見通すことができ、安定したキャッシュフローが見込めることを重要視している、とありましたね。



前期からLOWがなくなり、7社しか保有していません。惚れ惚れします。私もこれくらいの数に抑えたいです。ですが、いまのところそんな勇気はなし。

CMGは保有数を減らしているようですが、株高による調整かと思います。Fund Smithのマリオットに、アックマンのヒルトン。なんかホテルは私も惹かれる。

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クセモノ(としか思えない)モニッシュ・パブライのDalal Street。


あいかわらず4つだけ。しかも全部穴掘り。いやあ・・・

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最後に真打ち、我らがNVICのおおぶね米国厳選。毎月積み立て投資中です。

2024年3月の月次レポートより。全29社(23年末は28社)。


保有株式の増減は8月に出る全体版運用報告書で確認するとして、たぶんMKCは保有数を減らされているんじゃないかな。ふん、そうかい。

我らがThe 3rd Man's  Fundは減らさない。Power over spice is power over allなのだ。我が名はアトレイデス! ここより永遠に、我独り塩の道を行進す。

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さすが、全体的に回転が低く、腰が据わっているように見受けられます。私も編集がラクで、いとよろし。

既出のファンドで人気の企業を挙げます。


Alphabetが一位。アックマンがGOOGとGOOGLを保有しているので2つになっちゃっていますが、それを一つとしてカウントすると同率一位でPEP、MSFT、VISA。次回からはあと2つ目を付けているFundも付け加えたいと思います。

APPENDIX

S&P500の上位10社




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