めっきり寒くなってきました。ただこの時期は小春日和といって、日差しが気持ちよくて暖かい日があったりします。そういう日は在宅での仕事を中断し、気晴らしと来シーズンの虫取りの偵察をかねて、近所の小高い丘の上にある雑木林まで散歩します。
そのあたりは、まだところどころにかつての武蔵野の面影がのこっています。その昔、松本清張が着物を着て武蔵野の林をじっと眺めている印象深い著者近影がありましたなあ。なんでも彼は武蔵野の風景がことのほかお気に入りだったとか。
今度、国木田独歩の『武蔵野』でも読んでみるか。
Good Businesses, Good Nights.
めっきり寒くなってきました。ただこの時期は小春日和といって、日差しが気持ちよくて暖かい日があったりします。そういう日は在宅での仕事を中断し、気晴らしと来シーズンの虫取りの偵察をかねて、近所の小高い丘の上にある雑木林まで散歩します。
そのあたりは、まだところどころにかつての武蔵野の面影がのこっています。その昔、松本清張が着物を着て武蔵野の林をじっと眺めている印象深い著者近影がありましたなあ。なんでも彼は武蔵野の風景がことのほかお気に入りだったとか。
今度、国木田独歩の『武蔵野』でも読んでみるか。
私たちは選択をするたびに未来の可能性に賭けている。自分の決定から生まれる未来の自分が成功することに賭けているのである。意思決定という賭けの目的は、未来の自分が手にするリターン(お金、時間、幸福、健康など、その状況で自分にとって価値のあるもの)を、他のどの選択肢で得られる分より大きくすることである。
アニー・デューク 『確率志向』 長尾莉紗・訳 日経BP社
上記の文章のあとに、誰もが当然抱く疑問である
だが、どうすれば自分にとって最善の選択をしているとわかるのだろうか
という一文が続きます。あさはかな本であれば、そういう疑問を出すまでもなく、こうすれば万事OK的な明快な答えを見出しに持ってくるのですが、そこは世界最高峰の大会での優勝経験を持つ元ポーカープレーヤーのデューク氏、至極まっとうな回答をしています。
答えはもちろん、「わからない」である。
決してコントロールできない運や偶然といった不確実なものが物事の結果に必ず介在してくるから、「わからない」のです。
そして人々は(もちろん私も含む)往々にしてその結果にとらわれてしまいます。とくに現在のネットやSNSは結果論を増大させる格好のツールであるので、その傾向は益々高まりつつあるように思います。
自分自身の家族をもった今では、以前の独身での気ままな一人暮らしのときと比べると物事の選択における不確実性は指数関数的に増加しており、また意思決定のプロセスも複雑になっており、そしてそれらの決定による結果の解釈は様々で、もうパパはけっこう大変です。
たくさんの制約がある中で、客観的にみてより確実と思われる選択肢を、都度都度の結果にとらわれないように留意しながら選んでいくしかありません。真実は長期で姿をあらわすのです。
After being acquired, the cash flows from the acquired companies are pooled together and reinvested into further acquisitions. This creates a cycle of compounding growth, with the usual ultimate goal of generating attractive returns for shareholders. The value creation the serial acquirer hopes to achieve can be described as 1+1+1+1=5.
Philip Svensson氏のOur List of 100 Eminent Serial Acquirersより
毎日暑いです。
ムスコ(7)が少年野球のチームに入り、毎週日曜に練習に参加しています。私もその練習の手伝い(といってもキャッチボールの相手とか、外野を抜けて転々と転がるボールを拾ったりだとか)をしていて、しっかり消耗して月曜を迎えています。
しかし練習後に飲むビール・サワーが、とてつもなくうまいのも事実です。
というわけで暑さと酔いの勢いが余って、パンチカードをひとつ押してしまいました。
毎月積み立て投資中の農林中金<パートナーズ>長期厳選投資の運用報告書(全体版)のアップデートがありましたので、さっそくチェックしています。
えーと、今回初めて気づいたのですが、正確に言うとですね、この記事でレビューする期間は米国企業価値フォーカスマザーファンドの第9期(2024年2月16日から2025年2月17日)になります。
なんか、ややこしい。
なお、以下のグラフは、その米国企業価値フォーカスマザーファンドの組み入れ資産の明細から数字をマニュアルチックに拾ってきて作成したので、細かいところでは間違いがあるかもしれません。予めご了承ください。評価額をもとにした円グラフになります。
また、株数に言及していますが、株式分割(があったとしても)は、あんまり考慮していません。
にしても組み入れ資産の明細の銘柄の順番はどういう基準なのだろう。アルファベット順でもなければ評価額準でもなく、よくわからない。
I very frequently get the question: ‘What’s going to change in the next 10 years?’ And that is a very interesting question; it’s a very common one.
“I almost never get the question: ‘What’s not going to change in the next 10 years?’ And I submit to you that that second question is actually the more important of the two — because you can build a business strategy around the things that are stable in time…
- ジェフ・ベゾス
Oh, yeah, life goes on
Long after the thrill of livin' is gone
John Mellencamp 『Jack & Diane』
私は投資をするにあたって、向こう10年、できうることなら未来永劫変わらない本質的なものに資金を回す、ということを心掛けています。これはもう性格的なものが色濃いと思いますが、そのほうが、次の10年の変化を嗅ぎ取ってそちらに資金を回す方法よりもしっくりきます。
なにが変わらないかを見極めるのは、なにが変わるかを見出すことと同じくらい難しいことではあります。鐘を突くと諸行無常の響きがするし。
「そうだね。外に残してきたものは死者であり、夜の闇に生きるなにものかであり、雨や風、雷、月、星、つまり自然だ。人間のなかに内と外という概念が生まれるのは ー 自意識のようなものが生まれ、内面が育っていくようになったのは ー 自分たちの手で家をつくるようになったことが大きかったんじゃないかと私は思っているんだよ」
松家仁之 『火山のふもとで』 新潮文庫
ゴールデンウイークに信州へ出かけたさいに、浅間山のふもとを舞台にした『火山のふもとで』を旅のお供の文庫本にしました。結局、帰りの新幹線の中で読み始め、それから約一か月半かけてじっくりとページをめくりました。
一つ一つのシーンが静かに丁寧に書かれているのですが、それらが丁寧に書かれれば書かれるほど、書かれていない場面が雄弁に語りかけてきて、静かに読み手の心の奥底まで沈殿してきます。
素晴らしい小説です。
最終章での、
建築は利用者とその時代によって、息を吹き込まれ、生かされていく。 〈中略〉 人と時間が、あの大聖堂を育てたのだ。
と主人公が達観している場面は、それまでの物語を読み終えた後だと、胸にじんわり沁みてきます。
株式投資もおそらくはそのようなものなのでしょう。人と時間が育んでいくものなのです。
すなわち、株というのは毎日規則正しく上昇するのでも下落するものでもないということです。全くランダムに存在する特定の日に長期のパフォーマンスの大部分が決まってしまうだけの値動きが発生するのです。それを予めピンポイントで予測し、そこに前もって資金を振り向けるのは経験則上、非常に難しいと考えます。こうしたことから、常に腰を据えて株式市場に資金を投じているのが成功への近道であり、公募投信に投資する一般投資家の方々にも当てはまる心構えだと考えます。
スパークス・新・国際優良日本株ファンドの2024年9月の運用コメントより
昨年の夏あたりからムスコ(6歳)が野球に熱中するようになりました。MLBやNPBの中継があれば熱心に見入っており、今年から通い始めた小学校から帰宅すると、必ず在宅勤務中の私のところによってきてキャッチボールをせがみます。私も時間があれば10分ばかり付き合います。よい気分転換になり、眠気覚ましにもいい。
そして先週からとうとう近所の少年野球チームに入団しました。同じクラスの友人の父親がコーチをやっています。学校のグラウンドや河川敷で練習をしており、これからいろいろ手伝い等もあって週末の時間がとられそうです。
というわけで、私用のグローブも購入しました。ほかにもムスコのアンダーストッキングやバッグ等々イニシャルコストがけっこうかさむ・・・本当のところ、私は新しいテニスラケット(2019年版ヘッド・ラジカルを使用中)が欲しいのですが、そっちの望みは霞む・・・😢
There's so many different worlds
So many different suns
And we have just one world
But we live in different ones
Dire Straits『Brothers In Arms』
一言で株式投資といっても、いろいろな手法があります。個別株式か投資信託か、アクティブかパッシブか、デイトレかスイングかバイ&ホールドか、順張りか逆張りか、ロングかショートか、グロースかバリューか、etc...
ときにはその手法は投資ではなく投機だ、という論争も見かけます。ただその定義の違いは、100人いれば120通りほど存在するようです。
私としては、これらの違いはどうでもよいものと考えます。グロースとバリューなんて単なるマーケティング用語にしか過ぎず、つまるところは同じではないか。価格しか見ていないのであれば、機を見てドカンとやろうがコツコツと積み立てようが、資本投下の時間軸が違うだけで結局のところ投機なのではないか。
そんなところの区別化に拘泥せず、要は自分が納得する手法をとればいいだけです。
ただ世間一般的に「投機はよくないもの」という暗黙の了解めいたものがあるのが、ちょっと気になります。
なぜだろう。
なぜ人々は「それは投機だ」と言われると後ろ指さされたような気分になるのだろう。
どうして「コツコツ投資家の夕べの集い」と「コツコツ投機家の夕べの集い」があるとすれば、前者の方がまともに見えるのだろう。
この投機に対して含まれる蔑視めいたもの・・・これは投機筋のせいでモノ(例えばお米とか石油とか)の値段が上がった、とかいう語り口でニュースが流れるからでしょうか。それとも私の気のせいにすぎず、そんな風潮は存在しないのだろうか。
いずれにせよ、株式投資の市場を照らす太陽は、たくさんあるようです。市場そのものは一つですが。
何もしないことは、あらゆる悪徳の始まりであり、あらゆる美徳の頂点である。
カフカ 『カフカ断片集』 頭木裕紀・編訳 新潮文庫
長期投資という運用方針はすばらしいものだ。経済に好不況の波があっても、買うか売るか、白か黒かに思い煩う必要はなく、自分の投資がどう展開していくかを見守っていればいいだけだからだ
by アンソニー・ナット、Roald W.Chan 『価値の探究者たち』 山本御稔・小林真知子・訳 きんざい
価値か利益かというのは、誤った選択です。卓越した財務パフォーマンスは、価値創造を反映しています。もう一度言いましょう。価値を考えれば、利益は後からついてくるのです。
フェリックス・オーバーフォルツァー・ジー 『「価値」こそがすべて!』 原田勉・訳 東洋経済新報社
"Exactly! Bingo! That's what I've learned. Stocks follow earnings!"
- Will Danoff
William Green 『RICHER, WISER, HAPPIER』SCRIBNER
The 3rd Man's FundのFY2025(May 2024 - Apr 2025)が終わりました。『次の10年に向けての雑文(1) ーカタリストとしての株式投資ー』で書いた、「次の10年」の初年度が終わったことになります。
4月末が年度末という設定は中途半端な印象ですが、このタイミングだと投資している米国企業の最新のアニュアルレポートをすべて目を通し終えていて、日本企業もeBASE以外は決算発表も終わっているので、私にとってはいいタイミングです。なによりも、このさわやかな初夏の日差しの下では、自然とポジティブな気分になれるのがいい、と実感している次第です。
株式投資を愉しむには、ポジティブなマインドセットが一番大事ですからね。
この記事を書いている時点で外は雨だったりするのですが・・・