2024年11月29日金曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 -2024年3rd Q-

If, "manners maketh man" as someone said

Then he's the hero of the day

It takes a man to suffer ignorance and smile

Be yourself no matter what they say

Sting 『ENGLISHMAN IN NEW YORK』

各大物ファンドマネジャー(Big Shot)の2024年の3rd Qの株式ポートフォリオが公開されました。たてまえは余興、実は虎視眈々と投資先の開拓を狙って、厳選・長期の腰の据わった株式投資を行っているんじゃないかなあと思われるMr. & Ms. "Being myself no matter what they say"な人々の動向をチェックしてみたいと思います。

ちなみに株式投資をやっていると、ときには自身の才覚のなさに絶望したり、ときには孤独感にさいなまれることがあるかと思います。そんなときは

"Be yourself no matter what they say"

と口ずさみながら、雪降る街を独り彷徨うというのも一つの手ですよ。

少々のことではブレることのない、投資家としての強靭な信念が得られるかもしれません。




2024年11月19日火曜日

双頭のヘルメット:SHOEIの第86期

グリーンバーグたちはフレディ・マック(Federal Home Loan Mortgage Corporation)とファニィ・メイ(Federal National Mortgage Association)に見られるような、「複占」が気に入っている。そこでは二社が熾烈な競争をするということがなく、そして特に価格競争はせず、それぞれが高い資本利益率を維持している。

ブルース・グリーンウォルド他・著 『バリュー投資入門』 日本経済新聞社

FY25第二四半期末時点でのThe 3rd Man's  Fundの中堅どころに位置する、モーターサイクル用プレミアムヘルメット・メーカー、株式会社SHOEI(7839)の第86期の決算が出ましたのでクイックにレビューします。



2024年11月1日金曜日

FY2025 第二四半期レポート -02/40- 

Put simply: average companies do not do scale economics shared.

Annual Letter, For the period ended June 30th, 2009, The Nomad Investment Partnership


7/12以降のFY25第二四半期は、夏休みから初秋にかけて比較的アクティブに活動する期間にあたり、海水浴を兼ねたオートキャンプ2回、近畿地方の実家に帰省し川遊び、阿佐ヶ谷の七夕祭り、長野・山形の山々でのトレッキング、子供たちの運動会等々、それなりに充実したひと時を過ごしました。

キャンプ中にカブトムシやクワガタムシを捕まえたことがきっかけでムスコ(6)と私の本能に火が付き、田舎への帰省時には裏山へ、それから在宅勤務後の黄昏時にブラブラ歩いて行ける近所の雑木林(ネットに載っていない穴場)へ、ちょくちょく昆虫採集に出かけたりしました。

木立の中での考察・・・樹液を出し続ける樹にはその蜜を求めて、カブトムシやクワガタ、カナブンを筆頭に多くの昆虫が集まる。その昆虫を追ってムスコや私のような輩も嬉々としてやってくる。これは蜜が出続ける限り毎年繰り返される光景である。

"金のなる木"という表現がありますが、そんなものは存在しない。あるのは"みんながあつまる木"なのである。

みんなが集えば、豊かさが循環するエコシステムが形成される。投資先を選定する際には、対象先企業に“みんなが(嬉々として)あつまる木”という画がイメージできるか否かを判断の基準にすればいい。

みんな」には顧客・消費者はもちろんのこと、経営陣、従業員、供給業者や協力会社、株主も含まれる。さらには銀行をはじめとする金融機関や、社外取締役(昨年のKeePer技研でいい例がありましたね、たまに総会に出るのもよいことだ)も。

ういう企業は"scale economics shared"を擁するExtraordinaryな存在になり、投資に対する見返りもExtraordinaryなものになるのではないか。

けっして私が株)日立製作所(6501)の株主だから言っているわけではない・・・

Singing...このーき・なんのき・きになるき・みんながあつまるきですから♪

2年前、東高根森林公園にて。ここは気楽に行けるほど近所ではないが、カブトムシはいるらしい。

2024年10月25日金曜日

何が株価を形成するのか

「そうむきになるなよ」と私は言った。「女たちだってただの人間なんだ。汗もかけば、体も汚れるし、洗面所にだって行く。君は何を求めているんだ。バラ色のもやの中をあでやかに飛ぶ黄金の蝶々か?」

レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』 村上春樹・訳 早川書房

現在の私のメインの投資活動は、投資信託の積み立て投資です。『Next 10 years 第二部 -  敗者のゲーム -』で書いたように、その目的は子供たちの教育資金、及び家内と私の引退後の生活費を準備することです。投資信託はアクティブ・インデックスの両タイプに積み立てています。アクティブに関しては、あまり結果やポートフォリオの中身は気にせず(ホントかよ?)、どちらかというと運用レポートを読むことのほうに興味をひかれています。

基本的には現在の日本レベルの資本・民主主義が保たれていれば(社会主義的資本主義とか揶揄されてはいますが)、長期で株式の投資信託を保有していると悪くない結果になるだろうと達観しているので、アクティブだろうとインデックスだろうと成績にそこまでこだわりはありません。

2024年8月29日木曜日

優良企業をつくる問い ‐ Nomad Investment Partnershipのレターと『ユニクロ』を読んで ‐

あらゆる疑問は、煎じ詰めれば、たったひとつの疑問にたどりつく。“その存在意義はなにか?”だ。

フランク・ハーバート 『デューン 砂漠の救世主』 酒井昭伸・訳 ハヤカワ文庫

日米の各企業、ならびにファンドは定期的にレポートを作成します。アニュアルレポート、有価証券報告書、決算説明会資料、マンスリーレポート等々。それらのなかでダントツで面白かったのは、かつてのRollins, Inc. (ROL)のアニュアルレポートならびにプレゼン資料でした。

なんせ紙面が人類に友好的な虫だらけでしたからね。アレ、生理的にダメな人は読めなかったと思います。それがここ最近はすっかりマトモになってしまって、ただでさえつまらない世の中がさらにつまらなくなっています。S&P500に採用されてしまうってのも考え物ですな。

そんな中、ROLとは違った意味で面白いのがNick SleepさんとQaiz ZakariaさんのNomad Investment PartnershipによるLetters to Partnersです。

2024年8月24日土曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 -2024年2nd Q-

We are comfortable outside the normal

-  Founder's video, DISCIPLINED GROWTH INVESTORS


2024年4月の日経新聞朝刊に、日本における投信の平均保有期間が2.9年になったとの記事がありました。10年前に比べて1年近く伸びたそうです。(『投資信託の保有期間、長期化傾向が定着』) 個人的にはよいことだと思います。やはり投信というものは、資産の一部として長期で保有すべきものであると考えます。

ただしその投信(インデックスを含め)の中身が目まぐるしく回転しているようだとどうでしょう。知らず知らずのうちにカジノでのギャンブラーになってしまっているかもしれません。米国での話になりますが、『The Decline of Long-Term Investing』によると、1950年代の株式平均保有ピリオドはピーク時に8年に達していたのが、2020年6月時点ではわずか5.5か月になってしまっているとのことです。

こりゃカジノで酔っ払って踊らされているようなものですね。千鳥足の人々が増えると、先だっての日本株式市場におけるルーレットのような株価の回転を見てぶっ倒れてしまう人が出てきます。んなところで寝そべっていたら、身ぐるみ剥がされますぜ。

さて、各大物ファンドマネジャー(Big Shot)の2024年の2nd Qの株式ポートフォリオが公開されました。たてまえは余興、実は虎視眈々と投資先の開拓を狙って、厳選・長期の腰の据わった株式投資を行っているんじゃないかなあと思われるBig Shotsの動向をチェックしてみたいと思います。

飲みすぎの方は、どうぞお引き取りを。

2024年8月16日金曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 ‐ 新メンバー -

趣味+若干のスケベ心でやっております各大物ファンドマネジャー(Big Shots)の株式ポートフォリオの確認ですが、2024年の2nd Qが公開されています。さっそくレビューをしたいところですが、1st Qのメンバーに以下の通り2つ追加することにしたので、どういうファンドか、ちょっと紹介をしておこうと思います。

  1. DISCIPLINED GROWTH INVESTORS (DGI)
  2. WEDGEWOOD PARTNERS

DISCIPLINED GROWTH INVESTORSは『一流投資家が人生で一番大切にしていること』(ウィリアム・グリーン著、依田光江・訳、早川書房)で紹介されていた、元海軍将校のフレッド・マーティンが率いるファンド(というより運用会社といったほうが正確かな)です。

2024年8月4日日曜日

ポートフォリオは円(グラフ)で見よ ーNVICの米国厳選投資編 第7期ー

暑い日が続きます。今年も2月あたりから夏に備えてけっこうランニングをやって汗をかいてきたんですけどね、先月ムスコ(6)に手足口病をうつされて出鼻をくじかれた。あれ、大人がかかると結構しんどいです。

夏のイベントはしばらく小休止ですが(逆に仕事が忙しくなる)、後半から秋口にかけてはまたキャンプやら旅行やらがあるので、しっかりと体調は整えておきたい。



2024年7月15日月曜日

FY2025 第一四半期レポート -01/40-

I don't think we're asking the right question. I think the question we should be asking is...do you believe in this thing or not.

映画『Moneyball』

ここ最近疲れたときは、先だってNHK BSで放映していた映画『Moneyball』の録画を観ています。DVDも持っていたのですが、まだ小さかった頃のムスメ(現在9歳)が私の目を盗んで円盤投げの道具としてポイポイした結果、傷だらけになり観られなくなってしまっていました。

さすがはNHK。私はひきつづき律義に受信料を支払う、良き視聴者であり続けます。

この映画に登場するのは魅力的なキャラクターばかりですが、やはりアート・ハウ監督を演じる名優フィリップ・シーモア・ホフマンがいい味出していますね。

さて、次の10年の第一回目の四半期が終了しました。本来であれば7月末で終了なのですが、これから夏休みシーズンで週末はいろいろ予定が入っているので、7/12で締めます。

2024年6月28日金曜日

ドラフト候補の調査 FY25 Q1

Our best protection against getting swayed by a false positive - a stock price fluctuation that makes a lousy business look better than it is - is the question we pose for every investment: Do we want to be permanent owners of this business?  Are we absolutely sure that we are willing to live with it permanently?  Are we willing never to sell it? 

Pulak Prasad 『What I Learned About Investing From Darwin』Columbia Business School Publishing

今年の梅雨入りはかなり遅かったですが、私の住んでいる地方ではまだ梅雨空と言えるほどの天気になっていません。子供の保育園の送り迎え等を考慮するとそのほうがよく、特に薄暮の下、缶ビール片手に小一時間くらいかけてムスコ(5)と一緒に寄り道しながらブラブラ帰宅するのはとても楽しいものではありますが、降らなければ降らないで物足りないところではあります。

九州とかで線状降水帯が発生、みたいなニュースが耳に入ってきたりしますが・・・雨の多寡ってKeePer技研のビジネスにどれだけ影響するのだろうか。雨が降ったらキレイになるコーティングというふうに謳っているので、逆に降らないとユーザーから物足りなく思われたりするのだろうか。それともやはり天気がいいほうが客足が伸びるのだろうか。どうなのだろう。