2025年8月2日土曜日

FY2026 第一四半期レポート - Stage 05/40 -

I very frequently get the question: ‘What’s going to change in the next 10 years?’ And that is a very interesting question; it’s a very common one.

“I almost never get the question: ‘What’s not going to change in the next 10 years?’ And I submit to you that that second question is actually the more important of the two — because you can build a business strategy around the things that are stable in time…

- ジェフ・ベゾス

 

Oh, yeah, life goes on

Long after the thrill of livin' is gone

John Mellencamp 『Jack & Diane』


私が投資をするにあたって、向こう10年、できうることなら未来永劫変わらない本質的なものに資金を回す、ということを心掛けています。これはもう性格的なものが色濃いと思いますが、そのほうが、次の10年の変化を嗅ぎ取ってそちらに資金を回す方法よりもしっくりきます。

なにが変わらないかを見極めるのは、なにが変わるかを見出すことと同じくらい難しいことではあります。鐘を突くと諸行無常の響きがするし。

ま、ラジオ体操の中身はこれからもずっと変わらないことでしょう😀

私が社会人になったころ、やたらと「変わらなきゃ」と言っていたNさんはどうなることでしょうか😅

***

先日、父が他界しました。

もう随分前から衰えていて、その昔私の結婚式に出席いただいた元上司から「K君のオヤジさんって、あれだな、スティーブ・ジョブズにわりかし似ているよな。ガンと闘病して痩せた後のジョブズやけど」と言われたほどだったので、ある程度覚悟の上ではありました。

それで帰省してきたのですが、実家の駐車場にはNさんフリークだった父の車はすでになく、母のスズキの軽ワゴン一台になっていました。

通夜や葬式では、何十年ぶりかで再会した親族や近所の方々がいたので、私は持ちうる限りの社交性を動員して旧交を温めたつもりではあったのですが・・・

帰りの新幹線の中でムスメ(10)からボソッと「パパってあんまりしゃべらないんだね」と言われてしまいました。

すくなくとも私の非社交性は未来永劫変わらないものと思われ・・・

ま、なんにせよ、人生の節目に聴きたくなる『Jack & Diane』を流しながら、FY26の第一四半期をレビューします。




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期間中のThe 3rd Man's  Fund獲得並びに放出。


【追加獲得】

NVR, Inc. (NVR)

KeePer技研(株)(6036)

(株)SHOEI (7839) 

  

【全放出】

McCormick & Company, Incorporated (MKC)

eBASE(株) (3835)



MKCを全放出し、NVRの株数を増やしました。余ったキャッシュは$MMFにしています。

3RDMANからの手紙  FY2025  - 1』で書いたとおり、MKCの過去10年のvalue generationの推移はかなり物足りないものだったので、資金を再配置することにしました。これで気分的にすっきりしています。

3835の放出理由は以下の通りです。

  • 手元にキャッシュが必要になってきた
  • とうとう腹落ちするまで事業の内容が把握できなかった

父が他界したため、これから実家に度々帰省する必要がでてきたことと、後述するようにムスメ(10)の教育費が増えることが見込まれるのと、それでも受験だの部活動だの思春期になってパパ臭いだのになってしまう前に、なるべくたくさん家族旅行を楽しんでおきたいのがキャッシュを確保する理由です。

ですので『Code of Conduct』の放出のさいのきまりに抵触したわけではありません。それ以前のはなしで、今の私の人生のステージにおいてはキャッシュが必要ということです。

それでポートフォリオのメンバーのなかから一番事業内容が腹落ちしていなかった3835を手放すことになりました。同社がやっている事業からは、例えばモーターサイクルのプレミアムヘルメットや米国東部のホームビルダーのような事業から感じられる手触り感を得ることができなかったです。各種資料を読んでいても、字面だけを追ってしまいがちでしたし。

これはもう、嗜好の域かもしれません。そして私の投資方法においては、好みというのは重要なファクターです。

ポートフォリオのメンバーでは、正直GGGもなぜあんなによい数字をキープし続けているのか、定性的なところがまだ腹落ちするまでわかっていません。品質なのか、スケールなのか、チャネルなのか、販売手法なのか、M&A巧者なのか・・・。しかし現時点ではドル建てのポジションを減らしたくない😆ので、3835を放出しています。

3835放出で得た資金の一部で少しばかり60367839のポジションを増やしています。

MKC ⇒ NVRの動きは、FY25後半から端を発したNVRのポジション構築のアクションの一つなので、ワン・パンチとカウントしません。3835の放出とそれに伴うアクションも別次元なのでカウントしません。したがいまして、2035年度末までに私に残されたパンチカード(『私に残されたパンチの機会』)の残数はひきつづき2つです。



☆☆


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これらのアクションの結果、The 3rd Man's  Fundのポートフォリオは以下の通りとなっています。米国の8/1終了時点、1ドル147.37円で計算。

ROCE(私の計算)は過去10年のMedian、Debt/Equity Ratioはモーニングスターから取得。円グラフでは$MMFも含めています。




計12社+$MMF。

メンバーのイコール・ウエイトでの初回獲得からの保有日数平均は1,384日。最長はROLで3,438日、最短はNVRで189日。2025年度に放出されたFNDは1,067日間の保有、GNTXは189日、LSTRは444日で終わっており、今回放出のMKCは3,787日、3835は1,237日でした。計算にはこれも含まれています。

2034年四月末にイコール・ウエイトで平均3,650日が(あくまで結果的な)目標です。

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FY26の第一四半期の各株価のパフォーマンスは 以下の通り(為替考慮せず)。

あくまで4月末時点の各株価との比較になります。平均取得価格に対する含み損益ではありません。


The bottom three performers 

  1. KeePer技研(株) (6036)
  2. Zoetis (ZTS)
  3. Watsco (WSO)

6036は洗車・カーコーティングの材料製造卸と施工サービスを提供する企業。車やバイク以外のもの(スマホや風呂とか)のコーティング材も扱っています。 同社の第三四半期をみても新車マーケットの伸びは順調そうで、この8月からはメルセデス・ベンツ日本合同会社でも、KeePerコーティングが純正品として取扱い開始になったようです。

車以外のサービスの伸びも素晴らしく、売り上げ構成比のなかでも存在感が出てきています。

さらには「あいち女性輝きカンパニー」認証を取得したそうで、これは素晴らしい。ちなみに男が輝く会社への認証はあるんでしょうか。

LABOの出店ペースが加速していてサービスの質が落ちないかなというのと、今年の夏も酷暑ですが、従業員がそれを理由に辞めたりしないか(昨年はあった)が気になるところです。

ZTSグローバル製薬企業の大手ファイザーから2013年にスピンオフされた、独立系アニマルヘルスメーカー。2022年時点で世界シェア約15%のリーディング・カンパニー。(ディール・ラボ『動物用医薬品・アニマルヘルス業界の世界市場シェアの分析』)

同社の1st Qの結果も上々です。もしかしたら追加獲得をするかもしれません。

WSOは米国でのHVACのディストリビューター。もともとはHVAC関連の部品メーカーだったが、1989年にディストリビューターの買収を開始し、以降70社を傘下に収めてきたベテランの同業他社serial acquirer。

足元の決算が今一つだったようで株価も軟調なようですが、まだまだ追加を検討するほどではない。

The top three performers

  1. (株)日立製作所(6501)
  2. Tractor Supply Company (TSCO)
  3. (株)SHOEI(7839)

6501は世界的規模でインフラ課題解決事業を営む会社。日本がかつてない金融緩和政策を行っている間に、しっかりやるべきことをやってきた上場企業。先月末に発表された決算もなかなか素晴らしく、エネルギー・鉄道部門が好調なようです。

TSCOは、米国での田舎(Farm & Ranch)暮らしを楽しむ人々のニーズに応える小売店。同社のプレゼンテーション資料によれば、FY25のQ2では顧客維持率が過去最高になっているとか。ガーデンセンターも650店舗以上に設置されたようです。あとLincoln Electric社の製品を取り扱い始めたようですが・・・一般消費者用の溶接機?

7839はモーターサイクル用プレミアムヘルメット・メーカー。私は基本的に株主優待は嫌いなのですが、いただいたTシャツはしっかり着ております。

以上、FY2025 第四四半期におけるThe 3rd Man's Fundの確認でした。

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【教育準備金】

汝の父を敬え」作戦は、NISAを利用し、投資信託の積み立てを引き続き毎月行っています。
1st Frontはムスメ(10)向け、2nd Frontはムスコ(7)向けです。

ただ来期以降、キャッシュ確保のため積立額を減らすかもしれません。株価も高値で推移中ですし。

積み立て投資枠

  • 楽天・S&P500インデックス・ファンド (1st Front)
  • コモンズ30 (1st Front)
  • 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね (2nd Front)

成長投資枠

  • スパークス・新・国際優良ファンド (2nd Front)

ワイルドワイフがムスメ(10)を中学受験させると張り切りはじめ、そちら系の塾に通わせることになりました。それはそれはお金がかかります。請求書を見ただけでヒルビリービレッジな気分になります。どうせなら以前株式を持っていた学習塾のStEPとかがいいのではと思ったけど、我が町には小学生向けのものはまだないので、違う塾です。はぁ…

時間があえば近所のその塾までムスメを迎えに行くのですが、ずらりと並んで待っている親御さんたちのなかでビール(もしくは男梅サワー)缶片手なのはいつも私だけです。やっぱりもう少し世間体に気を使った方がいいのだろうか。

ムスコ(7)は本人の希望で少年野球チームに入りました。私もいろいろ手伝いを行うことになっております。はたして私の社交性を高めることはできるでしょうか⁉ 

でも、やはりキャッチボールは楽しい。父とも昔、近所の河原でよくやったな。私は阪急ブレーブスのキャップをかぶり、山田久志さんを真似てアンダースローで投げたりしていた。

父のことで思い出すのは、この河原でのキャッチボールとか、川魚や虫を獲りにいったというようなささやかなものばかりです。しかしそれらは何十年たとうとも変わらず良き思い出として残っており、その楽しかった経験は、しっかりと子供たちに引き継いでいきたいと思います。

Oh, yeah, life goes on...





【リタイヤ準備金】

企業型拠出年金でMSCIコクサイ指数に連動するものとTOPIXに連動するインデックス投信(まともなアクティブ投信がラインアップされていないので)を積み立て中です。

また以前勤めていた会社(グローバルなヘルスケア企業)でESPPを通じて購入していた株式もそのまま保持し続けていてます。

以上、The 3rd Man's  Fund($MMF込み)を含めたリスク資産の割合は以下のとおり。







ささやかだけれど、役に立ってほしいこと】

上記以外の「投資」は下記のプログラムを通じて行っています。


【株式投資を含むThe General Lawをつかむための知識習得】

課題図書のアップデート。読む順番は変わる可能性高し。

サイエンスは:

  1. 種の起源 / チャールズ・ダーウィン(読了)
  2. 利己的な遺伝子 / リチャード・ドーキンス (読了)
  3. 進化と人間行動 / 長谷川寿一・長谷川眞理子・大槻久(読了)
  4. 学びなおし高校物理 挫折者のための超入門 / 田口義弘 (読了)
  5. 儲かる物理 / 鈴木誠治 (読了)
  6. 生き物の「居場所」はどう決まるか / 大崎直太 (第5章まで読了)
  7. 生物から見た世界 / ユクスキュル、クリサート
  8. 確立の出現 / イアン・ハッキング
  9. 思考改善ドリル / 植原亮
  10. 大学生物の教科書シリーズ / デイヴィッド・サダヴァ
  11. 教養としてのエントロピーの法則 / 平山令明
人文は:
  1. 人類の起源 / 篠田謙一 (読了)
  2. 神々の沈黙 / ジュリアン・ジェインズ(読了)
  3. 言語の本質 / 今井むつみ、秋田喜美(読了)
  4. 千の顔を持つ英雄 / ジョーゼフ・キャンベル(読了)
  5. 風土 / 和辻哲郎 (読了)
  6. 日本社会の歴史 / 網野善彦(上・中巻読了にて一旦終了)
  7. 日本の歴史をよみなおす / 網野善彦 (読了)
  8. 詳説 日本史研究 / 五味文彦 高埜利彦 鳥海靖 (室町幕府まで読了)
  9. 日本思想史 / 末木文美士 (第五章まで読了)
  10. 神々の明治維新 / 安丸良夫
  11. 銃・病原菌・鉄 / ジャレド・ダイアモンド
  12. 詳説世界史研究 / 木村靖二 岸本美緒 小松久男
  13. 岩波新書の日本近代史シリーズ (一度太平洋戦争まで読んだ)
  14. サピエンスの未来 / 立花隆(一度読んだことあり)
生き物はニッチェを(結果的に)探しだすだけではなく、ニッチェそのものを(結果的に)構築して居場所・天敵不在空間を確保しています。そして人間(企業)が構築し得る最大のニッチェは「文化」と呼ばれています。ここらへんが肝ですかね。

『詳説 日本史研究』は応仁の乱まできました。並行して『日本思想史』も読んでいます。やはり南北朝から室町時代あたりに形成された社会的な通念が、現在の日本人の考え方の通奏低音になっている印象。

自分の興味に沿って自分のペースでする勉強(体育もそうですけど)ほど楽しいことはないですが、ムスメにそれを言ってもねえ・・・そもそも缶ビール片手じゃ、説得力ないか。

Oh, yeah, life goes on.

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