今から約2年半前に発売された科学雑誌『ニュートン』の2022年10月号に、ふたつの注目すべき記事があります。
ひとつは『世界を襲う未曽有の干ばつ』と題された特集です。新たに注目され始めた「フラッシュ干ばつ」がとりあげられ、それがもたらす大規模な森林火災のリスク等々が書かれています。今年に入り、岩手県や瀬戸内で大きな被害をもたらした山火事が発生し、また国外でも韓国やロスで大規模な火災があったのは記憶に新しいところです。
もうひとつは『人口80億人時代のファクトブック』という特集の中で述べられている「タンパク質危機」です。2025~2030年には食肉の供給が需要に追いつかなくなることが予測されていたようです。
いまのところコメ騒動が大きな話題になっていますが、そのうち肉や魚も話題になるかもしれません。10年後には、吉野家の牛丼はおいそれと手を出せない超高級料理・・・かも。
その貴重なタンパク源であるウシ・ブタ・ニワトリ、それからサーモン等々の健康を守るアニマルヘルスケアのZoetis Inc.の24年度を確認します。
Zoetis Inc.(ZTS)
ブタや牛、鶏、魚、羊といった家畜と、イヌやネコ、ウマといったペット(Companion Animal)に、感染予防やワクチン等の医薬品を提供。また診断機器も扱う。
【初回の獲得】
2018年10月
【誰にどのような価値を提供しているか】
- 動物病院や畜産農場へのソリューション提案を含む信頼関係
- ペットとともに長く歩むQOLの向上
【参入障壁】
人体向けのヘルスケア市場に比べ、アニマル向けのそれは規模が小さい。非効率なため、これ以上大手ヘルスメーカーやジェネリックの参入の可能性は低い。このニッチェな市場でZTSはすでに先駆者として学習効果をおさめ、獣医・畜産農家へのチャネルも確立していると思われる。
【長期潮流】
とくに先進国におけるペットのプレゼンスの増大と、冒頭に述べた動物性プロテインの希少価値化
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ZTSが産み出す企業価値をみてみます。(以下経営効率や一株当たりのFCFの数値は私の計算なので、あくまで参考値)
- USは+11%、OUSは+5%
Appendix
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