でも中にはまったくどうしようもない人がいる。そしてそういう人々の多くは、どういうわけかいわゆる「超エリート」である。会っていちおうの挨拶をした次の瞬間から「いや、実は私の共通一次の成績は何点でしてね」と、滔々と説明を始めるような人々である。だいたい僕らが大学に入った頃には共通一次なんてものはなかったので、のっけからそんなこと言われても何が何やらよくわからない。しかしもっとよくわからないのが、自己紹介代わりに共通一次の点数を持ち出す人間の神経である。いったい何を考えているのだろうか。こういう人たちがエリートの役人として、日本で幅をきかせてエバっているのかと思うと（アメリカに来てもかなりエバっていた）、これはちょっと困ったことなんじゃないかなという気がする。
村上春樹 『やがて哀しき外国語』 講談社文庫 （引用で下線が引いてある箇所は、原文では傍点です）
『やがて哀しき外国語』は、1990年代はじめにプリンストン大学に「ビジッティング・スカラー」および「ビジッティング・レクチャラー」なる立場で滞在していた村上氏の体験記です。
なにやら官公庁や企業から派遣されていた日本人エリートのうちの少なからぬ数が、上記のような（私から言わせると）イタい人たちだったらしい。ま、いったん徒手空拳で外国に出てしまうと日本独特のヒエラルキーがまったく意味をなさなくなってしまいますからね。うっぷんがたまったあげく、同胞を見かけた途端にエバりはじめる人というのは私も何人か見かけたことがある。
そういえば北杜夫氏も『どくとるマンボウ航海記』で似たような日本人の存在を書いていましたね。
こういうのも今は昔さ・・・と思いたいところなのですけどもね。数年前には某ニュース番組のコメンテイターが学歴詐称で降板させられたり、いまだに書籍やネット等では「T大卒の・・・」とか「K大卒の・・・」とかのタイトルが散見されます。いやはや日本人はどこまで学歴が好きやねん、しかも井の中の。
こういうタイトルがはびこるということは需要があるということで、哀しいかな、現在でも日本には、なかなかイタい人たちが多いようです。過去数十年間であまり変わっていないようだから、これからもそう簡単には変わらないでしょう。
さてコロナ騒動で株価が乱高下する今日この頃、学習塾のステップ(9795)を追加で200株獲得しました。
9795のRevenueと営業利益率の推移を、以前保有していた同業他社の明光ネットワーク(4668)と比較してみます。（以下、グラフの数値のソースはモーニングスター）
平時でも、現在のような有事のさなかでも、見るべきなのは値札（株価やPERとか）ではなく、盤石なProfitと跳梁跋扈するイタい人々です。この２つを掛け合わせると、答えは9795と出てきます。こんど電卓を叩いてみてください。
原資は『いざ・波』ファンドで保有していたMマート（4380）とピーバンドットコム（3559）の全売却費です。やはり生半可に調べただけの企業は逆風が吹くと持ちきれませんね。この2企業で弁護士ドットコム（6027）が7倍にしてくれた時価を、その1/2に押し下げてしまった。まあタイミングが悪かっただけやけど、ここは大いなる反省点です。ちゃんと調べなあかん。
また米国株でもアーロンズ（AAN)を全放出し、それを元手にA.O.スミス（AOS)を追加獲得しました。
AANは米国で主に家具を低所得者向けにリースする企業で、米国での人口動態＋給与形態の変化にピタリとはまると判断して獲得したのですが、2019年の結果は：
あかんな。
おまけに同社の稼ぎ頭になっているProgressive Leasingがいまひとつ理解できなかったので放出しました。ここも大いなる反省点です。ちゃんと調べなあかん。
ジレンマは・・・私はいったんポジションを取らないと本腰を入れて調べ始めない哀しき性向があるんですわな。こりゃもう直らん。
オレが一番イタくて哀しい人間だ。
＊＊＊
さて、現況のコロナ騒動による株価下落をうけて、今後は以下のように動きます。
- The 3rd Man's Fundの四半期定期獲得の金額の増額（3・6・9月を予定）
- 『汝の父を敬え』作戦の2nd Frontの積立金を、毎月2万円から3万円に増額（3月から、終了未定）
- 臨時で向こう半年くらいの期間をめどに約JPY２Mを株式に投入（ワイルドワイフが金融緩和にGoサインを出した）
あくまで感覚的なのですが、株価というものは釣りの浮きの動きと似ていて、最初激しく上下に動いたかと思うとスーッと水面下に沈み、その後しばらくジワジワと水底の泥の中に潜っていくという動きをとることが多いので、あせらずに推移を注視したいと思います。
情報開示：この記事を書いている時点で9795ｘ1100株、AOS310株保有
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