2015年2月13日金曜日

ブタは太らせてから食え -投資信託積立開始その1-

我々の人生にとって大事なのは、自分にとってまっとうと思える決意をどこまでも維持することであり、自分にとってまっとうと見える姿勢をどこまでも継続することである。流行は移り、風向きは変化し、人々の口にする言葉も違ってくる。評価は上がったり下がったりする。しかし我々の人生の営為は基本的には、あくまで累積的なものなのだ。我々は時代の波に振り回されることなく、自分の道をみつけ、それを一歩一歩前に進んでいくしかない。僕らは僕らなりの個人的な「秘蹟」を探し求め、そこで見いだされたものを心から大事にしていかなくてはならない。たとえとるに足らないように見えるささやかなことであったとしても、それはしっかりと誠実に護られなくてはならないのだ。

レイモンド・カーヴァー 『必要になったら電話をかけて』 村上春樹・訳 訳者による解題より 中央公論新社
娘を授かりました。

妻の妊娠がわかったのが昨年の5月後半あたり。つわりがひどくなって彼女の身動きが取れなくなってきたのが7月。いつもであれば、夏は南の島へ遊びに行くところだったのですが、計画は全部白紙撤回し、うだる暑さの中を毎週末、近所のカフェで過ごしました。


いやはや、ひときわ暑く長い夏でした。妻はいつも不機嫌だったし。


安定期に入り、妻の体調もおちついてくると、今度はひと夏分のうっぷんがたまった彼女に要請され、北東北方面の温泉旅行に頻繁に繰り出す羽目になります。まあ、それはそれでとっても楽しかった。


そんなこんなで、『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)を読んでも、ついつい日本のM字カーブについて反応しちゃいましたね。当時これは我が家でけっこう切実なトピックだったのです。

結局これまでのところ、うまくいっております。というより周囲が止めるのも聞かずに妻は入院2日前の夜遅くまで仕事してました。まったくもう、私と違って仕事に熱中しています。

仕事に全然熱心でない私は、なぜかこの時期に依頼の重なった海外出張要請を断りました。こういう点では、グローバル外資系企業は理解がよろしい。GOOD。


ちなみに『ヤバい日本経済』読書メモは、当ブログで計6回程度書くつもりだったんですが、飽きちゃったので途中で放棄しています。


そんな最中、私はひそかに計画を立てはじめました。子供の将来に必要になるであろう教育費を準備する計画です。


このITテクノロジーが発展しつつあるいま、現在の、特に日本の教育システムがあとどれくらい持続可能なのか、及び有効なのかは甚だ疑問なのですが、とりあえず娘からどのような希望が来たとしてもなるべく応えられるようにしたいと考えました。


これは、この投資方針に基づくThe 3rd Man's Portfolioとはまったく別で行います。


で、この計画の骨子は以下の通りです。


目的:娘の教育資金

目標金額:特に設定せず
投資金額:毎月の娘の誕生日に3万円を自動で投入する。
期間:いちおう娘の18の誕生日まで
備考:短期的に流動性資金が必要となった場合、The 3rd Man's Portfolioより先に取り崩す。また躊躇なく積立を停止する。

つけなくてもいいけど、ついつけてしまった作戦名は「汝の父を敬え/Honor Thy Father」です。これはゲイ・タリーズ著、常盤新平・訳の同名の本から流用してきました、へへへ。この本に出てくるマフィアのジョゼフ・ボナンノは、映画『ゴッドファーザー』のヴィトー・コルリオーネのモデルとも言われています。

作戦名なんぞ考えるより、娘の名前のほうが先と思ったりしますが、なんだかなあ・・・ 

さて、上記の条件を満たす金融商品としては、投資信託が思い浮かびます。少額から定期的に自動で買付できます。投資信託の種類は多々あるかと思いますが、私の好みで株式に投資する投資信託にします。じつは汝の隣人を程よく愛せ - インデックス投信の多様性 -なんて記事を書いたのも、このころいろいろ調査していたからです。

これにより積み立てた投資信託は、いずれ取り崩すことが前提です(当然だ)。つまりなるべくでっかく太らせて、おいしくいただこうぜっていう、グリム童話のヘンゼルとグレーテルの魔女がとった作戦と同じです。そう、ブタを大事に育てて太らせてから、ベーコンやソーセージや生姜焼きにしようって魂胆です。


結局、ある投資信託に2万円、もう一つに1万円、毎月積み立てることにしたのですが、それについては次回以降に書こうと思います。


最後にドン・ヴィトー・コルリオーネの映画ゴッドファーザーPart Iのセリフより:


(Because) a man who doesn't spend time with his family can never be a real man.


肝に銘じておきます、ドン・コルリオーネ。


情報開示:とくになし


いやしかし、以前は友人たちが子供を授かった時のにやけた表情を見てケッとか思っていたのですけどね・・・。いまベビールームにずらりと並んだ20人の赤ちゃんたちのなかで、うちの子が一番光り輝いているんだよな・・・まいったなあ。


これまでの常識に照らすと、私は父親としてはかなりのオールドルーキーだけど、日本の人口動態見たら、まあ、これまでの常識は既に過去の遺物ですな。データは都合よく解釈するために存在しております。


10 件のコメント:

  1. はじめまして。
    毎回、参考になる記事をありがとうございます。

    娘さんの誕生、おめでとうございます。

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    1. ice_skaterさん、どうもありがとうございます。彼女の誕生で世界がすこしでもよくなればいいな、と願っています。

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  2. 娘さんご誕生おめでとうございます。

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    1. FDG金星人さん、ありがとうございます!

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  3. お子様の誕生、おめでとうございます。
    自分も9月に息子が生まれて、月2万円の投信積立をこれまでの投資とは別に開始したもので、
    すごく似たような境遇だなと思い、コメントを残させてもらいました。

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    1. シンガさん、ありがとうございます。お互い良い結果になればいいですね。

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  4. 初めての娘さんですか?

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  5. お子様の誕生、おめでとうございます。
    以前から、ブログを読ませて頂いていました。

    ところで、失礼かもしれませんが、Kさんの死後の資産管理って気になりませんか?
    私は米個別株に投資をしていますが、私の死後にこれらの管理を妻ができるとは思えません。
    せいぜい時々入る配当金を円にして生活費にするくらいでしょうか。
    簡単に倒産してしまうような企業は選んでいませんが、それでも完全にほったらかしで良いのか? というと疑問です。

    このような事を考えていたら、いろいろとデメリットはあってもETFなどの方が残された家族には良いかなと思いました。
    もちろん、人の寿命なんて分かりませんので、杞憂と思われるかもしれませんが、ふと、Kさんはどういったお考えかな? と
    思いました。

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    1. 匿名さん、こんにちは。私がどう考えているか? 正直現時点では何も考えていません。日々なるべく楽しく過ごそうとしているだけです。

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