元来日本人には理想なく強きものに従ひその日その日を気楽に送ることを第一となすなり。
永井荷風 『摘録 断腸亭日乗 (下)』 磯田光一・編 岩波文庫
この言葉は、もともとはNHKスペシャル『カラーでよみがえる東京~不死鳥都市の100年~』での引用で知りました。先日授かった娘の教育資金準備のための「汝の父を敬え」作戦の3回目の記事です。1回目の記事はこちら、2回目の記事はこちらです。
月々積み立てる3万円のうち、1万円は日本の株式の投資信託にしようと考えていました。なにぶん日本に住んでいるのでやはり教育も日本円で払うことになる可能性が高いと思います・・・どうだろ?
しかしその日本株式なんですが、うーん、日経平均にせよTOPIXにせよ、過去の株価を参考にすると、長期的に保有するにはいささか心もとありません。
もともと日本の銘柄は景気に敏感なものが多いというのもあるので、なかなか長期で持ち続けるほどの安定感がないのかもしれません。ただこれは、個人的には、日本人の気質によるところも大きいんじゃないかなあと考えます。
日興アセットマネジメントで業界史上初めて自らの名を冠した運用セクションを持つファンドマネージャーだった藤原敬之氏が、その著書『日本人はなぜ株で損するのか?』(文春新書)で“投資に最も大事なのは「将来」というビジョンを持つことに他ならない”としています。
そのうえで彼は“では、我々日本人はどこに「価値」を置いているか。それは「今」なんです。”と看破し、それが日本人の投資が下手な理由としています。将来の理想像よりも、いまそこにある現実なんですね、日本人にとって大事なのは。
私たち日本人は、比較的気候に恵まれていて、四季折々の美しさを享受できる列島に住んできました。しかし一方で、理想を胸に抱いて地道に立派な建物や財産、都市を築き上げたとしても、わりかし頻繁に起こる地震や火事・津波で一瞬にしてチャラにされてしまう土地でもありました。
そうであれば、今この瞬間を楽しむぞ、宵越しの金は持たねえ、のど元過ぎれば・・・という気質になってしまっても仕方がないことなのかもしれません。それはそれで全然悪くない処世術です。それでやっていけるのであれば、それにこしたことはない。私は本気でそう思います。
神や仏は、その場をしのぎたいときに借用すればよい、例えば出産の際なんかに・・・ハハハ。
ただそうなってくると長期的な展望や戦略を練るのは、やはり不得意になるでしょうね。日本企業はその場その場をしのいでいるイメージがあります。特に日本独特の商社なんかは、良くも悪くも日本人の特質がよく出ているんじゃないでしょうか。
そんなわけで日本株式は、企業自体もそれに投資する人々も「今でしょ」な状態なので、例えばTOPIXとかに連動する投資信託は選ぶ気になれません。いざとなったら全員が買うなら今でしょ、売るなら今でしょ、になってしまい、長い目で見るとしょぼいことになりそうな恐れが強いです。
それに将来誰が日本の株式を買い支えるのかという不安もあります。外国人がいつまでもうまみを感じてくれればいいのですが。
というわけで、日本人ミスターマーケットにはバックネット裏にどいてもらって、運用のプロのカントクを雇うことにします。
で、その栄えあるカントクに任命されたのは、レオス・キャピタルワークスのファンドマネージャーである藤野英人氏です。となると投資信託は楽天証券で扱っているひふみプラスになります。
ま、実はいうと、ひふみプラスは以前保有していましたが、2014年6月に放出しています。てことは藤野氏を再度、カントク招聘ということになります。なんか、困ったときの代表監督オカちゃんみたいになってきましたね。
まあ少なくとも藤野氏は、スペインで八百長に関与なんぞはしていないと思われます。してないですよね?
なぜひふみプラスかというと、以前保有していた時に成績が良かったことと、ファンドマネージャーはじめ運用部のカオが見えやすいという2点が決め手です。
でも別に多くは望みません。実際のところ、特に上げ相場でTOPIXのパフォーマンスを下回ったところで目くじらを立てたりしません。期待するのは、いざ市場がおおきく調整した時に、私にはない機動力を持ってダメージを最小限に抑えてくれることです。
この「今でしょ」市場において、投資環境が悪化すると、株価がとめどなく下落し、なおかつなかなか復活しないというのは、バブルの崩壊や先の金融危機で見て取れます。
今回の「汝の父を敬え」作戦は、できるだけブタを太らせるのが目的なので、開始から15年後あたりにとめどなく痩せ衰えてしまったら致命的なのです。それを最小限に防いでもらうのがカントクに望む役割です。
カントク・フジノ、頼んだぞ。娘の教育費は貴殿の采配にかかっておる。
そんなわけで日本株式は、企業自体もそれに投資する人々も「今でしょ」な状態なので、例えばTOPIXとかに連動する投資信託は選ぶ気になれません。いざとなったら全員が買うなら今でしょ、売るなら今でしょ、になってしまい、長い目で見るとしょぼいことになりそうな恐れが強いです。
それに将来誰が日本の株式を買い支えるのかという不安もあります。外国人がいつまでもうまみを感じてくれればいいのですが。
というわけで、日本人ミスターマーケットにはバックネット裏にどいてもらって、運用のプロのカントクを雇うことにします。
で、その栄えあるカントクに任命されたのは、レオス・キャピタルワークスのファンドマネージャーである藤野英人氏です。となると投資信託は楽天証券で扱っているひふみプラスになります。
ま、実はいうと、ひふみプラスは以前保有していましたが、2014年6月に放出しています。てことは藤野氏を再度、カントク招聘ということになります。なんか、困ったときの代表監督オカちゃんみたいになってきましたね。
まあ少なくとも藤野氏は、スペインで八百長に関与なんぞはしていないと思われます。してないですよね?
なぜひふみプラスかというと、以前保有していた時に成績が良かったことと、ファンドマネージャーはじめ運用部のカオが見えやすいという2点が決め手です。
でも別に多くは望みません。実際のところ、特に上げ相場でTOPIXのパフォーマンスを下回ったところで目くじらを立てたりしません。期待するのは、いざ市場がおおきく調整した時に、私にはない機動力を持ってダメージを最小限に抑えてくれることです。
この「今でしょ」市場において、投資環境が悪化すると、株価がとめどなく下落し、なおかつなかなか復活しないというのは、バブルの崩壊や先の金融危機で見て取れます。
今回の「汝の父を敬え」作戦は、できるだけブタを太らせるのが目的なので、開始から15年後あたりにとめどなく痩せ衰えてしまったら致命的なのです。それを最小限に防いでもらうのがカントクに望む役割です。
カントク・フジノ、頼んだぞ。娘の教育費は貴殿の采配にかかっておる。
18年という超複数年契約だ。腕前は疑っておらん。せいぜい健康に気をつけていただきたい。少しふくよかになられすぎな気が・・・いや、元阪神タイガースの中込投手のようにタイコ腹じゃないと実力が発揮できないんなら、それでもかまわん。
というわけで、月々2万円をSMTダウ・ジョーンズ・インデックス・オープンに、1万円をひふみプラスに積み立てることになりました。
リバランスに関しては、うん、まあ、適当に、一年に一回くらい様子見て、堅苦しくなくやろうかなと思っています。たぶん娘の誕生日にならないと、作戦実行中であることを思い出さないんじゃないかな。
情報開示:特になし
永井荷風は正月に見たNHKスペシャルで関心を持ったので、『断腸亭日乗』を買ってきて、ちびちび読んでいます。これがなかなか面白い。
あと、今後は多忙になるので、ブログの更新はゆっくり、ますます適当になります。
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