5/8から複数回にわたり何故PGになったかをレビューしています。 かなり駆け足で調べたので(実質細切れ数時間)、思いっきり簡易調査です。突っ込みどころは満載かと思います。突っ込んでいただければ今後の糧にいたします。 なおこれ以下に出てくる数値は全てモーニングスターのサイトがソースになります。
PM (Philip Morris International)
"私はダグアウトに座って、選手たちのバッティング練習を見ていた。リトルが横に座って立て続けにチェスターフィールド・キングを喫っていた。いやはや、小説の一シーンなのですが・・・場所はフェンウェイパークのダグアウト、リトルとはボストン・レッドソックスの広報係という設定です。その広報係が試合前の練習中にダグアウトでおおっぴらに喫煙するような時代があったんですね。原作は1975年に出版です。いまはフェンウェイパークは全面的に禁煙だと思います。ダグアウトでタバコなんぞ喫った日にゃ、コージ・ウエハラに血祭りにされるでしょうな。
「あれがモントーヤだ」リトルが言った。「一九六八年にポゥタケットで年間最優秀選手だった。去年の成績は、二割九分三厘、ホームラン二十五本だ」”
ロバート・B・パーカー(著)、菊池 光(訳) 『失投』 ハヤカワ・ミステリ文庫
Phillip Morris Internationalは2008年にAltria Groupからスピンオフしたタバコ会社で、マールボロやL&Mなどを米国外で販売しています。チェスターフィールドも取扱いブランドのひとつです。
Annual Reportを斜め読みしました。以下抜粋。
製品のShipment volume(販売数?出荷数?たぶん販売数なんだろうと思う)の2013年と2012年の比較:
全地域トータルでみると-5.1%
地域ごとにみると以下の通り。
- 西欧:-6.5%。増税、弱い景気、電子タバコ等々の普及のため
- 東欧・中東・アフリカ:-2.4% 。Illicit trade(闇取引?)の横行、ロシアでの弱い景気、値上げインパクト
- アジア:-7.7%。フィリピンでの増税、パキスタン・日本でのシェア低下
$ベースのNet Revenueは+3.4%、ただしそれからタバコ税を差し引くと‐5%・・・ちなみにタバコ税は6.1%の増加とのことです。
うーむ、明るいニュースがない。まるでスターグリングラード攻防戦以降の東部戦線の戦況報告みたいですな。 最近マールボロの宣伝が街で目に付くなと感じていたのですが、シェア奪還のテコ入れを図っていたのか・・・。
フィリピンの増税インパクトはすさまじかったらしく、全体のShipment volumeで‐2.4%の影響をもたらしたそうです。今後も増税トレンドは世界各国で続くであろうと予測しています・・・
こりゃ、PMなんぞに近寄らずに他の銘柄を探したほうがよさげですね。
しかし、EPS、一株当たりの配当とフリーキャッシュフロー(FCF)の推移を見てみると・・・(数値は全てモーニングスターのサイトがソース)
なんと、とっても理想的なグラフになりました。配当は言うに及ばずEPSも伸びているし、なによりとっても潤沢なFCF。なんというか、四方八方から集中砲火を浴びて派手に揚がった水柱がおさまると、無傷の戦艦が悠々と姿を現したような感じです。
キャッシュフローの全体の動きを見ます。
Capital Spendingが少なくて済んでいますね。
そもそも各国・各地域の政府にとってタバコとは比較的簡単に税金を取れる貴重な源泉です。枯らすわけにはいきません。そういう意味でタバコ産業は最も保護されている(或いはされるであろう)業界と言えるのではないでしょうか。
また新興国でのタバコの需要は、まだまだ伸びていきそうです、かつての日本のように。
今回PMを見送った理由はただ一つ・・・昨年秋にMO(Altria Group Inc.)を獲得したばかりなんです・・・いまPMを加えると煙が目に沁みそうで・・・というわけで次回の投資のさいの有力候補銘柄です。
情報開示:2014/5/10時点でMO180株保有。
私は5年前にタバコをやめました。これまでの人生で行った数少ない正しい行動のひとつと思っています。
2014/5/15 追記: PMのバランスシート見ていたら、ちょっと驚きのDebtですね。リサーチしてフォローアップの記事を書いてみます。
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