勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし
松浦静山 『剣談』故野村克也氏の座右の銘としても有名なこの言葉、ウィキクォートによると、もともとは肥前国平戸藩の第9代藩主の松浦静山の『剣談』が出典のようです。
さて、2020年の第二四半期が終わりました。この期間の株価は第一四半期でコロナによる急落から一気に反転して上昇しています。
なんといいますか、不思議な上げですね。
おおもとの実体経済が動いていないので、ミスター・マーケットが復活してくるまで結構長引くのではないかと思います。
と『投資家K.の四半期レポート 2020 Q1 - Tiger! Tiger! Tiger! -』で書きましたが、うーん、思いっきり外れました。
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さて、個人株式投資家における「勝ち」の定義はいったいどういったものがあるでしょうか。人によってさまざまだと思います。どうしてもS&P500やTOPIXのような指数に劣後するのは我慢ならないという人もいるでしょうし、XXという株式ブロガーやXXファンドに負けたくないという方もいらっしゃることでしょう。
もしかしたら一年以内に株価が倍にならないようじゃ負けだ、という凄腕の人もいるかもしれません。
私的には、せっかく証券口座を開いているのだから、銀行の10年定期預金に預けるよりマシであれば勝ちだなあ、くらいの感覚です。
謙虚ですかね?
サブプライム金融危機のころでは、とてもハードルが高い目標でしたけど。
一方私にとって「負け」の定義は明確です。株価に逆風が吹いたときに、踊らされた挙句、衝動的に株式を手放してしまうことです。
負けに不思議の負けなし。
どんなに順風な時でも、下調べなくホイホイと株価的に調子のいい企業の株式に手を出すのは戒めないといけない。とくに目下のような「奇妙な株高」が続いているときは、ことさら慎重に投資すべき対象を見極める必要があります。
逆にいえば、しかるべき理由を見つけたから購入価格より低い価格で株式を手放したとしても、私にとってそれは負けではないのです。逆風下でも順風下でも、凪のときでも、しっかり『投資方針』に基づいて行動するのみですね。
ただね、株式市場では、
上げに不思議の上げあり、下げに不思議の下げあり
の、なんでもアリの世界だから、ちょっと複雑ではあるのだけど。モハメド・アリのごとく、蝶のように舞い、蜂のように刺す、で踊り続けるしかありませんな。
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The 3rd Man's Fundでは期間中、定期・臨時獲得としてトラクター・サプライ(TSCO)を加え、臨時でキャリア(CARR)を新規獲得、ペットIQ(PETQ)を放出、アルトリア(MO)を一部放出しました。
その結果、The 3rd Man's Fundのポートフォリオは以下の通りになっています。 (7/3末時点、1ドル107.51円で換算)
計24企業。
・・・ちょっとステップ(9795)のポジション、大きすぎかなあ。さすがに神奈川限定なので、災害リスクとは真剣に向き合ったほうがいいかもしれない。クロロックス(CLX)の最近の株価の高さも気になりますね。
両企業とも事業内容は素晴らしいと判断しています。ただ場合によっては少しバランス調整をするかもしれません。
あとは『令和の改新 その5 - 三つの巨鯨 -』で述べた3つの作戦に合致しないMOは、機を見て一気に解体する可能性もあります。
A.O.スミス(AOS)はいい感じでポジションが積みあがってきました。10年後を見据えつつ、フロントドア(FTDR)やTSCOをじっくり集めていきたいところですね。
期間中The 3rd Man's Fundの資産は以下の通り推移しました。
また、日本が直面する少子高齢化社会を逆手に取るいざ・波は以下の通りです。(7/3末時点)
いっさい動きは無し。アイ・アールジャパン(6035)のプレゼンスが増しました。うかつに手放してしまわないように注意。
期間中いざ・波の資産は以下の通り推移しました。
2020年Q2はDripにより4.1株増加しています。
ムスメとムスコの教育資金のための作戦『汝の父を敬え』。
1st Front
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- ひふみプラス
2nd Front
- 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
- スパークス・新・国際優良日本株ファンド
こちらの2020年Q2も、一度も積み立てをSkipすることがなく無事終了しました。なお2nd Frontはコロナ禍での株価下落を受けて、積立金額を月10,000円ずつから15,000円ずつに増額していましたが、7月から元に戻しています。
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『令和の改新、最終章 -作戦術の導入ー』で書いた3つの作戦の2020年Q2での割合は以下の通りです(ESPPと投信積立は除く)。
作戦Plutoですが、追加投入がまったくなかったにもかかわらず、割合を大きく伸ばしました。ひとえにアイ・アールジャパンのせいです。できればそれぞれの作戦の割合を三割ずつにしたいところ。
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街では降りしきる雨をよそに、株価の回復を喜ぶ人々の歓声や嬌声があふれかえっている。その郊外から少し距離を置いて広がる木立の陰に一台の戦車が身を潜めていた。春先に猛威を振るったタイガー戦車である。車体番号は567(コロナ)。
車内からペリスコープで街の様子をじっとうかがっていた砲手が問う。
- 彼らは勝ったと思っているのでしょうか?
戦車長が応える。
- そうらしいな。だが、それは間違いだ。諸君、思い知らせてやれ。Panzer vor.
* ミハエル・ヴィットマンの『ヴィレル・ボカージュの戦い』参照。
Invest today, harvest tomorrow.
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