こうした変化をみたヨーロッパ諸国の軍人や軍事思想家は、戦争に勝つための策を定める戦略と、戦闘を有利に進めるわざである戦術とのあいだに、もう一つ、「作戦」という次元があると考え始めた。そこで採られるべき方策を究明することが、今後の戦争遂行に重要な意味を持つと認識したのである。ロシアは二十世紀初頭に、こうした理論的試みにおいて、著しい進捗をみせた。日露戦争で、日本軍よりもずっと優勢な大軍を擁しながらも敗北した経験が、ロシアの軍人たちに深刻な施策を促したのだ。
大木毅 『独ソ戦』 岩波新書 *上記引用の戦争と戦闘の部分に下線を引いていますが、原文では傍点です。戦略と戦術を有機的に結びつける(ソ連)作戦術は、ベトナムで痛い目に遭った米軍も研究をするところとなったのだそうです。やはり人間、失敗しないとなかなか進歩しないものですね。
『令和の改新 その5 - 三つの巨鯨 -』で書いたように、投資家として追うべき三つのクジラを確認し、それぞれのクジラを追う作戦を以下の通り立案しました。
Operation Mars (闘) - 米国の人口動態とその購買行動に的を絞れ -
現時点での保有企業:AAN、AOS、CLX、FTDR、PETQ、QSR、ROL、TTC、WMT、MO(補欠)
Operation Jupiter(拡大と発展)- 世界的なミドルクラスの増加を追え -
現時点での保有企業:ABBV(近々トレードで放出予定・獲得企業を選考中)、ABT、EMR、IFF、JNJ、KO、MCD、MKC、PG、ZTS、アリアケジャパン
Operation Pluto(死と再生)- 列島社会と人々の意識の変化を見据えよ -
令和元年十月十二日午前七時十五分に、それぞれの作戦を発動します。
とくに目標はないのですが、2039年10月12日の午後三時まで作戦を継続したいと考えています。Marsに関しては、それより前に段階的に規模を縮小するかもしれません。
これで投資方針の戦略と個々の企業の選定が有機的に結びつき、その結果、われらがポートフォリオはかつてなく強固なものになり、今後数十年の風雪を耐えうる無敵艦隊へと変貌するのである!
・・・
・・・
・・・
たぶん。
作戦発動にあたり、各作戦に従事する企業は次の通り展開し、各々のクジラを追うことになる。
Mars:大西洋。なんといってもここはアメリカの海なのである。
Jupiter:世界の七つの海。
Pluto:ジャパン沿岸。
Jupiterの各企業の場所に意味はありません。たとえばIFFが地中海、EMRが北極海に位置していますが、適当です。
じつのところ、作戦発動つったって、やることはこれまでと変わらんのです。ま、株式の長期投資ってヒマなんでね・・・。ただここしばらくはMarsに力を入れることになるかと思われます。ちっ、バンカメ・メリルリンチのせいでアーロンズ(AAN)が・・・。作戦の機密情報が漏れたか・・・なわけねーか。
いや、ヒマなんです。
***
にわか仕込みの作戦術を導入したので、投資方針を改め『投資方針【令和版】』を作成しました。
***
株式の獲得のタイミングは気にせず、その分、保有期間の長さにこだわりたいと考えています。よってThe 3rd Man's Fundのグーグル・スプレッドシートに、初回獲得時から現在までの保有日数を表記する欄をつくりました。
一番保有日数の長いのがジョンソン&ジョンソン(JNJ)で、この記事を書いている2019/10/11時点で3,349日保有中です。日本企業のものだとリロ・グループ(8876)で2,444日。 長い? ご冗談を。あと7,300日は保有するつもりだ。
私にとっての株式投資における成功とは、株価の上昇率ではなく、株式の保有時間の長さなのである。なにがあっても途中で放り出さない株式、これを選ぶことが株式投資における醍醐味であり、矜持でもある。
***
最後になってしまいましたが、この令和の改新の一環として、ブログタイトルを『「現代の資本家」K.の株式投資録」』に変更しています。それにともない『適当なる投資家K.の日本株式投資録』を、当ブログに統合しました。
この新しいブログタイトルは、
物事の本質は時代が移ろっても変わらないものである。大事なことは、資本家として(その投資金額がいかに小さくとも)企業の営む事業や企業経営者を主体的に選択し、その投資先企業の企業価値を時間をかけて楽しむことである。
奥野一成 / 川北秀隆 『京都大学で学ぶ企業経営と株式投資』 きんざい上記引用部分、ならびに同書の第一章第三節の「現代の資本家」のパートにインスパイアされてつけています。
こんにちの日本では、だれであれ、少しの資金、少しのITスキル、そして大いなる想像力があれば、いっぱしの資本家になれるのです。こいつは素晴らしいことですぜ。
***
いやあ、タイトル変更して数か月経過してから、やっとのことでここまでたどり着けました。「令和の改新」も今年の初夏にやったんだよなあ。
ま、私の時の感覚はこんな感じです。7,300日なんざ、たいしたことないぜよ。
情報開示:めんどくさいのでこれ以上なし
0 件のコメント:
コメントを投稿