2014年10月31日金曜日

撃進の英雄 2000-2004 -コカ・コーラ(KO)-

うちの奥さんは興奮すると単語をあべこべに言う癖があります。ちょっと前の話になりますが、彼女がやたらと「あのね、激震の巨人がね、激震の巨人がねぇ」と言うもんだから、話を聞いてみると、なにやら彼女の職場で『進撃の巨人』が話題らしい。しょうがないんで近所のコンビニにあったコミックの1巻を買い与えたら、しばらく読んで「つまんない」とほっ散らかしやがった。おい。

さて、前回の続きです。恐怖の大王(Byノストラダムス)も空から降ってくることもなく、Y2K問題も乗り切り、21世紀になりました。2000年から2004年のコカ・コーラ(KO)のキャッシュフローを見てみます。この期間中は同時多発テロが発生し、世界情勢が一気に緊迫化しています。

まず同期間のKOの株価は以下の通りです。
Yahoo! Financeより
ドットコムバブルが弾け、同時多発テロの影響もあったのでしょう、株価は軟調ですね。私はこのころは株式投資に縁は無く、バフェットのバの字も知らなかったのですが、御大はこの状況をどう捉えてたのでしょう・・・2003年か2004年の御大バフェットによるバークシャー株主への手紙によると、1994年以来KOに関しては何も足さない、何も引かない状態だったようで・・・Cool!

株価はさておき、現実に目を向けると・・・まず以下にこの期間トータルのキャッシュフローのウォーターフォールチャートを載せます。
アニュアルレポートより、項目は適当にまとめています
この5年間で債券発行額は債務支払額を上回っていたのは2004年だけです。営業キャッシュフローは毎年順調に伸びて言っております。投資のコストは低いままで、こりゃ言うことありません。それでもって株価が冴えないとなりゃ、この期間は5年にわたるバーゲン期間だったのではありませんか。Net Revenueも同期間で約10%増えているし。まあ、後から見ればなんだって言えるけどさ。

ひとつ勉強になったのが・・・2004年の債券発行額が増えているのでアニュアルレポートを確認したところ、米国内でキャッシュが必要になったためと書いています。どうやら海外で稼いだ現金を米国に戻すと税金がかかるようで、それならコマーシャルペーパー発行したほうが安上がりっぽいです。

このへんの事情は、“米企業が海外の子会社で得た収益を米国に還流させる場合にも高税率のまま課税される”とのアメリカ経済を考える「遅れる法人実効税率改革」(中林美恵子)にある記述が参考になりました。うーん、米系企業に勤めてるのですが、全然知らなかったな。最近メドトロニックやウォルグリーンとかでもタックスインヴァージョンで話題になりましたね。

あとコマーシャルペーパーとは?もこちらのサイトが参考になりました。コカ・コーラのロゴほど信用力のあるものは、なかなかありますまい。

ちなみにこれまでキャッシュフローのウォーターフォールチャートではIssuances of debtを負債借入と訳していましたが、これを債券発行に、Payments of debtを負債返済としていましたが、これを債務支払に改めています。

同期間の負債の動向と、1999年と2004年のBS。

アニュアルレポートより、Short termはloans and notespayable + current maturities of long term debt
アニュアルレポートより、項目は適当にまとめています


BSの規模は45%増、純資産は68%増、負債は27%増。

うーん、キャッシュフローで債務返済が債券発行を上回っているのに、BSでは負債が増加している理屈がわからないのが私の限界。いずれわかる日が来るのであろうか・・・

最後に1995年から2004年までの5年区切りのキャッシュフローをつなげました。
アニュアルレポートより、項目は適当にまとめています
なにはともあれ、この5年間はKOにとっては、確実なる進撃の日々だったように思います。

情報開示:KO430株保有








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