2025年2月1日土曜日

FY2025 第三四半期レポート -ステージ03/40- 

We have to invest in the world we live in, and not the world we want.

- Charlie Munger

世界的な選挙イヤーだった2024年が終わって一か月が経ちました。

全体的にみると、各地域地域での保守的なリーダーが選ばれた傾向があるように見受けられます。米国しかり、欧州しかり。ここのところの韓国での騒動も、あれはイデオロギー的に右か左かではなく、“半島”という見地からみて保守か否か、の争いだと思います。

そして日本では、“面倒な時には中空(ちゅうくう)”というお家芸が発揮されましたね。まさしく列島の見地から見て保守的な行動です😅 

これらの結果は、とどのつまりはインフレがもたらしたものと私は考えています。インフレは人々が自分自身の、あるいは自分達の文化や流儀の価値が毀損されたと無意識に感じてしまい、なんとかしてその価値を取り戻そうとすると、いわゆる“保守的”なアクションをとりがちになるのだと思います。

一方デフレは、自分たちが提供するモノやサービスが買いたたかれている状態なので、結果的に失われたウン十年みたいな自信喪失につながるのでは、とも考えます。

It's the economy, stupid.

閑話休題、それぞれの選挙の結果に我が意を得た方もいれば、失望した方もいるかと思います。

いずれにせよ、投資活動においては

We have to invest in the world we live in, and not the world we want.

です。理想に酔わず、ストーリーを描かず、株価に踊らされず、事実を正しく解釈することを心がけ、クールにいこう。

***

FY2025 第三四半期を振り返ります。

The 3rd Man's  Fund期間中の獲得並びに放出。


【新規獲得】

NVR, Inc. (NVR)

【全放出】

Gentrex Corporation (GNTX)

 【一部放出】

McCormick & Company, Incorporated (MKC)

今から約5年前、令和の改新 その4 - 巨鯨現る -』を書いたころに、米国のホームビルダーを投資先として探したことがありました。当時NVRは私のアンテナに引っかからず(売り上げ規模だけでみると米国で5番手)、たとえ引っかかったとしてもROICとかWACCなるものの意味が分かっていなかったため、注目することはなかったと思います。結果、どのホームビルダーも違いがよくわからなかったので、代わりにHDPOOLWSO、もう放出しましたがFTDR(やってもうたかもしれない、しかしここの定性的な強みがわからんしなあ)TTCFERGのような企業の株式を獲得してきました。

2023年8月にAurea Lotusの柳下氏のツイートでNVRの存在を知り、数字を確認していてそのすごさに圧倒されたわけですが、ほかのホームビルダーと何が違っているのかの定性的なところが長らくつかめず、ああ、柳下氏のサロンで取り上げないかなあ・・・と週末の西の空に向かって念じていたまさにその時、その柳下氏からサロンの過去開催分(録画)の購入方法の案内がXで流れてきたのでした。

確認すると、購入可能な第190回サロンがNVRについてだったので、そそくさと購入。

最近私にもフォースが身についてきたのだろうか。

そのサロンの講義録画をみて、同社の持続し続けている高いROICの理由を理解し、「拡大より、まずリスク回避」な姿勢に好感を抱き、かつ私は今の米国の住宅は圧倒的に不足していると踏んでいるので、獲得に至っています。

その原資を得るためにMKCを一部放出しました。ひとえにThe 3rd Man's  Fundの構成企業にHigh ROIC (またはROCE)なメンツを揃えたいがためになります。これらの数値が低いとポートフォリオ内で、すみっコぐらしです。Code of conductの⑥を若干破る行動ではあるのですが…

同社は1/23に2024年度の数字が出ましたが、ROCEの数値がやはり今一つなのは変わりなかったのと、一株当たりのフリー・キャッシュ・フローの伸びがなかった(下がった)ので、事実上戦力外通知の極めておおきめな放出となりました。

GNTXは、年始の休み中にポートフォリオ構成企業の数字を眺めていたときに、当社の一株当たりのフリー・キャッシュ・フローの伸びが長年停滞していたことに気が付きました。ここのところ、その数値の推移の重要さが私の中で増しており、どうしても気になってしまうので、昨年7月に獲得したばかりなのですが1/14に全放出しました。

なおそこで得たキャッシュは一部NVRの獲得に使いましたが、残りはUS$ MMFでキープしています。

この一連のアクションをワン・パンチとカウントし、その結果、私に残された次の10年間におけるパンチカード(『私に残されたパンチの機会』)の残数は2つになりました。

★★★☆☆

それにしても、米国住宅需要への偏りを是正するためにFNDを放出しGNTXを獲得したものの、今回それを放出しNVR獲得とは、我ながらブレブレです😂

***

The 3rd Man's  Fundのポートフォリオは以下の通りです。 (日米双方の1/31終了時点、1ドル154.81円で計算)

お断りスマホでGoogle Driveを触っていたところ、誤ってGoogle spreadsheetで管理していたポートフォリオ表と配当履歴のファイルを削除してしまいました。ファイルそのものは復旧したのですが、当ブログへの再埋め込みがどうしてもうまくいかず、あきらめております。これまで当ブログ別ページでいつでも見られるようにしていたのですが、ま、しょうがない。

ROCE(私の計算)は過去10年のMedian、Debt/Equity Ratioはモーニングスターから取得。円グラフでは$MMFも含めています。




計15社+$MMF。

構成企業のイコール・ウエイトでの初回獲得からの保有日数平均は1,241日。最長はMKCで3,657日、最短はNVRで8日。2034年四月末にイコール・ウエイトで平均4,000日が目標。第一四半期に放出されたFNDは1,067日間の保有、今回放出のGNTXは189日で終わっており、計算にはこれも含まれています。早くも目標達成に黄信号が点灯😅

でも、もうこれで構成企業の出し入れは、しばらくないと思います。

ちなみに期間中、TSCOの株式が5分割されました。

第三四半期の各株価のパフォーマンスは 以下の通り(為替考慮せず)。これからどんどん決算資料が出てくると思いますが、それらの確認前なのであっさりと記述します。



High Performers (Top 3社)

  1. (株)MonotaRO (3064)
  2. KeePer技研(株)(6036)
  3. The Home Depot, Inc. (HD)

3064は、主に工場関節資材を卸業者・メーカーから仕入れ、ウェブサイト経由でエンドユーザーに直接販売しているeコマース企業です。WalmartやCostcoのようにscale economicsをユーザーとシェアすることができている稀有な日本企業と判断しています。その2社と違い、顧客へ還元するのは商品の価格ではなく利便性ではありますが。

6036は、洗車・カーコーティングの材料製造卸と施工サービスを提供する企業。少しばかり車やバイク以外のもの(スマホや風呂とか)のコーティング材も扱っています。もはやここはラボの月次の結果で一喜一憂して株を売り買いするようなレベルではないと思います。

HDは米国の、ちょっとあっけにとられるくらいにどでかい店舗を展開するDIY小売店。Aurea Lotusの柳下由紀氏によると、米国のDIY文化を再構築したのは同社だとか。みずから市場を創出した企業ですね。最近はプロ需要にもこれまで以上に照準を絞っているようです。

Low Performers (Bottom 3社) 

  1. (株)SHOEI (7839)
  2. Landstar System, Inc (LSTR)
  3. Pool Corporation (POOL)

7839は『双頭のヘルメット:SHOEIの第86期』で書いたので割愛。相変わらずスパークス・企業価値創造日本株ファンドにチクチク言われているようですが、ヘルメット越しだと効果ないものと思われ😂

LSTR米国のトラック運ちゃんやロジスティックス・サードパーティーのマネジメント・ソリューションを提供するアセット・ライトな企業。コロナ禍あとはちょっと逆風が吹いているようで、2024年度のROCEの値は過去10年で最低。出たばかりの8Kレポートではキャッシュフローが確認できないので、アニュアルレポートを楽しみに待つ。

POOLは米国最大(=世界最大)のプール関連の卸。B2Bで、プールの施工・メンテ業者が主な顧客。期間中バークシャー・ハサウェイの所有が判明していましたね。といっても、ごくわずかではありますが。こちらもアニュアルレポートを楽しみに待つ。

***

全40ステージのうちの3つ目のステージが終わりました。現段階でマイヨ・ジョーヌを着ているのは(株)MonotaRO (3064)です。


(注)これはスタート時(2024年4月末)の株価と現時点での株価を比べたもので、保有株式の含み損益ではありません

ま、株価なんでね、追いかけてもしょうがないのですが、余興です。個別株式の長期投資ってヒマなんです😂 はたして第40ステージ終了時にマイヨ・ジョーヌを着ているのは、いったい誰になるでしょうか。

以上、FY2025 第三四半期におけるThe 3rd Man's Fundの確認でした。

***

【教育準備金】

汝の父を敬え」作戦は、NISAを利用し、投資信託の積み立てを引き続き毎月行っています。1st Frontはムスメ(9)向け、2nd Frontはムスコ(6)向けです。


積み立て投資枠

  • 楽天・S&P500インデックス・ファンド (1st Front)
  • コモンズ30 (1st Front)
  • 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね (2nd Front)

成長投資枠

  • スパークス・新・国際優良ファンド (2nd Front)

ムスメは週に一回か二回、すすんで夕食を作ってくれるようになりました。

ムスコは私とのキャッチボールやバッティング練習に夢中です。だいぶんいい当たりが出るようになってきました。姉のおさがりの自転車にご不満なようです。

【リタイヤ準備金】

企業型拠出年金でMSCIコクサイ指数に連動するインデックス投信(まともなアクティブ投信がラインアップされていないので)を積み立て中です。あと『投資信託への積立投資』に書いたようにXXから新たにTOPIXに連動する投信も積み立て開始しました。

また以前勤めていた会社(グローバルなヘルスケア企業)でESPPを通じて購入していた株式もそのまま保持し続けていてます。

以上、The 3rd Man's  Fund($MMF込み)を含めたリスク資産の割合は以下のとおり。






ささやかだけれど、役に立ってほしいこと】

上記以外の「投資」は下記のプログラムを通じて行っています。


【株式投資を含むThe General Lawをつかむための知識習得】

課題図書のアップデート。読む順番は変わる可能性高し。

サイエンスは:

  1. 種の起源 / チャールズ・ダーウィン(読了)
  2. 利己的な遺伝子 / リチャード・ドーキンス (読了)
  3. 進化と人間行動 / 長谷川寿一・長谷川眞理子・大槻久(読了)
  4. 学びなおし高校物理 挫折者のための超入門 / 田口義弘 (chapter 21読了)
  5. 儲かる物理 / 鈴木誠治
  6. 確立の出現 / イアン・ハッキング
  7. 思考改善ドリル / 植原亮
  8. 新しい高校化学の教科書 / 左巻健男
  9. 大学生物の教科書シリーズ / デイヴィッド・サダヴァ
  10. 教養としてのエントロピーの法則 / 平山令明
  11. ゾウの時間ネズミの時間 / 本川達雄
人文は:
  1. 人類の起源 / 篠田謙一 (読了)
  2. 神々の沈黙 / ジュリアン・ジェインズ(読了)
  3. 言語の本質 / 今井むつみ、秋田喜美(読了)
  4. 千の顔を持つ英雄 / ジョーゼフ・キャンベル(読了)
  5. 風土 / 和辻哲郎 (読了)
  6. 日本社会の歴史 / 網野善彦(上・中巻読了)
  7. 日本の歴史をよみなおす / 網野善彦 (読了)
  8. 神々の明治維新 / 安丸良夫
  9. 神話と日本人の心 / 河合隼雄・河合俊雄(一度読んだことあり)
  10. 銃・病原菌・鉄 / ジャレド・ダイアモンド
  11. 世界史 / ウィリアム H. マクニール
  12. 岩波新書の日本近代史シリーズ (一度太平洋戦争まで読んだ)
  13. サピエンスの未来 / 立花隆(一度読んだことあり)
『日本の歴史をよみなおす』も面白かったですね。なるべく現場に赴いて第一次の情報を丹念にあたり、それで得た情報を仮説や通説にぶつけて検証してみる、という一見まだるっこい行動の大切さと醍醐味がよくわかります。

『学びなおし高校物理 挫折者のための超入門』は手こずっています。やっぱり電流や電磁気はよくわからん。しかし挫折者のための本で挫折したら、シャレにならんしなあ・・・

***

いよいよ立春、プロ野球はキャンプインです。次回のレポートは5月のGWあたりを予定していますが、そのころには藤川阪神が開幕火の玉ダッシュに成功し、セ・リーグのペナントレースをぶっちぎりで独走中のことでしょう。

いかん、“We have to invest in the world we live in, and not the world we want”やった。

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