You see -- all our people are business men, their loyalty is based on that. Now, one thing that I learned from Pop was to try to think as people around you think. Now on that basis, anything's possible.
『ゴッドファーザー part II』
年末になると家族が寝静まったとに観てしまうんですよね、映画の『ゴッドファーザー』。
さて、せんだって今年最後のブログ更新と書いたのですが、年末年始にどうしても仕事の都合上メール等をチェックしないとだめなので、帰省先のワイルドワイフの実家にパソコンを持ち込んでいます。日本以外は、とくに私のカウンターパートがいる地域は、あんまり正月は休まない所なので。
で、ヒマなのでついでにそのパソコンでブログを書いております。
先日、実家に(おそらく)独りで住んでいる年老いた母親が、銀行に勧められるがままに亡き旦那様が遺した退職金を『三菱UFJ新興国再建ファンド通貨選択シリーズ〈トルコリラコース〉』で運用し、(おそらく)かなり資金を減らしてしまったことを嘆いている内容のツイッターをみました。
これ、いろいろ考えさせられますね。
その嘆かれているご本人は、ノーロードのインデックスファンドを積み立てられていらっしゃるようです。
投資方法に関しては、各個人個人が様々な考え方をお持ちだと思います。イスラエル人2人に政治に関して意見を問うと4つの答えが返ってくるというジョークがありますが、投資家100人にベストな投資方法を問うと、おそらく1,500通りくらいの答えが返ってくるのではないでしょうか。
私自身は、インデックス投資は、2nd Bestな選択肢という位置づけです。たとえば勤めている会社での企業型拠出年金のラインアップにロクなアクティブ株式投信がなければ、仕方がなしにインデックス株式投信を選ぶといった具合です(実際そうしている)。
なぜインデックス投資が消去法的に2番目にくるかというと、やはり投資というものの本質は、自分なりにしっかり投資先(あるいはファンドの投資方針)を見極めて、そこに自身の大事な資産を投じるというところにあると考えているからです。
インデックス投資だと、いわゆるゾンビ企業へも自動的に自分の資産が投資されてしまうので、たとえそれがいかに小さな割合であっても、居心地が悪く感じます。これだとあんまり世の中に価値をもたらしていない企業の株価も上がることになりかねず、そうなると極端な話、落第の無い学校が醸し出すだらけた雰囲気みたいになってしまい、市場全体にガバナンスがきかなくなり、活力も奪われます。
私自身は資本主義化のマーケットの力=人々のもうけてやるぞというスケベ心の集合体はとても強靭で、そんじょそこらの専制君主的なシステムなんぞとても太刀打ちできないと考えているのですが、唯一そのマーケットを弱体化させうる力を持っているのが、インデックス投資的な考えだと確信しています。
あと、インデックス投資はどうしても値札だけを追っかけてしまう方法になってしまいますし。自分自身をイナゴ化することには、あんまり気が進みません。
なので積極的にインデックス投資をしたいとは考えていません。
それを踏まえたうえで・・・、それでもさすがに上記のような資産を棄損してしまうリスクが高く且つ手数料の高い商品よりは、株式指数であれ不動産価格であれ債券価格であれ、それらに連動するインデックス投信の方が、はるかにマシだと思います。なぜなら資産が50%以上も少なくなってしまう可能性は、インデックス投資であれば、かなり低いからです(もちろん無いわけではない)。
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では、世にインデックス投信をもっともっと、とくにお金を持っている比較的年齢の高い方々に広めるにはどうすればいいでしょうか。ちょっと考えてみました。
鎌倉新書の決算説明資料より |
まず本当に高齢者の方が資産を増やすような、効率的な運用を求めているのか・・・という疑問が残ります。
もちろん老後の生活費や、子や孫にのこす資産をすこしでも増やしたいという考えはあるでしょう。
でもそれが本当に彼らが望んでいるいことでしょうか。
Try to think as people around you think.
【仮説】彼らが本当に欲しているのは、「社会とのつながり」
人間は社会的な動物で、たとえ現役生活から退いたとしても、人生の最後の最後まで社会になんらかの貢献をしたい、かかわっていたいという思いを懐いている人がほとんどだと思う。なので年老いて精神的にも肉体的にも昔のように社会とかかわれないのは、やはりさみしいものではないか、と思う。ここに心のスキマができます。
When they come, they come at what you love.
『ゴッドファーザー Part III』
そう、金融機関が突いてくるのは、そのスキマです。このスキマは肉親や家族とのコミュニケーションで埋められるものではありません。第三者の、それも法人でないと難しいのです。なぜならこのスキマは自分と社会の間に空いているものだからです。
人々はそこのスキマを埋めてくれるナニモノかに承認してもらうことに価値を見出しているのであり、そのナニモノかがおススメしてくる商品の中身には、正直そんなに価値を見出していないのかもしれない。
それが正しいのであれば・・・2つの大きな難題が浮かび上がります。
- そもそも効率の良い投資方法を伝えても、対象となる人々に訴求しない
- 対象となる人々にリーチするチャネルが存在しない
Keep your friends close, but your enemies closer.『ゴッドファーザー Part II』
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