“神奈川工場に投げ込まれていたという手紙は、テーブルの上に広げられていた。ありふれたB5判の書翰箋一枚で、目を近づけると、定規で引いたらしいボールペンの手書きの文字が飛び込んできた。
『支払ウ用意ハ出来タカ。OKナラバ、5月5日付ノ『日刊スポーツ』ニ、≪恭子 許ス 父≫ト、広告ヲ出セ。レディ・ジョーカー』”
高村薫著 『レディ・ジョーカー』 新潮文庫株価でみると米国株式は ここのところ絶好調です。で、このブルームバーグの記事によると、その勢いに惹かれたのか“米株式市場には個人投資家から資金が急増している”とのことです。
それでもって同記事では“個人投資家の資金は上昇相場の終盤に押し寄せる傾向がある”とのことで・・・なーんだ、よく米国人は日本人より投資や金融リテラシーが進んでいるとか言われたりしています・・・確かに環境(情報ツールや金融商品の豊富さ)はその通りかもしれません・・・ですが、あまり個人投資家の資質や行動には国籍による優劣は無いのかもしれないですね。この記事の言うとおりだとすると、米株式市場では個人投資家が最後にジョーカーを引いてしまう傾向にあるのかもしれません。
2014年7月12日付の日本経済新聞の『日米欧 社債ラッシュ』 と題された記事によると、世界の企業の社債発行額が年間ベースで過去最高を更新するペースとのことです。主要国の金融緩和が背景にあり、“少しでも利回りを求めようと社債に資金が向かっている”状況のようで、当然金利も安くなっています。そうやって低コストで集めた資金で自社株買いを行っている企業もあるようです。これが株価上昇の一因になっているようですね。
私には、どうして借金をしたり社債を発行までして自社株買いをするのか、いまひとつしっくりきません。配当も自社株買いも、商品やサービスを提供することによって得られる利益が原資になるべきです。これはあまりにもナイーブな考えなのでしょうか?
では、ナイーブさを取り払って考えてみましょう・・・やつらがそこまでして自社株買いをするのは、自分たちの報酬が株価と連動するような形で支払われているからじゃないのか?
それってどれだけ長続きするのかい?
今後予想される金融緩和の縮小が株価にどのような影響を与えるかは、よくよく考えておいた方がいいかと思います。ただ私の場合、経験に照らし合わせてみると、来たるべき価格の下落を睨んでキャッシュポジションを積み上げていたとしても、じりじりと上昇する株価に痺れを切らして株式を購入し、その直後に株価大下落をまともにくらうという確率が高いので、もうタイミングを計るのは敢えてやめにしています。
不得意なことは、積極的に放棄です。定期的に投資を継続します。そのかわり、なるべく無理な自社株買いや配当をおこなっている会社に投資するのは避けるように注意しないといけません。
で、日本はというと、こんな記事が目に留まりました。我が国の株式市場の場合、ジョーカーを引くのはGPIFかもしれません・・・いや、あるいはGPIFがジョーカー大量発生の源になるかも・・・。いずれにせよ私は、今後日本株式市場に突発的な災いがもたらされたら、それを「ドロクバの出現」 と呼びたいと思います。なんとなく今の日本株式の状況は、1点リードでもなぜかアップアップな感じがして・・・ドロクバが出てきたら、「あっ」ちゅう間に、ひっくり返されそうな気配です。
情報開示:特になし
むかし 読んだ本(確か小室直樹氏の本だったように思う)によると、ロシアでは言うことを聞かない子供を叱るときに「そんなことをしているとモンゴル人が来るぞ」という表現があるそうです。恐るべし、チンギス・ハンですね。そのうち日本の熱心なサッカーファンの家庭では「さっさとおもちゃを片付けないとドロクバが出てくるぞ」と子供を叱る親が現れるかもしれません。ドロクバは立派なアスリートですが、あんなんが出てくるとそりゃ怖いです。
最後に・・・高村薫氏の名作『レディ・ジョーカー』はLady Jokerです。
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