2014年7月16日水曜日

-その成果は誰のため?-なぜ米国株式に投資をするか その2

"Don't tell me it's not worth tryin' for
 You can't tell me it's not worth dyin' for
 You know it's true
 Everything I do, I do it for you"
 Bryan Adams, Michael Kamen, Robert John "Mutt" Lange 『(Everything I Do) I Do It for You』
前回のエントリーで米国人はRecognition & Fairnessに秀でていて、そのため米国企業は多種多様な人種や考え方を尊重する文化があると書きました。私はそういう文化を持った組織は長期的に強いと考えています。それが米国株式に積極的に投資をする理由のひとつです。

今回はもうひとつの理由を書きます。
私は現在米系企業で働いていますが、例えば年初のキックオフ会議の、あるいは仕事の効率を上げるためのChange Management的なプロジェクトのプレゼン資料を作成する際、かならず最後のページに以下の2点を明確に記載しなければなりません。
  1. これによって具体的にどういう利益が顧客(社内外問わず)にもたらされるか
  2. これによって具体的にどういう利益が株主にもたらされるか
1.は、私も仕事をするうえでずっと意識していました。ぶっちゃげると、私が最優先に考えていたのは、どうやったら評価が上がる成果が残せるか、どうやったらさっさと家に帰れるか・・・という下世話なことなのですが、いちおう顧客や同僚の利益も意識してきたつもりです。

でも2.の株主のことまでは念頭にありませんでしたね、今の会社に入ってプレゼン資料作成するまでは・・・

てなわけで、資料作成の最後のページは頭をひねって四苦八苦しています。えーと、これをすることによりQCチームはこれだけのワークロードが減り、製品の廃棄もこれだけ減ることが見込まれ・・・となるとEBITにこれだけのポジティブなインパクトがあり・・・となると結果的に株主にこういう利益が・・・なんてのを辻褄合わせ的に考える破目になっています。

実際辻褄合わせ通りの効果があるかどうかは別として、大事なのは、私ごとき下っ端でも、ことあるごとに株主の存在を意識させられます。どんなに顧客を満足させられても、株主への利益が伴わなければ、残念ながら手落ちです。

良い悪いは置いておきます。顧客や従業員の利益重視に偏重している企業よりも、株主をしっかりと意識してくれる企業の方が、投資対象として頼もしいです。そして私の乏しい実体験から判断するに、米国企業は他国の企業と比較して株主をしっかり意識している傾向が強いと考えます。

これが米国企業に投資をする大きな理由です。

情報開示:とくになし

ここで書いたように、ときおり経営陣(リーマンブラザーズの場合は大多数の従業員)の報酬が株式、もしくは株価と連動するような かたちで支払われているので、これはこれで問題がありますね。



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