なるほど、図表にして全体像を把握すると、そこからストーリーを紡ぎやすくなるかもしれません。まあ、そりゃそうですね。私みたいな素人がこんなの(↓)見ても、とってもDry & Sandyで、なかなかこれから何かを絞り出すのは困難です。
PMのBSの一部、Yahoo! Financeより |
BS自体の規模が15%増えています(注意:PLとBSでは図の軸の最大値が異なっています。PMのRevenueはでっかいですねー)。BSは大きくなりゃいいってもんじゃないはず・・・。図にしてみると何が増えたか一目瞭然ですね。長期負債が36%増です。
結果的に債務超過(という表現は正しいのでしょうか? 『経営の大局をつかむ会計』には、熊谷組の2003年3月末のBS図があり、そこには累積欠損金とありますが・・・)が、えーと、前年比3.6倍・・・バランスしてへんやんけ。
何故、利益が出ているのに長期負債を増やす必要があるのか・・・というのは以前にも書いた通り、株主の期待に応えるための自社株買い・増配当の原資を得るためなのでは・・・と考えます。再度キャッシュフローを持ち出してきますが、
2012年に9.15B稼いで(PL・BSと単位が違っていて恐縮です)、自社株買いに6.53B、配当に5.4B使っています。2013年には8.85B稼いで、自社株買いに5.96B、配当に5.72Bです。増配なんぞやっている場合じゃないのではないか?
私の素人的な考えで単純に財務諸表を眺めて判断すると、PMに投資することはチラっとも浮かばないです。またこちらでも書いた通り、市場の逆風は強いです。それでもPMは連続増配等株式に投資をする人たちに、国内外問わず根強い人気があります。なぜでしょう?
- 新興国でタバコの需要がどんどん増加すると見込んでいるから
- 私の財務諸表の見方が浅はかで、実はまったく心配するようなレベルではない(私もPMが潰れるとかは思っていません。私の懸念点はあくまで今後も増配を続けるか否か)
- ジェレミー・シーゲル氏が『株式投資の未来』でPMを大きく取り上げているから
個人的には投資云々は別として、今後のPMのBSの行く末に興味が出てきました。またマニアックな趣味が増えたかな。履歴書に趣味:PMの財務諸表を見ること・・・とか書いたら、どうだろう、知的に思われたりは・・・しないな。
情報開示:とくになし
通りすがりの者ですいません。
返信削除営業CFの数値が純利益になっていませんか?
PMの2013年の営業CFは10.13B(2012年は9.42B)です。そのうち自社株買で5.96B、配当に5.72Bの支払いのため、概ね営業CFの範囲での資金繰りになっていると思います。
自社株買いを頻繁に行っている背景には、昨今の低金利が影響しており株主へ配当を支払いするより、借入金利を支払う方がお得なためではないでしょうか?今後金利が上がっていくにつれて自社株買いの規模は縮小していくと思われます。
参考
http://www.morningstar.co.jp/frstock_us/achievement.html?symbol=PM
コメントありがとうございます。
返信削除なるほど、自社株買いと配当の割合はマネジメントの腕の見せ所かもしれないですね。8/1のエントリでPMとMOを比較しましたが、PMもMOのように自社株買いの比率を下げると、全然減配の心配はないかもしれませんね。
上記のCash Flowの数字は、Annual Report 2013 P44から抜粋しました。Net earningが8.85Bで、Net cash provided by operating activitiesが10.135Bですね。このエントリを書いた時点ではNet earningの数字を使っていましたが、今後は改めたいと思います。正直、私は未だCash provided by operating activitiesの項目をよく理解してなくのですが・・・まあ、おいおい勉強していきたいと思います。
今後もよろしくお願いします。