2014年6月11日水曜日

大地を踏みしめ、地平線の彼方へ- DE(ディアー)の分析

Rain on the scarecrow Blood on the plow
This land fed a nation This land made me proud
『Rain on the Scarecrow』 written by John Mellencamp, George M. Green (以下茶色の文章は全て同じ歌から引用)
先日レビューしたGISの主力商品の一つに シリアルがありますが、そのシリアルは穀物からできています。そして米国は、その広大な土地の約20%が耕作地という農業大国でもあります。

I grew up my daddy did My granpa cleared this land
When I was five I walked the fence while granpa held my hand 

株式投資なんてやっていると、ついついウォール街やシリコンバレーしか思い浮かばなくなりますけどね、かの国は基本的にうんざりするぐらいの田舎なのです。今回はその農業に必要なEquipmentを製造・販売するディアー(DE)を調べてみます。

Scarecrow on a wooden cross Blackbird in the barn
Four hundred empty acres that used to be my farm 

DEは1873年創業でイリノイ州が本拠地です。現在10年連続増配当中です。創業者のジョン・ディアー氏は鋼製鋤を発明して、土が鋤にくっつかないようにし、中西部での農耕を容易にしたとのことで、彼の名がDEの製品のブランドになっています。

Rain on the scarecrow Blood on the plow
Rain on the scarecrow Blood on the plow

Agriculture & Turf (A&T)、Construction & Forestry(C&F)、Financial Serviceの3つの分野に分かれていて、それらの割合を2013年度のOperating Profitに基づいて出すと以下の通りになります。
そのスローガンは"Feet on the Ground, Eyes on the Horizon"で、これまたかっこいいですね。地に足の着いた品質・サービスを提供し、地平線の向こうまでマーケットを拡げるぞ、ということらしいです。事実Operation profitの約20%が米国・カナダ以外で、中国やロシア、インドで工場・施設を持っており、ブラジルでは日立とジョイントベンチャーを立ち上げたようです。新興国の発展や、米国の景気回復による建設需要の増大も追い風のようです。

さて、取り扱っている製品は、
  • A&T:トラクター、芝刈り機、種まき機、刈取り機、耕運機等
  • C&F:ダンプカー、ショベルカー、ブルドーザー等
HPで見た限り、日本的な感覚でいくと、すべて”巨大な”という形容詞がつきますね。

Rain on the scarecrow Blood on the plow
This land fed a nation This land made me proud
And son I'm just sorry there's no legacy for you now

それで3番目のセグメントのFinancial Serviceですが、どうも上記のEquipmentを購入するお客さんに対し、融資(ローン)を提供している模様です。つまりトヨタの金融事業(自動車ローン)とかと 同じですね。ふーむ、Farmerさんたちに金貸しして儲けているんですね・・・で、支払えなくなった小規模農家が、どんどん大規模農家(企業)に吸収されていったわけか・・・

The crops we grew last summer weren't enough to pay the loans
Couldn't buy the seed to plant this spring and the Farmers Bank foreclosed

キャッシュフローを見てみます。(以下グラフのソースはモーニングスターのサイト

Capital Spendingが多いですね。"Eyes on the Horizon"ってことで、どんどん設備投資を行っているようです。バランスシートも年々大きくなっています。なので一株当たりの指標を見ても、

なんか地に足ついていないような結果になります。ビジネスの特性なのかな。CAT(キャタピラー)はもっと極端です。フリーキャッシュフロー(FCF)に対するPayout Ratioは高いですね。実際のところ12年はFCFがマイナスなので測定不可能な状態です。

When you take away a man's dignity he can't work his fields and cows

Operating marginとROEを競合他社と比較しました。KUBTYはクボタです。


DEがほかの2社より良いのは、金貸しをやっているからなのか・・・?ほかの2社がやっているかいないのかは知らないけど。

I think about my granpa and my neighbors and my name
And some nights I feel like dyin' Like that scarecrow in the rain

長い目で見るとDEは、今後も世界経済の発展や人口増の恩恵を受けそうです。ただ多額のCapital Spendingが必要だし、どちかというと安定的な増配狙いというのではなく、キャピタルゲインを狙っていく銘柄のように見受けられます。今後も増配当を繰り返すかを注視し、なおかつ株価が落ちてきているときがあれば獲得するのもいいかもしれません。

それまでは忍耐強く謳いつづけよう。

Rain on the scarecrow Blood on the plow
Rain on the scarecrow Blood on the plow

情報開示:とくになし

Scarecrow Moon
by JohnCarlinPhotography

TPPのフロマン代表の背後には、"Rain on the Scarecrow"に出てくる人たちがいます。このビデオは約 30年前のものですが、髪型以外基本なにも変わっていないんじゃないですかね。フロマン氏が交渉前にこの曲を聴いてアドレナリン出してたらおっかないなあ。甘利氏にも、なにかいい対抗曲はないですかね。さぶちゃんの『北の漁場』は・・・ありゃ、漁師だしなあ。






Appendix

BS

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