来るべき(もはや到来済み)日本での少子高齢・多死社会を見据え、一見ネガティブに見えるその潮流を逆手にとって資産を築くことを目論んいる『いざ・波』ファンド。
令和三年九月の結果を確認します。なお『いざ・波』の名前の由来はこちら。
今年の『いざ・波』はさっぱりですね。あくまで株価的には・・・ですが。仕方がない、こんな時もあるよ。
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すっかり秋めいてきました。家族が寝静まった後の、夜のベランダでの読書が快適です。読書のお供はスコッチウイスキー。なんとなく私の中では、春から初夏にかけてはバーボン、秋はスコッチというのが定番です。
スコッチのスモーキーさが秋って感じなんですわな。バランタインはあんまりスモーキーではないけど。やはりジョニーウォーカーの黒がいい。
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What is a cynic? A man who knows the price of everything and the value of nothing.
皮肉とは何かって? 価格のことだけは知り尽くしているが、ものごとの価値に関しては、さっぱり理解していないやつのことさ。
オスカー・ワイルド『藤巻健史の5年後にお金持ちになる「資産運用」』を皮切りに、洋の東西を問わず(といっても、ほとんどが日本と米国)数々の投資関連の本を読んできましたが、最近は企業が生み出す価値にフォーカスした本が散見されるようになりました。長い目で見ると、個々の企業の株価は、企業が生み出す価値の増減に収れんされていくものなので、永きにわたって価値を生み出し続け、なおかつその生み出される価値が年を追うごとに増大し続けるような企業の株式に投資して、パーシャルオーナーとしてその価値を享受し続けよう、と指南する本です。
個人向けの株式投資の指南書として限ってみると、こういう本は海外のものではあまり見かけない気がするが、どうだろう。
個人的には以下の2冊が印象的です。
京都大学の経営学講義の方は、第6章と第7章に限ると個人向けの株式投資の指南書といえます。柳下氏の本は最近一読目を終えたばかりです。
さて「価値」を以下の3つの見地でいくと、
- その企業が人々に提供している価値は、本当のところは何なのか(What)
- なぜその企業から価値が生み出されているか(Why)
- どのようにして価値を評価するか(How)
京都大学の経営講義にはWhatとWhyが明確に、柳下氏の本にはHowとWhyが詳細に書かれているという感想を持っています。あくまで一読した感想ではありますが。
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乱暴な言い方をすると、価値を生み出さない企業に存在意義はない。そのような企業が生き延びるためにすることといえば、えてして一般的にブラックと言われてしまうような行動です。例を挙げると、従業員や取引業者にしわ寄せがくるような安売り勝負をしています。そういえばバブル崩壊直後のころは、やたらと価格破壊という言葉が飛び交っていましたね。
残念ながら日本ではそれらの企業が淘汰されにくい土壌があるので(上記の京都大学の経営講義の本の第7章にその一端が書かれています)、価値を生み続ける企業もその安売りに引っ張られてしまう傾向があり、結果、日本は長期的にデフレが続き、人々も疲弊しているように見受けられます。
であるならば・・・
企業が創造する価値を見極めながら能動的に投資先を選別するという行為は、それ自体が価値を創造していると言えるかもしれません。結果的に間違うことも多々あるでしょうが、良い企業に的を絞って投資していくというマインドセットを保つことと、自身のお金の使い方に責任を持つというスタンスが、日本の株式市場だけでなく、社会全体の健全化につながるのではないでしょうか。
価値を創造する投資家になりましょう。
ちなみに短期的な投資家(投機家)は、市場に流動性を与えるという意味では価値を創造していると言えるかもしれないですね。
インデックス投資は・・・えー、あー・・・まあ、その、なんだ・・・
信託報酬がやっすいぞおおおおおおお! イエーイ!!!!!!
大きな声で宣伝しておきましたぞ。おれってナイスガイだろ。けっしてデフレに加担しているのでは・・・などとは言いません。
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しかし夜更けに価値創造に関する本を読むのは危険な行為でもある。なんとなれば・・・
果たして私自身はどのような価値を創造しているだろうか
家族に対して・・・
社会に対して・・・
歴史に対して・・・
という人生の深淵をのぞき込むような、ふかーいお題目が頭にちらついてしまうのです。
こうなってしまうと、ついつい側にあるスコッチのボトルに手が伸び続けてしまいます。いけませんね、これではアル中まっしぐらです。
頭がすっきりしている、さわやかな朝に読むほうがいいでしょう。
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