2021年9月15日水曜日

3つの作戦のリバランス 

前回の四半期レポート(『投資家K.の四半期レポート 2021 Q2』)で書いていましたが、3つの作戦(参考記事令和の改新、最終章 -作戦術の導入ー』)のうち作戦Jupiterの比率が弱くなっていたので、作戦Plutoから資金をアロケートすることにしました。

リロ・グループ(8876)を全放出し、マキタ(6586)を新規で獲得、クボタ(6326)を追加で獲得しました。

また作戦Mars内でキンボール・インターナショナル(KBAL)を放出し、フロア&デコア(FND)を追加獲得しています。

8876は結局3,148日、約8.6年保有しました。最初に100株を約337,000円で獲得し、そのあと株式分割があり最大1,000株まで増え、途中300株を放出、そしてこのたび残りの700株を手放しました。見切りをつけたというよりは、ポートフォリオ内の3つの作戦のリバランスのためというのが理由です。

6586と6326は日本企業ではありますが、作戦Jupiterのメンバーです。なにせ前者の海外の売り上げ比率は79.6%、後者のそれは72.5%です。

6586の会社案内2020より

6586を投資対象として意識し始めたのは、約5年前の欧州出張時ですね。『為替に対する考察 -欧州にてー』を書いたときあたりです。


宿泊したホテルの近所を散策していた時に、点在する小屋の中を何気に覗いてみると、高い頻度で目にしたのがMakitaという文字でした。さもありなん、同社の会社案内をみると、売り上げの44%が欧州です。

さすがに物置小屋の中の撮影はしなかったな。異国の地でもっとも避けたいのは、不審者として通報されることなので・・・

もちろん米国市場でも存在感があるらしく、トラクター・サプライ(TSCO)の最新のプレゼンテーションにも映り込んでいます。

TSCOのプレゼンテーションより、黄色のハイライトはK.による

6586は2020年の市場シェアでは世界第5位の、創業105年の電動工具メーカーです(参考『電動工具業界の世界市場シェアの分析』)。

獲得の狙いは、

  • 世界的なミドルクラスの増加
  • コロナによって促進された、居住スタイルの多様化
  • 温暖化による世界のヤブ化(これはまあ半分ジョークではあるが…)

上記の潮流を背景にしています。これにより6586が扱う建設・建築・園芸用の器具・機器の需要は今後も強いものがあると考えます。そのなかで、同社がその技術力を生かして推し進めている「充電製品メーカー」への進化がうまくいけば、環境問題に敏感なこのご時勢において非常に面白いポジションを築き上げることができるのでは・・・と考えています。

長い間獲得の候補ではあったのですが、最近読んだスパークス・アセット・マネジメントのNoteの『コロナ禍の今何が起き、今後何が起こる?投資家として考える、「日本株のメガトレンド」の記事を読んで、わたくしなりにスパークしてしまったのが後押しとなり、今回の動きになりました。

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ちなみに経営効率の指標の推移をみてみます。数値の元ネタはモーニングスター


ROICだけピックアップして競合他社のスタンレー・ブラック&デッカー(SWK)とリョービ(5851)を比較します。


世界No1のSWKに劣っておりません。ちなみにSWKはまだ連続増配中なのだろうか(懐かしの記事『スタンレー・ブラック&デッカー(SWK)のレビュー』)。

ついでに営業利益率はというと・・・

こちらもSWKに負けておりません。というか上回っております。

あとは今後のビジネスの推移をみて、もうすこし果敢なキャピタルアロケーションがみられるようであれば、さらにポジションを増やしていきたいところではありますね。

情報開示:この記事を書いている時点で6586x200株、6326x400株、FND80株、TSCO207株保有

それにしても私はDIYは苦手で、中学の時の技術はろくでもない成績だったし、自転車のパンク修理もままならずなのですが、保有している株式はトラクターサプライにザ・トロ・カンパニーにフロア&デコア、それからマキタにクボタときたもんだ。人は自分に無いものをポートフォリオに求めてしまうものなのかもしれない。

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