2021年2月21日日曜日

となりのト、トロ その2 - ザ・トロ・カンパニー(TTC)の2020年度 -

 I love the smell of cut grass.

映画『The Last Movie Star

オペレーション・マース(参考記事令和の改新 その4 - 巨鯨現る -』と令和の改新、最終章 -作戦術の導入ー)の一環で獲得し、米国での今後の住宅需要増(とくに戸建て)並びに水や都市化(5G)へのニーズを意識して獲得したザ・トロ・カンパニー(TTC)の2020年度をレビューします。



T
TCは、芝の手入れをする機器、芝生・農業の灌漑システム、照明を含む造園の器具、除雪機、地下工事用の機械(underground construction equipment)を扱っている、デラウェア州に本社がある米国企業です。

The 3rd Man's  Fundでは、2019年6月に獲得している比較的保有歴が浅いメンバーです。


TTCの株価推移(月単位)、矢印が獲得のタイミング


ではRevenueとOperating Marginの推移を見てみます。


数値はモーニングスターより

2020年度にはVenture Products, Inc.を買収しています。オハイオにある会社で、同社が提供するVentrac Productsは見事にTTCと被っていますね。

トップラインは前年比7.7%増加です。

Segment別の過去3年間の推移は見てみましょう。まずはProfessionalです。(以下数値のソースはアニュアルレポート)。


Net Salesは対前年比3.3%増。この増加は主にCharles Machine Works(CMW)とVenture productsの買収からきています。ただしコロナ禍による逆風が強かったようです。しかたがありませんね、この状況下でゴルフの需要とかは落ちるのが当然と思われます。

ただしEarningは12%増。これはCMWの買収のインパクトが低減したのと、買収のシナジー効果の表れとのことです。

次にResidential。



Net Salesは対前年比24.1%増‼

要因としては、コロナ禍によるステイホーム効果が挙げられます。つまりおウチで過ごす時間が増えると、庭の芝生の状態が気になるんでしょうな。あとは推測なのですが、在宅勤務をしていると、仕事がひと段落したときに気晴らしを兼ねて芝刈りをしたりする人が多いのかもしれない。オレだったらやるね。現在私が住んでいるのはマンションで、手入れすべき庭がないので、囚人筋トレとランニングとかをしてますけど。

あともうひとつ特筆すべきなのは、トラクター・サプライ(TSCO)の店舗で、TTC製品の取扱が始まったそうです。またホーム・ディーポ(HD)のインドア・ガーデン部門のThe Supplier Partner of the Yearに選ばれたとのことで・・・The 3rd Man's  Fundのメンバーどうしで仲良くやっておりますね。いいことです。

共倒れのリスクもあるが・・・

Earningは74.5%増。アニュアルレポートには生産性向上とシナジー効果としか書いていないのですが、今後のトレンドを注視ですね。

【今後の展望】

正直TTCを獲得したのは、令和の改新 その4 - 巨鯨現る -』で書いた米国での戸建て住宅需要増という(私自身が確信している・・・に過ぎないが)トレンドにうまく歩調を合わせられるだろうという漠とした考えに基づいていました。正直競合も多そうだし、米国でのシェアがどれくらいかもわからないし、ブランド力もマルボロやクロロックス(CLX)のような強さがあるかどうかも把握していません(たぶん無いのでは)。

しかしここのところの買収をみていると、もしかしたら生活必需品におけるクロロックスやChurch & Dwightのように、土方・農業まわりのニッチなところを、今後の社会や産業の在り方(5Gや水回り) をうまく取り込みながら押さえていって、業界内のユニークな立ち位置を有する企業になれるのではと考えるようになりました。

さらにはコロナ禍による人々の居住空間への意識も変わってきていますし、コロナ後のProfessionalセグメントの需要復活も期待できます。まったくの憶測なのですが、ディア(DE)が米国で構築しているディーラー網と同じくらい質的に強いディーラー網をプロ周りに築いているのでは、と数値の推移から考えます。

個人的には、DEとクボタを獲得しそこなったうっぷんを解消する株式としての役割もあります。実は両企業とも昨年の春先の株価急落時に獲得候補として検討したんだよなあ。なんでオレはステップ(9795)に走ったのか、ワケがわからん。いえ、9795そのものは素晴らしい企業なのですけど。

その後ディアの株価はシカのごとく飛び跳ねており・・・

おまけにNVICさんの今月の月次レポートはディアにクボタ・・・いやがらせか。

そんな個人的な愚痴はさておき、TTCは現時点で手放す理由はちっともありません。今後もOperating Marginの推移を楽しみを持って見守りたいですね。


情報開示:この記事を書いている時点でTTC94株、HD17株、TSCO207株、CLX207株、9795x900株保有 

このブログでのTTCの記事はコチラ

APPENDIX




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