2020年12月11日金曜日

ポートフォリオのフライボール革命 ー 酒と株の日々 ー

 ポール・デポデスタがビリー・ビーンに請われてフロント入りしたのは一九九九年のシーズン前だったが、彼はそれよりだいぶ以前から、勝利の要因を研究していた。ハーバードを卒業してまもない一九九〇年代なかば、二〇世紀のあらゆる球団のさまざまなデータを数式に当てはめて、勝率と関係が深いデータはどれなのかをさぐった。重要なデータはふたつしかないことが判明した。どちらも攻撃面のデータ。出塁率と長打率だ。ほかの数値はすべて、きわめて重要性が薄い。

マイケル・ルイス 『マネー・ボール〔完全版〕』 中山宥・訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫

The 3rd Man's  Fundのポートフォリオに少し大きめの変更を加えました。コカ・コーラ(KO)とインターナショナル・フレーバー&フレグランス(IFF)を全放出し、かわりにクロロックス(CLX)を追加で獲得、さらには新規でプロッグ・ホールディング(PRG)を獲得しました。


少し以前からこの構想は練っていたのですが、今回の再編成の大きな狙いは3つの作戦(参考記事『令和の改新、最終章 -作戦術の導入ー』)のうちのOperation Marsの比率を高めるためとなります。

令和の改新 その4 - 巨鯨現る -』で書いたように、むこう10年を見据えると、米国での住宅関連のモノやサービスに対する需要は力強いものがあると考えているため、今のうちに戦力をそちら方面に展開したいのです。

CLXは、8月に少しばかり放出していましたが、最近株価が下がってきたので追加しました。ここは漂白剤を中心にホーム・クリーニング関連の日用品を扱っており、人々の衛生面に対する意識はコロナ禍後でも強くなっていくだろうと思うので、今後も機会があれば、獲得していきます。

PRGはアーロンズ(AAN)からスピンアウトするのを待っての獲得となりました。家具を中心としたリース会社です。AANはブリック&モルタル型のサービスを中心に展開しているのに対し、PRGはオンラインで行っています。

米国の若い世代の人口増はあるものの、AIやロボットの進化を受けて、今後はこれまでのように給料が伸びていかないだろうとも考えています。しかしそんな彼らも家(持ち家であれ、借家であれ)は必要で、そうなったらやはり家具は揃えなければなりません。

AANのアニュアルレポート等で、AANの過去数年間の成長のほとんどはPRGの事業がけん引してきたことはざっくりと把握していますが、今後はPRGが出すレポートで同社に対する理解を深めていきたいと考えています。・・・言い換えると完全なる青田買いですね。もうここは出塁率ではなく一発長打を期待しています。

株価はいきなり豪快に空振りしていますが・・・、ま、じっくりとつきあっていきましょう。オレは阪神(阪急)タイガースのお偉方とは違って長期目線なのさ。

このブログを書き始める前から保有していた古参のKOですが、とうとうポジション0となりました。3,384日間保有しましたね。ただIFFもそうなのですが、本音ベースの理由を言うと・・・アニュアルレポートがつまんないので読む気がしない。いまやっている構成企業の変更は、発行されるアニュアルレポートを読んでみたいか否か、が大きな判断基準になりつつあります。

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10月に東北に旅行に行った際に『鹿角』の大吟醸を飲んでから、すっかり日本酒党になってしまいました。最近は秋田のお酒と、今住んでいる地元の神奈川・東京近辺のお酒をいろいろ飲んでいます。

先日、近所の酒屋さんでお酒を物色していたら、茅ケ崎の熊澤酒造の『天青』朝しぼりの申込しませんかと売り込まれてしまった。なにやら朝しぼったお酒をトラックで昼頃にお店に運んでくるらしく、そのしぼりたての酒というのは普段なかなか味わえないらしい。

即座に申し込んだぜ。株とちがって酒に関しては決断が速い。

で、店から届いた旨の連絡があったので、さっそく持ち帰って飲みました。うーん、とてもフルーティーで、舌先がシュワシュワっとして、もうフレッシュの一言ですな。お店に人によると、日ごとに味が変わっていくとのことなので、これからその変化をゆっくりと愉しむことにする。

こういうのは地元ならではですね。

こんにちの日本では株式投資における国境は無くなりつつあるのですが、強いて挙げると日本の株式は入ってくる情報の鮮度がいいですね。これも地元ならではですので、これを活かしていかないと勿体ない。

ちなみに日本と海外のお酒を比べると、海外のものは熟成の期間が長いですね。ウイスキーだと8年とか12年とか。日本は酒だけでなく、食べ物も旬なものが好まれ、初物とかが喜ばれます。

なにせ列島は四季折々の食材に恵まれておりますからなあ。

そういう初物・旬なものを追い求める日本人的気質は、異常なまでのボジョレー・ヌーヴォー騒ぎ(あれ、ありがたがっているのは日本人だけっぽい)や、株式投資の手法にも表れているのかもしれませんね。

てなわけで湘南三点セット。天青に小田原の蒲鉾、それからステップ(9795)の株主総会招集通知。


ついでに、酒と読書。このあたりの本は、やはり日本酒があいますね。


地元枠を離れると、これまでのところ六舟が一番うまい。ちなみにいま宮本常一さんの『忘れられた日本人』を読んでいるのですが、これむっちゃ面白いですよ。

ル・カレさんとなりますと・・・


スコッチ以外、考えられません。

マーロウさんのお供は・・・


やはりバーボンですね。

このほかにも高村薫の『神の火』には紹興酒、初期の頃の村上春樹やロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズにはビール等々、酒と本の幸せなマリアージュは多々あります。

しかし、お酒が飲みたくなってしまう小説No.1はギャビン・ライアルの『深夜プラス1』だと思うのですが・・・あれは舞台が舞台なだけにブランデーなんだよな。

ブランデーは飲んだことがない。うまいのかな、あれ。

情報開示:この記事を書いている時点でCLX87株、RPG254株、9795x900株保有

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