2019年4月20日土曜日

平成最後の春の近況を、徒然なるままに

 ある日ジャーナリストである友人夫妻がこの鎌倉山の家に遊びに来た。夕食前にぼくの家のさらに上にある空き地まで散歩した。この空き地からの展望は素晴らしく、ぼくも時々この空き地まで歩き、七里ヶ浜の水平線に浮かぶ伊豆半島を眺めたりしていた。この日もくっきりと見えていた。「こんなところに家があったらね」
 友人の夫人が言った。
安西水丸 『a day in the life』 風土社
最近まで2LDKの賃貸マンションに住んでいました。しかし昨年の夏に2人目の子供が誕生して4人家族になり、さすがに手狭に感じたので、3LDKの新築マンションを購入しました。引っ越しも終え、ようやく落ち着いてきたところです。

不動産に関しては、ときおり賃貸vs.持ち家のどっちが得か、なんて論争をやっているのを目にします。


それは私にとって、趣味として観るスポーツは野球のほうが得か、はたまたサッカーのほうが得か、ということを論じあっているくらい滑稽なこととしか思えません。居酒屋で気心の知れた友人とやりあうぶんには楽しいかもしれませんけど。


懐が許す限りですが、住みたいところの気に入った住居に住みたい人と暮らせばいいだけの話じゃありませんか。なんでわざわざ損得勘定の土俵に上げるんだい?


とは言っても私は、『a day in the life 』(名著です、読むと人生がほんのちょっぴり豊かになります)の著者の安西氏や、その友人のジャーナリストの夫妻ほど、ここに住みたいという土地や建物の理想像や、ここしかないと確信する場所との邂逅はありませんでした。


よって物件を探すときは、賃貸・分譲(新築・中古問わず)マンション、はたまた一軒家(これまた新築・中古問わない)にこだわらず、以下の事柄を留意しながら、ゆるく探しました。



  1. 山手線の主要ターミナル駅から電車(各駅停車)で30分以内が最寄り駅
  2. 最寄駅からフラットな道を徒歩10分以内
  3. 最寄駅から自宅まで辿る際に、幹線道路を横切らない
  4. 自宅から徒歩10分圏内に、商店街・公共施設・病院等々がある
  5. 商店街は、昔からの土着のものが望ましい。そして個人経営の商店・飲食店で多く構成されていれば猶のことよい
  6. マンションの場合は5F以下

1.2.3.4.は、日本の株式投資の狙いと同じで、人口動態とそれが巻き起こすであろう問題を見据えて、いざというときになるべくスムースに撤退できるように、との考えから重要視しました。

これから少子高齢化・人口減、それに付け加えて国や地方の財政難がますます加速します。体力・気力・財力が現在より確実に衰える人々がマジョリティーを占める未来が近づいています。

交通機関や商業施設からの距離を過小評価して住む場所を決めると、「遠すぎた橋」もしくはガダルカナル島を目指すことになる、と考えました。

あとひとつ、不動産における距離というのはなにも水平方向だけではなく、垂直方向にもあります。いざマンションの高層階に上ったはいいものの、2‐30年後に無事降りてこれるかどうか、というのも軽視すべきではないと思いますね。これ、未来の日本で大きな社会的問題になってなければいいのですが。

5.は、やはり子育てをするにあたり、多様性というのは大事だと考えて重要ポイントとして挙げました。世の中いろんな人々がいて、いろんな職業があることを目の当たりにしながら成長していくほうが子供たちにとっていいのでは、と考えています。

しんねりむっつりのニュータウン的な住宅街の雰囲気や、いかにも快適に作りました的なピカピカのプラスティッキーなショッピングエリアが個人的に好きになれない、というのもありますが。

あと、むりやり作り上げた街というのは、廃れるときは一気に廃れるし。

6.はね、やはり窓を開けて、春の匂いや晩夏の虫の音、秋の透き通る空気を楽しもうと考えたときに、5Fくらいが限度かなと思ったので。せっかく四季が楽しめる国に住んでいるのに、窓を閉め切ってビバルディの『四季』を聴いても、そりゃ本末転倒やで。

これらを念頭におきながら物件を探した結果、結局これまで住んでいたところから1KMほどしか離れていないところに建った新築の分譲マンションを購入することになりました。

物件探しで痛感したのは、やはりですね、日本はまだまだファミリー向けの賃貸市場は貧相ですな。なんとかならんもんですかね。自然災害が多い島国であるがゆえに永らく住居はスクラップ&ビルドが基本だったから、仕方がないのかもしれません。

で、新たな住まいは上記の1~5を満たしてます。徒歩5分以内に安い地元のスーパーと、すでに馴染みの旨いお店がイタリアンからお寿司まで、インド料理からホルモン焼きまでなんでもござれ、たーくさんあり、余は満足じゃ。

6は、最上階を希望するワイルドワイフと交渉の結果、間をとって7Fの角部屋になりました。なんとかぎりぎり許容範囲だな。

さらには、マンションのすぐそばに公園があります。こころおきなくぶら下がることのできる鉄棒や雲梯が身近にあることがどれほどありがたいことかは、師ポール・ウェイドに弟子入りした人々ならわかってもらえることでしょう。

***

話のついでに、昨年の6月から開始したプリゾナートレーニングの進捗はというと、

ザ・プッシュアップ:STEP 3のニーリング・プッシュ・アップの中級

ザ・スクワット:STEP 5のフル・スクワットの中級
ザ・プルアップ:STEP 2のホリゾンタル・プルを、胸あたりの高さの鉄棒を利用し、20x3セットで涙目状態
ザ・レッグレイズ:STEP 2のフラット・ニー・レイズの中級

という状態です。あせらず丁寧にズルをせず、を心がけています。だいたい各パート、週一回のペース。でも自重力トレーニングだけで随分筋肉がつきました。驚きです。


20台のころはフィットネスクラブでプロテイン片手にウェイト・トレーニングやってたりしましたが・・・絶対に自重のほうが充実感がいいです。腕立て伏せをバカにしていた若かりし頃の自分が恥ずかしい。筋肉だけでなく体の機能が高まっていて、確実にボディが再組成されているのを感じます。


まさしく、KILL THE GIMですな。これからも自分の体がどう変化するか、年甲斐もなくワクワクしています。いや、まじで。


***


さて新居に話を戻すと、ワイルドワイフが設計図片手にいろんな業者にあたった結果、不動産会社お抱え業者のものより約半分の価格で希望のオプション家具の設置ができました。でかしたぞ。


彼女には念願の据え付けの食器棚にエコカラット(おれ、よく知らんぞ、なんだこれ)等々。私には据え付けの本棚だ!


ワイルドワイフの実力がいかんなく発揮されました。おれはナイスガイなので値段交渉とかできないのである。


逆に言えば、彼女が株式投資をやった日にゃ、為替と株の値動きのニュースのたびに地獄のふたを持ち上げた騒ぎになってしまうので、私の心の平安のため、彼女を投資と名の付くものからは遠ざけています。


てなわけで、ローンを背負う羽目になってしましました。住宅減税を利用し10年間はタダで融資を受け、10年後に一気に繰り上げ返済をしてしまおうと目論んでいます。


ますますもってキャピタル・アロケーションが重要になってきましたなあ。


情報開示:特になし

参考図書

   

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