2018年5月11日金曜日

A.O.スミス(AOS)の2017年度

三十年以上も前にエドワード・グレイ(第一次世界大戦中のイギリス外相)が私に言った言葉を、私は思い出した。合衆国は「巨大なボイラーのようである。いったんその下に点火すると、生み出す力には際限がない」という言葉だった。感激と興奮とに満たされ、満足して私は床につき、救われた気持ちで感謝しながら眠りについた。
W・S・チャーチル『第二次世界大戦3』佐藤亮一・訳 河合文庫
日本の真珠湾奇襲攻撃の一報に接したチャーチルが、米国の参戦確定による連合軍の勝利を確信したシーンです。彼の安眠は、戦艦プリンス・オブ・ウェールズの撃沈や、シンガポール陥落等で、たびたび妨げられることになりますが。

その巨大なボイラーこと合衆国でのボイラー市場でトップのシェアを誇る、A.O.スミスの2017年度を確認してみます。AOSは2017年7月に獲得し、The 3rd Man's  Fundのコア八銘柄になっています。

Yahoo! Financeのチャート、赤丸が大まかな獲得のタイミング

まずはRevenueとOperating incomeの推移。


数値のソースはモーニングスターのサイト

過去2年の買収で、北米でのWater treatment (浄水器)マーケットに参入しています。住居・オフィス・レストラン・ホテル等々に供給され、需要の多くは消耗品であるフィルター交換なのだそうです。ちゃりん・ちゃりーん。

2017年度のSalesは前年比11.6%増です。

セグメントは、北米とその他地域に分かれています。いかにもアメリカンですね。Revenueの比率は2017年度では前者が64%、後者が36%となっています。

北米でのSalesは前年比で9.3%の伸びです。その理由は温水器やボイラーのVolumeの伸びに加え、原材料であるスチールコスト上昇を受けての値上げも寄与しているようです。ちゃんとコスト上昇をカバーできていますね。家を建ててもお湯が出なけりゃ、やっていけませんからね。ただOperating marginの伸びが鈍化しているのからもわかるように、コスト上昇を完璧には吸収できなかったようです。

あと温水器に関しては2018年に規制が変更になるとかで、そのまえの駆け込み需要があったようです。

浄水器のみでなく、そのほかの製品も北米での需要の多くはReplacementです。


Spring 2018 Analyst Presentationより
ちゃりん・ちゃりーん。サブプライムを発端とする金融危機以降、New Constructionの割合は少ないですが、米国の住宅在庫はひっ迫しているし、同国の人口動態からかんがみても今後ここの需要は増えるのではと考えています。

その他地域でのSalesは前年比で15.6%の伸びです。中国だけに絞ると、為替の影響を除いた場合は17.9%の伸び。すごいですね。どうやらけん引しているのは、浄水器と空気清浄機のようです。中国でも健康志向の高まりがあるようですね。

財務3表(数値のソースは10Kレポートより、P/Lは多少つじつま合わせをしています) 






純利益の利回りは9%。

今後AOSに対するエクスポージャーを高くしていきたいと考えています。ひとつだけ問題なのは、株価がAOSの中国でのビジネス伸長期待を織り込みすぎている感があるところですかね。

その中国、いままで上海2回、香港2回の計4回(うち3回が出張)訪れたことがあるのですが、最後に訪問したのはもう10年以上前です。中国に関する情報を収集しようと思ったら書籍に頼るしかないのですが、本屋さんの棚を赤く染めている本はパッと見ただけでロクでもなさそうなものばかりでね…。

最近ようやくまともな本を見つけたので、せっせとお勉強に勤しんでいます。

情報開示:この記事を書いている時点でAOS40株保有


Appendix:


10Kより
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