I've come to talk with you again
『The Sound of Silence』 作詞・作曲 Paul Simon
ふたたび欧州です。
今回はアルプスの山々の麓にある美しい湖を見下ろすホテル(というか山荘というか)に缶詰でした。
ホテルと湖は徒歩約10分程度です。その湖の手前にちいさなVillageがあります。
ホテルの会議室で朝8時から午後5時前くらいまで会議で(しかし起床は午前4時くらいにして、朝食までにせっせと最低限の仕事は済ます)、ホテルのレストランでの夕食は7時からでした。
ですので夕食までの2時間を、暇つぶしがてらぶらぶらと湖のほとりとVillageを散策しました。
ここは避暑地としてはまあまあ有名で、夏は結構賑わうんだぜ・・・ポケットに手を突っ込んで湖を見下ろしながら地元から参加の同僚は言います。あと、近くにスキー場もあるから雪が降る頃も少々賑わう、とも。
その彼はここから20㎞ほど離れた人口400人程度の村落出身の素朴な青年で(日本?・・・いや、いつか行ってみたいと思うよ、ハハハ)、賑わうといってもどんなものだか・・・少なくとも日本の観光地のような騒ぎにはならないんじゃないかな。
ということは、今(11月)はちょうどオフシーズンまっさかり(という表現も変だけど)か・・・と思いながら家族へのお土産を探しがてら、湖へと続く小径を歩きます。
日が暮れるのが早い。前回夏に訪れた時とは逆で、いささか寂しい。しかしこの季節にはさすがに巨大で真っ黒なナメクジが出没することはないので、そのてん心おきなく歩ける。(参考記事:『為替に対する考察 -欧州にてー』)
Villageに到着しました。
中心に教会があり、その前にはちょっとした広場のようなスペースがあり、その周囲にいろいろなお店があります。
午後5時過ぎ、見事なまでに全店閉店しています。
いちおうクリスマスのデコレーションはあるのだけれど、人の気配がありません。
出店(デミセ)かと思われる木造の小屋みたいなものも、全部ベニヤ板が打ち付けられています。オフシーズンだものなあ。
お土産屋さんも5時で閉店。ムスメになにかよさげなものはないかあ、と窓を覗き込みます。
ご丁寧にもコカ・コーラの自動販売機も閉店です。
うーん、静か。
仕方がないのでVillageの中心を外れて、とぼとぼと湖畔まで歩いていきます。
湖畔にはベンチがおいてあり、一人のうら若き女性がブランケットにくるまって、そこから湖をじっと眺めていました。
私も湖畔に佇んで、神々しい景色をぼんやりと眺めます。
さきほど上司や同僚たちと交わした会話を反芻しながら・・・
K.、オレは一月から4週間休みを取る。キャンピングカーを借りてNZを巡るんだ、よろしくな。とドイツ人上司は言う。
ふーん、1週間の休みね・・・、Well、たったそれだけでいったいどこに行けるって言うんだい? とフランス人の同僚は私にむかって言う。
オレはいつも南仏の海岸に行くのさ。フィアンセと一緒にね、キャンピングカーに乗って片道三日さ、で、向こうには1週間滞在する、計2週間は必要だね、とオーストリア人。
日本人も、というか少なくともオレも同じ会話の土俵に立たねばなあ、と思う。
振り返り、また来た道を戻る。人の気配はないかと耳を澄ます。しかし聞こえてくるのは静寂の響きのみである。
出張最終日である木曜日、会議は4時に終わった。私は5時の閉店までに家族へのお土産を購入すべく(ばね仕掛けの木製人形に狙いを定めていた)、挨拶もそこそこにダッシュでVillageを目指す。
そして、そこで思いがけずその光景を目の当たりにすることになる。
つづく。
情報開示:とくになし
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