There is a mole, right at the top of the Circus.
映画『Tinker Tailor Soldier Spy』より、Oliver Laconのセリフ我が家の3番目のProfit Center、サードマンの収入のアップデートです。なお配当履歴のページも更新しています。サードマンの由来はこちら。
金木犀の香りもなくなり、夜の帳が降りるのが早くなってくると、夏目漱石を読むのは終了し、スパイ小説の巨頭、ジョン・ル・カレの小説を読みたくなる季節の始まりです。
これまで何回も読み返した、ル・カレの代表作の一つ『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』は、香港でのとある事件がきっかけ(映画ではイスタンブールだったっけ)で英国情報部の上層部に敵国のモグラ(ダブルエージェント)が存在する疑いが強まり、引退した元情報部エージェントのジョージ・スマイリーが密かに調査を開始し、モグラをあぶりだしていくというストーリーです。
自身も諜報活動に従事していたという噂のあるル・カレ氏によるこの小説は、派手なところがまったくなく、ときには非常に回りくどい展開で物語が進んでいきます。10月から11月の静かで陰鬱な曇り空のもと、BGMも一切なしで、ソファーに寝転んでじっくりとその世界に入り込むには最高の小説です・・・首狩り人(スカルプハンター)、点灯屋(ランプライター)、ウィッチクラフト作戦、情報源マーリン、ホテル・アイレイ、コントロール・・・独身時代のささやかな贅沢でした。
スパイと言うとあんまり現実感がわかないのですが、組織における個人の立ち位置と葛藤、そのなかでの派閥や出世をめぐる争いという普遍的なテーマをこの作品(およびこれ以外のル・カレの作品)以上にうまく描き出されている小説は無いのでは、と思います。読んでいて非常に身に沁みます。
それでこの名作、英国の情報機関MI6の長官候補までのぼりつめた伝説の英雄スパイ、キム・フィルビー氏が、実はそもそもの初めからソ連から送り込まれていたモグラだったという衝撃的な実話の事件にインスピレーションを得て書かれています。
で、件のキム・フィルビーさん、いったいぜんたいどんな人物だったのかなと前々から興味津々だったところ、本屋さんで『A SPY AMONG FRIENDS - PHILBY AND THE GREAT BETRAYAL-』という本を見つけたので衝動買いをしてしまいました(大失敗、Amazonのほうが圧倒的に安かった)。
はてさて、何が彼を裏切り者へと仕立て上げたのでしょうか?
今年の晩秋は、この本とスコッチですな・・・と言いたいところですが時間が・・・通勤電車のお供になりそうで、雰囲気も何もあったもんじゃなさそうです。
情報開示:これ以上特になし
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