2015年11月8日日曜日

米国の連続増配当株式スクリーニング可視化への挑戦と頓挫

 偉大な投資家になろうと思ったら、自分の身の丈に合った流儀を持たなくてはなりません。ウォーレン・バフェットは、ベン・グレアムのよいところを全部学び取りながら、ベン・グレアムのまねをせず、自分の道へ足を踏み出し、自分のやりかたで、自分のルールで、金を動かしました。そのことに気づいたとき、わたしはすぐに、偉大な投資家になる方法を教えてくれる学校などないという真理を胸に刻みました。
Michael Burry氏の言葉 マイケル・ルイス 『世紀の空売り』 東江一紀・訳 文春文庫
Burry氏の運営するサイオン・キャピタルは、創業してから5年の間に242%の収益増を記録したそうです。同期間のS&P500は6.84%の下落でした。彼は"なんのレバレッジも用いず、株の空売りもしなかった。普通株を買う以上の冒険はせず、部屋にこもって財務諸表を読む以上に複雑なこともしない″とのことです。すごいですね。

彼の経歴や性格・言動はけっこうユニークなので、ご興味があれば『世紀の空売り』を読まれたし。

さて、Burry氏に言われなくても、偉大なる投資家を目指さなくても、投資の方法は自分自身で見つけなくてはなりません。

最近忙しくて、アニュアルレポートなんぞ紐解く余裕がなく、そもそも、どの銘柄に投資しようかという絞り込みもままならない状況です。

これまではDavid Fish氏によるU.S. Dividend Championsのリストから投資方針に合うものを選んで、なおかつ私の興味を引く銘柄を調べるという感じでしたが、最近は疲れていて無気力で、リストをぼーっと眺めても、なんの食指もわきません。

とっかかりがつかめない状況なので、状況を打開したいといろいろと考えていました。

私はキャピタルゲインを積極的に狙うわけではないのですが、できれば割安な状態で銘柄を獲得するのが望ましいです。というわけで、比較的割安な銘柄をあぶりだすスクリーニングを、おおざっぱでかまわないので機械的にする方法を模索しました。

以後の数値やグラフは、U.S. Dividend Championsのリストの9月末時点のものを活用させていただいています。あまりExcelとかは得意でなく、けっこう力技で計算していたりするので、ひょっとしたらポカミスをしている可能性もあります。予めお断りしておきます。くれぐれも信用なさらないでください。

まずはリストのAll CCCのシートから、連続増配当年数が10年以上のものだけに絞ります。そうなると358銘柄になります。セクターの割合は以下の通り。



これをまずは遊びで、というか興味があったので、各セクター毎にPER、配当率、増配年数の平均を出してみました。以下の表でまとめていますが、朱色がトータルの平均より悪い(PERの場合は高い)数字、緑色が良い数字になっています。



すべてのカテゴリーでTotalを上回っているのはUtilitiesですね。ほほう。でもなんか違和感ありますね。たとえばEnergyのPER、ちょっと高すぎやしないか?

で、調べてみたらEnbridge Inc.(ENB)のPERが218とかの値になっていて、これが平均値を大きく押し上げていることが判りました。そこで今度は平均値でなく中央値でまとめなおします。



EnergyとともにIndustrialsのPERもさがりましたね。

Industrialsに関しては、エマーソン(EMR)やドーバー(DOV)、3M(MMM)とかが連続増配年数の平均をぐっと押し上げているようです。

それにしてもEnergyセクターの配当率は断トツですなあ。

で、ここまでは余興、何らかの判断を下せるようなネタはありません。強いて挙げるなら平均値でなく中央値を使った方が良いということですかな。

私の理解では、各セクター毎の事情や特性は違うので、ある銘柄をほかのセクターの銘柄のPERや配当率と比べても、割安か否かの判断はできません。同じセクター内で比較してみたら、ある程度割安かどうかの判断がつくのでは・・・という私の浅はか且つテキトーな考えに基づき、ちょっとTelecommunicationセクターを例にとって見てみましょう。

重視したいのは、1)連続増配当年数、2)PERの高低、3)配当率です。これらをぱっと目で見て判断できるグラフがあればと思い、以下のようなバブルチャートを作りました。

緑の縦線はセクターの配当率の、赤の横線はPERの中央値です。バブルの大きさは連続増配当年数に比例しています。

これでみると緑の線より右で赤の線より下に位置している、バブルの大きい銘柄がもっとも私にとって魅力的になります。

VZが魅力的な領域に位置していますが、バブルが小さいですねー、とかを簡単に見れればとおもったのですが、これを作成するに当たり大きな問題点が2つ。

まず一つ目ですが、わたしの私的パソコンはExcel2010を使っています。それだとラベル(ここでいうTicker code)が自動的につけることができません。Excel2013からは可能なようですが。つまり上記のグラフのラベルは手入力です。銘柄数が多い場合は膨大な作業になり、簡素化とは逆方向になります。

二つ目に、配当率とPERの中央値を自動的に組み込む方法がわかりませんでした。上記グラフでは、図形の挿入機能を使用して、強引に加えています。手間がかかるうえに正確ではありません。

同じ方法でConsumer Staplesをグラフにすると、



もうラベル(ticker code)を記入する気力なんぞ、ありませぬ。が、これじゃあ、わけがわかりませぬ。

うーん、いいアイデアだと思ったんだけどなあ。

というわけでビジュアル的にはつまらないけど、セクターの中央値よりよいものを単純にソートすると以下の通りになります。



しょうがないけど、これで行きますか…

情報開示:とくになし

3 件のコメント:

  1. こんにちは。いつもユニークな視点の記事で参考にさせてもらってます。
    excel2010でのグラフへのラベル自動貼り付けは可能です。
    こちらを参考にhttps://support.microsoft.com/ja-jp/kb/161513
    簡単に言うと、
    A列ラベル、B列X軸、C列Y軸の表からグラフを作る。
    URLのサンプルコードを貼り付ける。
    グラフを選択して貼り付けたマクロを実行する。
    です。
    ただ自動の場合ラベルがおそらくバブルの真ん中か右にくると思うので、バブルが固まっている場所は見にくいかもしれません。
    赤と緑の線は今のところいい案は思いつきません。

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    1. FDG金星人さん、まいどアドバイスありがとうございます。時間のある時にトライしてみようと思います。取り急ぎ御礼まで。

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  2. 訂正。さきのurlは散布図用だったようです。
    バブルチャート用はこちらhttps://support.microsoft.com/ja-jp/kb/914813

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