若い人のあいだでは、オヤジとの飲み会を敬遠する傾向が強まっているらしいけど、あれはあれで楽しかったし、事実いろいろ役に立つことも多かった。今の会社(米系)の私の所属する部署にも、転職した当初(約10年前)は何人かそっち系のオヤジがいたのだが、その後数年ほど続いたリストラの過程で、見事なまでにピンポイントで駆逐されていき、2010年にその絶滅が確認された。
トキと違って復活させるプロジェクトも無いようである。
ああ、オヤジは受難だなあ、などと考えていていたら、不都合な事実に思い至る。なんと私自身がオヤジトークをする側の年齢になりつつあるではないか。先日なんか、はっと気づくと、ドラッグストアでマンダムの40代からのエイジングケア製品を手に取ってまじまじと見つめている自分を発見したし・・・。
もう環境・物理的に私がオヤジトークを拝聴する機会は無いのだろうか。
と思っていたら本屋さんで3人のオヤジによる討論をまとめた本、『ヤバい日本経済』が目に留まった。この本が出版されたことは知っていたけど、オヤジの一人である山口正洋氏の発行するメルマガは既に購読中なので、あらためて本を購入することもないかなと思っていた。
ところが、ちらちらページをめくっていると、なかなか面白そうだったし、先日クレジットカードのポイントを図書カードに変えたばかりだったので、購入して読んでみた。本という媒体を介してのオヤジトークもなかなか楽しいものであることを発見でき、ためになる(と思われる)情報も沢山あったので、気になった個所を複数回にわたってメモしてみることする。
まずは3人のオヤジの紹介。なんと全員商社勤務経験がある。
- 山口 正洋氏(ぐっちーさん)・・・投資銀行家。彼のメルマガは本当に面白い。毎週月曜日の密かな楽しみです。アエラでもコラムを執筆されています。
- 山崎 元氏 (やまげん)・・・経済評論家。前にも書きましたが、彼は私が社会人になった時お世話になった上司に見た目が瓜二つで勝手に親近感を持っています。口の悪さもそっくりな気がする。その上司の「おいK、おまえの仕事、そんなんじゃマスターベーXXンだよ。そんなもん家でやれ、気持ち悪い」という言葉は忘れられません。
- 吉崎 達彦氏 (かんべえ)・・・今回初めて知りました。エコノミストかつ国際情勢分析家とのことです。自身の予測が外れている事例に関しては、いさぎよくその事実を認めており(例:アベノミクスの脱デフレ効果)、その姿勢に好感をもちました。
私は思うのですが、経済評論家と野球評論家は、必ずしも正しい結果を予測することが大切ではありません。 楽しく、愉快・痛快な解説をしていただけるのが最重要なのです。
そもそも経済学自体がけっこうインチキな存在っぽいし、たいがいの経済評論家(あるいはそれに類した人々)は、たとえば為替や株価の予想があたれば大々的に喧伝し、ハズしたら知らん顔。だいたい一般市民も半年前に誰が何を言っていたかなどは、いちいち覚えていません。私の場合、あたったところで受ける恩恵もそこまで大したことないし・・・少なくとも短期的には。
それよりも評論家自身の考えを、独自のソースや分析能力を活用し、論理的かつ愉快に披露してもらえれば、その考えが結果的に正しかろうがそうでなかろうが、こちらも楽しく参考にできる。なにより日々接する情報がとても興味深いものに変わるし、自分で物事を考えるきっかけになる。それで充分。
プロ野球解説者も同じで、シーズン前に 誰がどのような順位予想をしたかなんて覚えていない・・・そもそもそこの精度なんて誰も求めていない。求められているのは野球というエンターテイメントの一員として、愉快・痛快な解説をすることによってファンを楽しませることである。まったくもう、そのことがわかっていないくだらん解説者が多すぎる・・・。いっかいディズニーランドにでも行って、エンターテイメントとはなんぞやということを勉強してほしい。
話がそれましたが、以後数回にわたって『ヤバい日本経済』(東洋経済新報社)をメモします。
情報開示:特になし
いま、秋の夜長に夏目漱石の『吾輩は猫である』を読んでいます。滅法面白い。これなんか猫の目を借りた漱石さんによる究極のオヤジトーク小説ですな。
こんにちわ。
返信削除いつもKさんの文章が面白いです。
英語が不得意なので、銘柄分析を参考にさせてもらっています。
これからもお世話になります。
ありがとうございます。せっかくブログを書いているので、楽しくやっております。英語に関しては・・・わりかし悪意無き誤訳をやっている可能性大なので、そのへんご承知おきいただければ幸いです。
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