2025年5月10日土曜日

3RDMANからの手紙  FY2025 - 2

 何もしないことは、あらゆる悪徳の始まりであり、あらゆる美徳の頂点である。

カフカ 『カフカ断片集』 頭木裕紀・編訳 新潮文庫


長期投資という運用方針はすばらしいものだ。経済に好不況の波があっても、買うか売るか、白か黒かに思い煩う必要はなく、自分の投資がどう展開していくかを見守っていればいいだけだからだ

by アンソニー・ナット、Roald W.Chan 『価値の探究者たち』 山本御稔・小林真知子・訳 きんざい

 

FY2025は、過去10年のなかで一番トレード(株式の売り買い)の少ない一年となりました。それでも年度の初頭に"Never Sell, Never Again"と宣言した割には、全放出の株式もあったのですが。


3RDMANからの手紙  FY2025 - 1

  価値か利益かというのは、誤った選択です。卓越した財務パフォーマンスは、価値創造を反映しています。もう一度言いましょう。価値を考えれば、利益は後からついてくるのです。

フェリックス・オーバーフォルツァー・ジー 『「価値」こそがすべて!』 原田勉・訳 東洋経済新報社

 

"Exactly!  Bingo!  That's what I've learned.  Stocks follow earnings!"

- Will Danoff 

William Green 『RICHER, WISER, HAPPIER』SCRIBNER

 

The 3rd Man's  FundのFY2025(May 2024 - Apr 2025)が終わりました。『次の10年に向けての雑文(1) ーカタリストとしての株式投資ーで書いた、「次の10年」の初年度が終わったことになります。

4月末が年度末という設定は中途半端な印象ですが、このタイミングだと投資している米国企業の最新のアニュアルレポートをすべて目を通し終えていて、日本企業もeBASE以外は決算発表も終わっているので、私にとってはいいタイミングです。なによりも、このさわやかな初夏の日差しの下では、自然とポジティブな気分になれるのがいい、と実感している次第です。

株式投資を愉しむには、ポジティブなマインドセットが一番大事ですからね。

この記事を書いている時点で外は雨だったりするのですが・・・


2025年5月2日金曜日

FY2025 第四四半期レポート - Stage 04/40 -

I've always said if you spend 13 minutes a year on economics, you've wasted 10 minutes.  I deal in facts, not forecasting the future.

- Peter Lynch

「紳士とは、払った税金と寝た女について多くを語らない人の事です」

村上春樹 『独立器官』  


伝説的なファンドマネジャーのピーター・リンチ氏によると、経済の展望についての考察に13分使ったとすれば、10分の時間を無駄に費やしたに等しいとのことです。

当該期間の2025年2月~4月にかけては、どこかのダイトーリョーのおかげですっかり経済の見通しとやらがわからなくなり、株価も乱高下しています。(乱低下と言った方が正しいかも)

ただしリンチ氏が述べたように、経済の見通しがどうのこうのというのは、それこそジョージ・ソロス級の能力でもない限り、あるいは居酒屋でワイワイ楽しむのでもない限り、時間の無駄遣いなのでしょう。

やっぱり、

株式投資家とは、株式にぶら下がっている値札と経済について多くを語らない人の事です
というスタンスでいるのがよろしいかと思います。成功している著名な投資家は大抵そうであり、出版物やメディアで稼ぐ“投資家”は、その逆を行っている気がするな。

ま、リンチさんは「10バガー」という言葉で有名ではありますけれども。