My planet, Arrakis, is so beautiful when the sun is low. Rolling over the sands… you can see spice in the air.映画『Dune』
フランク・ハーバート原作の『Dune』は壮大な叙事詩であり、SiFi(アメリカ人はエス・エフではなくサイ・ファイと言います)の金字塔です。息子のブライアン・ハーバートによると、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ等々によるハードカバー版SF作品が全米ベストセラーに名を連ねるようになったのは、〈Dune〉シリーズが大成功を収めたのちのことなんだそうです。(『砂漠の砂丘たち〔新訳版〕』酒井昭伸・訳 ハヤカワ文庫 序文より)
つまり『Dune』がSiFiを文学的にまともなジャンルのひとつにした、といっても過言ではないですね。それまでは一部の物好きによって廉価ペーパーバックが読み捨てられるGeekな娯楽とみなされていたんでしょう。
その壮大な物語は、砂の惑星アラキスでとれる特殊なスパイスを巡る骨肉の闘争記、とも言えます。人類にとってスパイスとは、はるか未来の宇宙の彼方にまで大きな影響を及ぼす存在なのです。ま、『Dune』の場合、スパイスというよりはドラッグといったほうがいい感じがしますが・・・
で、スパイスのMcCormick & Company, Incorporated(MKC)。『次の10年に向けての雑文(2) ー最大の失敗ー』で書いたようないきさつで、2024年5月開幕の「次の10年」までにポジションを縮小し、その減らした分をLandstar System, Inc(LSTR)に回そうと考えていました。なにぶん投資の基準にあう株価水準にミートする可能性があるのがLSTRだったからです。
LSTRは、米国のトラック運ちゃんやロジスティックス・サードパーティーのマネジメント・ソリューションを提供するアセット・ライトな企業で、2023年11月より保有しています。
これがね、なかなかいいのですよ。『1月の振り返り』でレビューしたように過去10年のROCE(私の計算)のMedianは34.8、Debtもごくわずかです。
今回、まだまだ一部の物好きGEEKが密かに読みまわしそうな雰囲気をたたえるペーパーバックの『The Quality Growth Investor 2024 Edition』(Long Equity著)から得た、一株当たりのフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を交えた考察を加えます。
以下はFCF per share(以下すべて私の手計算なので、あくまで参考地としてみておいてください)の2014年からの値です。
これを各年度末の株価と比較してみましょう。
FCF per shareはCAGR17.6%。Linearityは0.80。これは値が1だと直線になるので、0.8はけっこう直線に近い、つまり安定した成長と言えます。
一方株価はCAGR10.3%、Linearityは0.96。とっても安定して(派手な動きを見せず)株価は伸びていて、しかしその伸びはFCF per shareに劣後している。となれば、株価は割安と言える(かもしれない、今後サンプルを増やしていきます)し、あまり株価の乱高下に悩まされない株式と言える。
さらには株価のValuationの目安としてのFCF Yieldは以下の黄色の箇所の通り平均5.6%。
- コロナ禍からの巻き戻しで、おうち需要が減り外食需要が増えた。だが外食需要のFlaver Solutionsの比率は、Consumerと比較すると小さい
- インフレへの対応が遅れた
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