2024年3月5日火曜日

カジノにおける長期投資Big Shotsの動向 -2023年Q4-

Though the stock market is massively larger than it was in our early years, today’s active participants are neither more emotionally stable nor better taught than when I was in school. For whatever reasons, markets now exhibit far more casino-like behavior than they did when I was young. The casino now resides in many homes and daily tempts the occupants.

SHAREHOLDER LETTES 2023, BERKSHIRE HATHAWAY INC.


Listen to me very carefully.  There are three ways of doing things around here.  The right way, the wrong way, and the way I do it.  You understand?

映画『カジノ』、ロバート・デ・ニーロ演じるSam 'ACE' Rothsteinのセリフ


最近発行されたバークシャー・ハサウェイの2023年度版のレターを読んでいたら、映画『カジノ』を観たくなりました。私はとくに『グッドフェローズ』に代表されるスコセッシ監督の映画のグダグダ感が大好きで、そういった意味で『カジノ』も興味津々だったのですが、日本で公開されたのが私が社会人になったばかりの1995年。金銭的にも精神的にも劇場に足を運ぶ余裕がなく、そのまますっかり観そびれていました。

先日アマゾンでブルーレイを購入し、やっと鑑賞。いや、デ・ニーロにジョー・ペシ、それからシャロン・ストーンにケヴィン・ポラック(『ア・フュー・グッドメン』での演技はもっと評価されてもいいのでは?)が絡んでの長時間にわたるグダグダは、やっぱりサイコーです。

で、御大ウォーレン・バフェットさんによると、昨今の米国株式市場は肥大化してすっかりカジノの様相を呈してきているそうですが、そこを舞台にして、それこそ


There are three ways of doing things around here.  The right way, the wrong way, and the way I do it.  You understand?


とばかりに皆さんこだわりを持って、短期であれ長期であれ、ロングであれショートであれ、はたまたその両刀であれ、それぞれの投資活動を行われていらっしゃいます。

その中で比較的に厳選・長期でLongを行っているんじゃないかなあと思われる大物投資家(Big Shots)の動向をチェックしてみたいと思います。いやはや、単なるネタ枯れ対策シリーズですね。

ソースは13Fで、各Big shotの米国株式のLongポジションのみになりますが(一部後述の通り例外有)、それらのポートフォリオの上位10社を見ていきたいと思います。今回は2023年末時点。

まずは"Buy good companies, Don’t overpay, Do nothing"で有名なテリー・スミスが率いるFundSmith。計40社保有中。


上位10社で65%を占めています。わりかし長期保有に徹していて回転率が低い印象があります。中身も私的には親しみを感じますね。MKCがThe 3rd Man's  Fundの組み入れ企業と被っています。あと小さい割合ですがGraco(GGG)も保有しており、私は同社の存在をこのFundを通じて知りました。

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次にチャック・アクレのAkre Capital Management。計18社保有。同氏に関しては『一流投資家が人生で一番大切にしていること』(ウィリアム・グリーン著、依田光江・訳、早川書房)で知りました。”資本利益率が高く、フリーキャッシュフローを高い利益が見込める案件に再投資できる、少数の優良企業に的を絞っている”そうです。


10社で約96%。MAにVは私も持っておきたかったなあ。あとORLYも。KKRってのは意外です。

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クリストファー・デイヴィス。27社保有。彼も『一流投資家が人生で一番大切にしていること』に登場しています。


バークシャーはなんだかなあ、って感じですね。MKLはこれまた一流投資家が人生で一番大切にしていること』で大きく取り上げられていたトム・ゲイナー氏が投資ポートフォリオを運用担当していた保険会社ですね。

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ドナルド・ヤックマンのYactman Asset Management。70社保有。チャーリー・ティエン著の『とびきり良い会社をほどよい価格で買う方法』(長尾慎太郎〔監修〕山口雅裕〔訳〕PanRolling)で知りました。景気循環に影響されない企業、商品寿命が長いものを作っている企業だけに投資しているのだとか。



これまでの中では集中度合いはすこし低いですね。UHAL、PGは昔保有していたなあ。RSはちょっと興味そそられますね。MFSTやGOOGはもうITとかで括らないほうが適当かもしれない。

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『一流投資家が人生で一番大切にしていること』で飽くなき学習マシンとして紹介されていたポール・ラウンティスのLountzis Asset Management。45社保有。


さすがバークシャー・ハサウェイの株主総会に三十年間毎年出席し続けているだけに、BRKの割合がすごい。ここにもKKRがあるのが意外。The 3rd Man's  FundとはZTSが被っています。

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さてと・・・ここからはもっとクセのつよい連中にご登場願おう。

Saber Capital Management。17社保有。よく知らないけど、The 3rd Man's  Fundの組み入れ株式のFNDを大きな割合で所有しているので興味をひかれた。


上位10社で89%。けっこうな集中です。CRPTも大きくポジションを持っていますね。

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ビル・アックマンのPershing Squre Capital Management。川上譲・著の『リスク・テイカーズ』(日本経済新聞出版社)では、10年先までビジネスの将来を見通すことができ、安定したキャッシュフローが見込めることを重要視している、とありましたね。


8社しか保有していません。CMG、QSR(私も一時期保有していた)、LOW等々長く持っている印象があります。

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モニッシュ・パブライのDalal Street。ま、彼はいわゆる“長期”ではないかもしれませんが。


4つだけ。しかも、ここ掘れワンワン状態です。何かが見えたのでしょう。

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さて次は私が現在その著書『The Quality Growth Investor』を読んでいる最中のLong Equity氏のPF。なお、これは13Fから拾ってきたのではなく、米国外の企業(ASMLとNOVOB)を含んでいます。2024年2月末時点。


全13社保有しているようです。

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最後に真打ち、我らがNVICのおおぶね米国厳選。2023年12月の月次レポートより。全28社。


ここでもMKCがThe 3rd Man's  Fundと被っていますが、おおぶね米国厳選で保有されていることを知る前から持っています(これを言わないと気が済まない)。

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既出のファンドで人気の企業を挙げます。


Alphabetが一位。アックマンがGOOGとGOOGLを保有しているので2つになっちゃっていますが、それを一つとしてカウントすると同率一位がVISA。以下マイクロソフトにペプシ、アプライド・マテリアルズですね。

コカ・コーラじゃなくペプシってのは、みなさん、さすがにバフェットさんを意識されているのでしょうか。だったら微笑ましいですな。

今はやりの半導体関連は1社となっております。

今後四半期に一度暇つぶしがてらに確認していきます。

APPENDIX

S&P500の上位10社(2023年末時点)



名画です。時間のある週末にグダって下さい。





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