2023年2月22日水曜日

Ride on グローブライド

私の実家はかなりの田舎で、中学に入るまでは、夏休みはもっぱら川で遊んでいました。遊ぶといっても、魚を獲るのがメインになります。魚の獲り方はおおむね3つに分けられます。

  1. 素手
  2. たも網を使うもの
  3. 釣り
手法的にアグレッシブな順に並べました(個人的な印象です)。

1.は、比較的流れが速くて浅いところでの手法です。バシャバシャ足で音を立てて走り回り、驚いた魚が石の下に隠れたところを、手を突っ込んでつかむ方法です。オイカワやクチボソ、モロコ等が獲れます。

2.は、比較的流れが穏やかで太ももくらいまでの水深の場所で行います。主に水辺の草と藻が生い茂っているあたりの魚がいそうなところにたも網をつっこんで片手で支えておき、足で藻のあたりを踏みしめて魚を網に追い込む方法です。獲れる魚は多種多様でフナやタナゴからオヤニラミ、ドジョウまで。ときにはナマズなんかも網に入っていたりしました。

3.は、まあ、うちの近所の小学生の間では、ごくごくオーソドックスな、テトラポットとかに座ってミミズとかのエサをつけた浮き釣りがメインでした。

私はもっぱら2.でしたね。夏休み期間中ほぼ毎日何時間も川で過ごしていました。1.は、獲れる魚の種類も少ないうえ、どちらかというと短時間の体力勝負なので、川でゆっくり過ごせないのが性に合わなかったですね。

かといって、3.を楽しむほどの忍耐力と手先の器用さも持ち合わせていませんでした。

なので必然的に2.で、これまでの人生で釣りはほとんどやったことありません。

留学中に、映画『A River Runs Through It』で有名なマクリーンの川(寮の隣人がモンタナ州出身だった)でニジマスを釣ったのと(といってもバッタのエサです、フライフィッシングは無理)、仕事の出張先のミネソタ州の湖で、同僚のボートに乗ってバーチを釣った(ルアーは全然ダメで、ヒルをエサにした浮き釣りだとバンバンかかった)くらいです。



株式投資に例えると、デイトレとかは1.で、永久保有を理想とする長期投資は3.の釣りかなあ。そういえば、NVICの奥野氏は釣りが趣味というのを聞いたことがある。ま、釣りにもいろいろ手法はあるけど。

各著名ファンドマネジャーの趣味やお酒、聴く音楽の嗜好なんかがわかったら面白そうですね。題して『投資家の嗜好法』。パフォーマンスとの相関関係が見いだされるかもしれません。

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というわけで、2.である私は、やはりときどき動きます。じっと座り続けることができず、あらたな漁場を求めて、たも網片手に川辺を徘徊します。

今回、A.O.Smith(AOS)を全放出して円転し、それを原資に釣り具の世界シェアトップのグローブライド(7990)を獲得しました。

ズバリ、中国の釣り人口増加という漁場に網を突き立てました。

もともと中国の人々の消費に関しては、これからレジャーやリクリエーションに傾くんだろうなあと考えていて、7990やヨネックスを(キシダさんのように)注視していたのですが、コロナ禍の影響で一気に株価が上がってしまいました。なのですっかり忘れていたのですが、先だってヤフーニュースで中国での釣りブームに関する記事が出ていたのを機に思い出し、株価を確認したところけっこう落ち着いてきているようなので、さっそく同社の数字を確認しました。


ついでに2022年度と23年度の四半期決算短信から地域別の売り上げの割合を出してみます。(各1st Q以外は、その年度の累計値)


黄色が中国や韓国を含んでいる地域です。どんどん存在感が増してきています。おまけに営業利益率はアジア・オセアニアが一番良いです! 何故米国が低いのかは今後確認要、競争が激しいのか、利益率のいい製品が入り込めていないのか…。ま、いずれにせよ売り上げの半分が海外になってきていますね。

DAIWAのブランド力、中国での釣りブーム(一過性ではないと私はニラんでいる)+コロナ明け、そして同社の直近の数字の改善・・・

ウキが沈んだ、アタリだ、サオを引け!魚影はまだまだ濃いいぞ!

とばかりに獲得しました。

正直なところ、竿だのルアーだのリールだの、さっぱりわかりません。7990は一部テニスラケットのプリンスを扱っていたり、ウィンザーラケットショップもやっているようなのですが(私は万年自称中級週末テニスプレーヤーなのだが知らなかった、ちなみに私はラケットはヘッドのラディカル、ストリングスはバボラのナチュラル、グリップはBow Brandのウエット、シューズはアシックス)、事業の大きさの割合は少ないです。

誰かにフィッシングギアのウンチクを語ってほしい、ライバルのシマノ製も含めて。ま、そのうち奥野氏がカンファレンスでしゃべりだすことを期待しておきましょう。かるく3時間くらい語るんじゃないだろうか。

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AOSは、いや、これ、悪くないです。


2022年度の数字はぱっと見悪いですが、理由は:

In 2021, our Board of Directors approved the termination of our defined benefit pension plan (the Plan) with a termination date of December 31, 2021. The Plan represented over 95 percent of our pension plan liability

(アニュアルレポートより)

とのことで、ワンタイムショットです。この影響を除くと、かなり良い結果です。

ただ保有株式数をこれ以上増やしたくないので、しかたがなく放出しました。投資顧問のフジマキ氏(笑・嘘です)が、貴重なドルを手放すとは何事だ!と激怒されているのですが、うん、まあ、人民パワーに期待しましょう。

情報開示:この記事を書いている時点で7990x600株 保有

それにしても株式保有している企業数、日米同じになった。うーん、こんな日が来るとは。


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