タガメットとザンダックを処方した医者が、スミスクラインとグラクソの株を買っただろうか? たぶんほとんどいないはずである。彼らは石油株にでも集中投資していたはずだ。
ピーター・リンチ / ジョン・ロスチャイルド 『ピーター・リンチの株で勝つ』 三原淳雄 / 土屋安衛・訳 ダイヤモンド社
来るべき(すでに到来済み?)日本での少子高齢・多死社会を見据え、一見ネガティブに見えるその潮流を逆手にとって資産を築くことを目論んで設定された『いざ・波』ファンドで少し動きました。
まずKeePer技研(6036)を追加で100株購入しました。これは9月にいったん過熱感があると思い半分売却(『たばこをめぐる冒険の終焉 -強がるには疲れすぎた-』)したのですが、案に反してそんなに株価が下落しなかったので、慌てての買戻しになります。やはり慣れないことをするもんじゃないよなあ・・・
つぎにエコミック(3802)を全売却しました。ある程度短期保有前提でしたが、これも慣れないことなので、案の定保有していて居心地が悪く、少しばかり利が乗っているうちに200株すべて売却しました。
そして今度は腰を据えて保有することを前提に、資産運用のワンストップ・ソリューション・カンパニーであるXネット(4762)を何日かに分けて計700株購入しています。
4762は、会社四季報2020年春号から抜粋しますと、
生損保や銀行向け資産運用、融資システムサービス提供が主力
の、NTTデータの子会社です。同社の存在を知ったのは、くまのすけさんによる『くまのすけの厳選株投資』というブログです。いやあ、他力本願っすね。もちろんこのアクションが私にもたらすであろう悲喜こもごもの全責任は私にあることは言うまでもありませんが。
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数字を見てみましょう。グラフの数値のソースはモーニングスター。
2014年度からトップラインは伸びていっています。ただ営業利益率が低下していますね。目標は15%以上とのことで20年度までは達成しています。この利益率の低下はXNETアプリケーションの開発投資の償却負担によるものですが、会社側は、その負担は2021年度にピークをつけて下がるとの予測を示しています。
4762は構築した情報システムを顧客に提供し、月々サービス料を徴収しています。チャリーン。同じアプリケーションを複数の顧客に提供するため利益率は高いです。チャリン・チャリーン。顧客はいったん導入すると、そうそう簡単にほかのシステムにスイッチしません。チャリン・チャリン・チャリーン。
また有価証券管理システムを提供するベンダーは、すくなくとも日本国内ではそんなに多くないとのことで・・・。
そして貯蓄から投資への流れの中、機関投資家も有価証券管理業務やシステム保守業務を外部委託するケースが増えているようです。
かかる状況下で4762は、人材を顧客に提供して代わりに業務を行ったり(AMO)、顧客から4762へ業務そのものを引き取ったりするサービス(SO)に力を入れております。
日本における莫大な個人資産額 x ライフシフト x 昨今の資産運用への意識の高まり(金融リテラシー・・・実際には金融イタイタシィ人が多い気もするが) = ・・・おお、私には瀬戸内海に生息する唯一無二の巨大なクジラが無数のイワシをがぶ飲みしながら潮流に乗って泳いでいく姿が見えるぞ!
というわけで4762の株式保有に至りました。
ま、保有したとたんに業績下方修正で水面下に潜航すること、いつものごとしではあるが。
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ピーター・リンチさん自身も自虐的に述べていたように、私たちには遠くの芝生が青く見える、ホームバイアスとは真逆のバイアスにかかることがあります。ついつい自分の働いている業界とはまったく縁のない業界の企業の株式をあさってみたり、なぜだか母国に悲観しすぎて遠い国の株式ばかり追っかけてしまったり。
Anywhere but here (ここではないどこか)バイアスとでもいいますか。それともPromised Land (約束の地)バイアスかな。いずれにせよ、中学2年生クラスのメンタリティですな。
でも足元をよくみてみると、見過ごすには勿体なさすぎる機会があるように思う。4762がそうであるかどうかまでは、わかりませんが。
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