2018年11月27日火曜日

和製HVAC、ダイキン工業(6367)

以前『人々を繋ぐ冷たい鎖 - エマソン・エレクトリック(EMR)の2017年度 -』で少し書いたように、一時期HVAC (Heating, Ventilation, and Air Conditioning)がらみの企業を調べたことがありました。

EMRをはじめ、ドーバー(DOV)やユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、レノックス・インターナショナル(LII…よさげですよ、ここ。私はDebtの出し入れが嫌いなので獲得はしませんが)等です。そしてそのうちの一つがダイキン工業(6367)でした。

2018/11/27の日本経済新聞の朝刊に、そのダイキンが欧州の大手冷蔵機器メーカー、AHTクーリングシステムズ社を買収するとの記事がありました。

買収の狙いとしては、空調との相乗効果で欧州での冷蔵機器事業の売り上げ増加とともに、AHTクーリングシステムズ社が持つ迅速な保守サービスのノウハウを取り込むことがあるようです。

記事によると、先進国でのHVAC業界では、エアコンの単品売りからアフター・サービスで稼ぐ方向へのシフトが進んでいるようです。例えば業務用空調大手のキャリア(UTX傘下)は全体の6-7割を保守サービスで稼いでいるとのこと。

しかしダイキンは3割程度。

売るという行為が苦手で、半ば仕方がなく株式の永久ホールドを目指している私のような投資家にとっては、一期一会的な稼ぎをする企業よりも、アフターサービスで長きにわたって着実に利益を得る企業のほうが相性がいいですね。

というわけで、この買収によるダイキンの布石、なかなかいいんじゃないですか。

というか、もとよりダイキンは欲しかった。ちょっと数字を見てみましょうか。以下のグラフの数値のソースはモーニングスターのサイト

RevenueとOperating Incomeの推移。



ここのところ利益率が伸びてきているのがいいですね。ま、スタート地点がサブプライム金融危機後の2009年だから、というのもありますが。

キャッシュフロー、ならびにROA、ROIC (投下資本利益率、こちらのサイトの解説が簡潔でわかりやすい)の推移。




先ほどの利益率もそうですが、この利益の効率性を図る指標も非常に良い方向に進んでいます。

日本の企業としては珍しく(と私は思うのだが違っているかもしれない)アニュアルレポートを作成していて、投資家のはしくれとしては好感が持てるし、是非とも我らがThe 3rd Man's  Fundの構成企業の一員になってもらいたいところではあるのだが

2018/11/27終了時点で株価が11,955円。単元株数が100…。別の意味で高すぎる。

10分割くらいしろよな、まったく。

ま、それはそうと、これまでもそうでしたが、これからも利益のサステイナビリティという見地から、保守メンテ・アフターサービスといったところは株式を選択するにあたり要注視でありますね。


情報開示:この記事を書いている時点でEMR55株保有

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