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先週、ムスメ(3歳)から風邪をもらってしまい、40℃近くまで熱が出ました。会社で急に寒気がし、がたがた震えが来たので早退しました。こういう時に痛感するのですが、通勤の距離って大事ですね。いまは電車で20分、駅から徒歩7分のところに住んでいるのですが、あまりにきつかったので、駅に着いてからタクシーで帰ろうかどうか迷うほどでした。
あと40代も後半になってくると、病気した後のリカバリーが本当にきつい・・・というか、一気に2、3歳、老け込んでしまう感覚があります。独身貴族の皆さん、やばいっすよ。若いうちはいいかもしれんが・・・やはり家族は持った方がいい。
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今月読んだ本
この本はものすごく面白かった。
最近エマソン(EMR)やドーバー(DOV)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)等のIndustrialsのアニュアルレポートをつらつら眺めていて、ある共通のWordにひっかかったため、この本を手に取ってみました。株式投資は読書の幅を広げます。
うーん、第一線の科学者が地道に丹念にデータを解きほぐしていくと・・・ブラックスワンどころではない気候変動のダイナミックさが浮かび上がってきますね、数十万年単位ではあるが。ただそれくらいの長期目線で見ると現在はかなり微妙な位置ですね。昨今話題の温暖化なんて、株価的に例えると、過去50年間のチャートのうち直近たった数日の株価推移だけを見て騒いでいるようなものです。
また著者による、なぜ前回の氷期が終わってから農耕が開始されるまでにタイムラグがあったのか、に関する仮説がとても面白かった。
多様性は大事です。
きちんと理解するため、再度丹念に読み返しているところです。日々のメディアの流行りものを追いかけた記事や、コピー&ぺースト的な本とは一線を画すこの書籍、一読の価値ありです。
ちなみにコピー&ぺースト的な本を書いて商売されている人たちの名前は「言ってはいけない」と思われるので、言いません。
WHOが今世紀初めてグローバルアラートを宣言したSARSの死亡率は10%です。また、20世紀初頭に世界的に大流行し多数の死者を出したとされるスペイン風邪の死亡率はたった2.5%です。苛酷を極めたとされるシベリア抑留の死亡率は10%です。単純な比較は不適切かつ不謹慎であることを承知の上で書くことをお許しいただきたいのですが、50%のホワイトカラーが20年、いやもっと短い期間で減るということは、途轍もないことです。
新井紀子 『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』 東洋経済新報社こちらの本は、ぐっちーさんこと山口正洋氏のメルマガで話題になったので読みました。自分のためというよりは、ムスメの将来について考えるためです。
この本のなかに読解力を試す問題が複数あります。新井氏によると、読書が好きな人や某新聞社の論説委員がけっこう不正解だったりするそうです。
さもありなん。ストーリーを大きく把握して本質的なところを理解する力や、物語を想像力に任せて楽しむ能力と、読解力は別ものです。私も小説等を読むのは好きですが、たった数ページの電化製品の取扱説明書等に関しては、ほとんどディスクレシア(読字障害)です。
これじゃいかんとばかりに、いまさらながら算数の文章問題に取り組んだりしています。読解力を身に着けるにはそれが一番かと。
私の経験からすると、細部の読解力(理解力)は素晴らしいけれど全体像を把握できない人の方が、一緒に仕事をするうえで厄介でした。細部にとらわれて時間を費やし、自滅していく(病んでいく)人がけっこう多いのです。まずは山全体を俯瞰してから登山ルートを決めないといけないのに、俯瞰することができないのですね。
ちったあ長い小説でも読んで全体像を把握する訓練を積め、と思いましたね。そういう私はディテールを読み違えて大滑落をやらかしがちなんで、人のことはあまり言えない。
ちなみに新井氏は、活字は好きだけど年間5冊くらいしか本は読めないそうです。そして多読ではなく、精読・深読という行為に、AI社会を生き延びるなんらかのヒントがあるかも、と述べられています。
そうですな、かのショーペンハウアー氏も、多読の自慢をする奴のアタマは空っぽだ、みたいなことをおっしゃっていましたね。(*)
そして、ショーペンハウアー氏に影響されたか、ある著名人も次のようなことを述べています。
本をせっせと大量に「読んでいる」輩がいるが、彼らは「本をよく読んでいる」とは言えまい。まことに、彼らは大量の「知識」を所有してはいるが、彼らの脳には、自分が取り入れた知識を系統だてて記憶にとどめる能力がないのだ。ほほう、ごもっともです。これを書いた人物についての本も読みました。多様性なんぞ、くそくらえなお方です。
昨年秋に映画『ダンケルク』を観て以来、チャーチルの『第2次世界大戦』等を読んできましたが、チャーチルと対峙した人物についても読んでみたくなったので手に取りました。ちなみに上記引用は、この『ヒトラーの秘密図書館』の冒頭に引用されていた、ヒトラーの『我が闘争』からです。
『ヒトラーの秘密図書館』は、残存するヒトラーの蔵書と、それらの読まれ方(アンダーラインや書き込み等々)から、彼の人となりを照らし出そうという本です。
ヒトラーは、最初は知識を仕入れるため、次第に自説を証明する材料を見つけるため、そして自身の行動を正当化するため、最後には現実から逃避するため、に本を読んでいます。
エル・アラメインやスターリングラード当時、彼はどんな思いで読書にひたっていたのであろうか。すこしばかり切ないですね。孤独や。
この本を読んでいて、怖いのは独裁者当人ではなく、独裁者を独裁者たらしめてしまう取り巻き・群衆なのだとあらためて感じました。
そういえば何年か前に『えーと、これはいささか・・・先の展開がおかしい』という記事を書いたのを思い出しましたね。ひょっとしたら、この事例の彼は、新井紀子氏が書くところの、読解力が足りない人の典型的な例だったのかもしれませんが、その周囲の方々が原典に当たることすらせず、そーだ、そのとおり、いいね! などとやっているのは、まるでハイル!ハイル!です。怖いですね。
限られたインデックス投資ブログ界隈だけでなく、日本全体にも似たようなノリが潜んでいるんじゃないかと危惧します。それともインデックス投資=付和雷同型投資だから、特殊なのかな。
大げさかもしれませんが・・・、しかしナチスにせよ、オウムにせよ、最初は皆、高をくくっていたからね。
自分の五感とアタマをフルに使うことが大事です。その姿勢じゃない人は、日大アメフト部を謗る資格はない。
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