新鮮なコーヒーの香りがした。夜と昼とを隔てる香りだ。
村上春樹 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 文春文庫先日JMスマッカー(SJM)が11.9%の増配を発表しました。これで19年連続増配です。個人的には大好きな銘柄です。BIG HEART PET BRANDSを買収してから一年以上経ったこともあるし(参考記事:JMスマッカー (SJM)、私立探偵御用達銘柄へ)、良い機会なのでFY16の結果を見てみます。
まずFY16にCEOが交代した模様です。あたらしいCEOはマーク・スマッカー氏、119年の歴史を誇るSJMで5世代目で6人目のCEOとのことです。よく言えばSJMは長期ビジョンに基づいてCEOが舵を取る腰が据わった企業ですね。
ただし裏返せば、同族によるどんづまり経営に陥る可能性も高いと言えますが、これまでのところSJMはそうではなく、もともとジャムの会社だったのがいろんなビジネスを吸収して、どんどん姿かたちを変えていっております。以下のプレゼン資料でもわかるように、ピーナッツバターやコーヒー、そして人間の食品に飽き足らず、イヌ・ネコの領域にまで進出しています。コーヒーのFolgersなんてもともとプロクター&ギャンブル(PG)ですぜ。
SJMの2016年6月のプレゼン資料より抜粋 |
FY19のセグメントの割合は:
数値の元ネタはアニュアルレポート、外側がNet Sales、内側がProfit |
SJMの2016年6月のプレゼン資料より抜粋 |
財務3表。数値のソースはアニュアルレポート、P/Lはつじつま合わせをしています。あくまで概要を把握する目的なので。
わりと重たいBSです。キャッシュフローをみると、Big Heart買収がオオゴトだったのがよくわかります。しばらくは負債の返済に勤しむことでしょう。稼いだキャッシュの40‐45%をdebt repaymentに充てるとのことです。
まあ、なんといいますか、コーヒーにジャム、ピーナツバター、それから聞き分けの良いペットがそばにいて、これで近所に落ち着いた図書館でもあったら、私としては結構満ち足りた人生を送れそうな気がする。
うん・・・? ジャムがあってもパンがなけりゃあ、意味ないな。じゃ、ちょっとあの銘柄を調べてみますかな。
情報開示:この記事を書いている時点でSJM22株、PG83保有
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