2016年5月15日日曜日

東京都知事とリロ・ホールディングに告ぐ

 私にとって眠れない夜は、太った郵便配達人と同じくらい珍しい。もし翌朝にリッツ・ベヴァリー・ホテルでハワード・スペンサー氏と会う約束がなかったら、ウィスキーを一本空けて、酔いつぶれて寝てしまうところだった。そして次にロールズロイス・シルバー・レイスの中に倒れている礼儀正しい酔っぱらいを目にしたら、あとも見ずに逃げ出したことだろう。自分で自分に仕掛ける罠が、何よりたちの悪い罠なのだ。 
レイモンド・チャンドラー 『ロング・グッドバイ』  村上春樹・訳 早川書房
舛添東京都知事が政治資金の公私混同疑惑で追及されています。
その取材の過程で、定例会見後、湯河原(の別荘)に行くのかと問われた都知事が、まだ決めていないと気色ばむ一幕があったそうです。(ソース:日刊スポーツ『舛添都知事「会見後湯河原行くんですか」に怒気も』)

東京都民のリーダーたる都知事に置かれましては、ぜひ今後も引き続き週末の湯河原通いは続けていただきたい。そして東京都民のみならず、すべての日本人の働き方や生活の仕方、ライフプランの立て方に一石を投じ続けていただきたい。

今回の海外出張費や別荘通いの騒動は、妬みというネガティブな感情を利用して儲けようというマスコミの目論見から端を発しています。たぶん。それ自体は、マスコミのまっとうな営業行為なので問題ありません。都知事にはこれを逆手にとって、この騒動を都民、ひいては日本人にとってポジティブなものへと昇華させていただきたいのです。

個人的な考えなのですが、そもそも日本人は働き方と人生の設計の仕方が、がんじがらめな気がします。

例えば住まいなのですが、どうにもこうにも持ち家信仰が強く、通勤や通学に一時間半もかかるような場所に、ウン十年のローンを組んで、一軒家を建てたり分譲マンションを購入したりします。これをやってしまうと、個人の時間と資金繰りと行動範囲に大きな制約を設けてしまうことになります。

別にローンを組んで住宅を購入することがどうとかいうつもりは全くありません。ただなんというか、あまりにも画一的に持ち家を持つのが当然という風潮が強過ぎることに、いささか違和感を持っています。

時間と金銭を束縛するローンがあるので、なかなか仕事を辞めて新たなことにチャレンジしたり、しばらく子育てや趣味に集中したりという、人生のチェンジ・オブ・ペースができない。逆に、組織から「あなたはもういりません」と言われても、追い出し部屋の中で必死にしがみつくという、どちらにとっても不幸な、なんとも珍妙な 光景が繰りひろげられていたりします。

これは確実に、企業と個人の人生を摩耗させています。 こんなん、自らの人生に自ら罠を仕掛けているようなもんです。たちが悪いですぜ。

あと、なかなかよい条件のファミリータイプの賃貸マンションが供給されず、これには個人的に困っていたりします。

で、それと都知事の週末の別荘通いと何の関係があるのか

このニュースを見て妬むヒマがあったら、私たち自身も知事のようにすればよい。

なにも湯河原や箱根のような観光地に別荘を所有する必要はありません。身の程に応じてグレードを設定すればいいのです。

平日は職場や学校に近い賃貸マンションでなるべく安いところに住み、週末は自然が豊かな郊外の住宅と農地でも借りて家族ゆっくり楽しめば、ローンの返済を考えることも、職に執着することもなく、とても豊かな生活を送れ、ココロに他人を妬む隙間は生じません。

いいですか、私たちは日本という国に住んでいるアドバンテージがあります。世界に誇れる充実した交通機関とネット環境と物流・流通体制が整備されているのです。

別に新幹線を利用しなくても、車で高速をドライブしなくても、東京の品川近辺で働いているのであれば、京急のウィング号に200円余計に払えば、ビールを一缶空けるころには、豊かな海と農地が広がっています。

大阪の天王寺近辺で働いているのであれば、特急のくろしおに乗っちまうと、ビール二缶空けるころには南紀白浜です。ワールドサファリです。ミカンの産地です。観光地でなくとも、たとえば御坊近辺とかでも十分自然豊かです。都会の喧騒はありません。

そしてコンビニもスーパーも、そこそこ充実しています。不便を感じるほどではありません。無いのはスタバくらいです。

あんまり土地勘ないけど、埼玉や群馬、千葉方面も似たような状況なんじゃないでしょうか。関西では新快速なんていう、親の仇うちにでも行くのかと思っちまうほど早い弾丸ライナーな在来線もあり・・・気が付いたら赤穂岬や山科やで。

会費を払ってスポーツジム行って、酸素カプセルとかに潜り込まなくても、満点の夜空の下、潮騒や虫の音を楽しみながら、週末いっぱい新鮮な空気を満喫できます。

えっ、金曜の夜に2時間近くも電車に揺られるのはキツイ

そう、そこですね。

そもそもですな、金曜の午後に働くといういうことが間違っておるのです。

ときおり出張に行く米国の本社では、金曜に出勤してきている人は少ない。基本、在宅がデフォルトです。金曜日に会議を設定する場合は、先に出社する予定かを確認するのが常識です。

金曜の午後ともなるとオフィスはとっても閑散としています。特殊な業務についている人(ITサポートとか)と警備員しかいません。その時間帯に現地の人にミーティングの依頼をすると、口ではマイルドかつ丁重に断られますが、目は「お前正気か」と語っています。そりゃ緊急事態の場合は別ですが。

ホワイトワーカーだけでなくブルーワーカーも、月~木に時間外労働をして(たいていは早朝)、その分金曜午後はOFFというのが当たり前に見受けられます。

翻って我が日本のオフィスでは、曜の午後5時に開始とかいう正気の沙汰でない会議招集があたりまえのように送られて来て・・・

この狂気の沙汰がまかり通る風潮を打破していただくためにも、都知事には週末に湯河原に通ってもらわなければならないのです それが選ばれしものの義務なのです。

そして、このたびの騒動は、千載一遇のチャンスなのです。

是非とも知事には、都民のみならず全国民にとっての、人生豊かに生きる方法の模範として活躍していただきたい。金曜午後の早い時間には退庁してもらい、静かな場所で存分に沈思黙考(私はこの言葉を野村元阪神監督から学んだ)していただき、新たなる週に備えていただきたい。

もはや日本は戦後ではないし、高度成長の国でもないのです。成熟した国での働き方・楽しみ方というものを身をもって示していただきたい。

というわけで、仕事は木曜までに集中して終え、終わらなければ金曜朝早くに出社し、昼時にラップトップ抱えてさっさ姿をくらまし、ビールと柿の種を楽しみながら電車に揺られ、まだ日が明るいうちにウィークエンド(レント)ハウスに到着し、静かな環境のなか、家族とゆったりと夕食を楽しみ、ぐっすり眠る。翌朝は日の出とともに置きだし、畑仕事なり散策なり読書なり、平日できないことを、ローンという名のウスノロの心配なしでじっくり楽しむ。かような生活を送る人がマジョリティになればいいなあと考えます。

マスコミ各位に置かれましては、やっかみに乗じた記事を書かずに、権力への番犬として、例えば都知事が週末に都心を不在にすることに対し、万全の体制が整っているかどうか、都民に不利益が生じないかどうかを、冷静かつ丁寧に精査していただきたい。もし不備があるようだったらそれを問題提起すればいいです。

そうすれば、都もベターな体制作りに動くでしょう。マスコミ冥利に尽きるってもんですね。批判・非難・お涙ちょうだいばっかりじゃ片腹痛いってもんですぜ。それらも大事ですけど。

で、政治主導()で、日本の悪しき風潮に風穴を開けていただくとして、片田舎、あるいは首都圏近郊の受け入れ体制の整備は民間企業に活躍してもらいたい。

こういうのは官主導で税金投入してやってもロクな結果にならない。

というわけで、私としては我が The 3rd Man's  Fundの和製大砲である、先日好決算、及び13期連続増配を発表したリロ・ホールディング(8876)に期待したい。

ウィークエンド・リロケーション、終末ではなく週末の住処、とでもと題して、リゾート地ではなく何の変哲もない都会近郊の田舎の余り始めた空き家を整備していただいて、賃貸の体制を整えていただければ面白いですぞ。こうすることで、地方はにぎわうし、鉄道会社は儲かるし、カーシェアも伸びるし、なにより福利厚生事業にシナジー効果が生まれるかもしれない。

良いことずくめではございませぬか。ここはひとつ、どうでしょう。動いてくださらんかなあ。

情報開示: この記事を書いている時点で8876 x 100株保有。

というわけで、重ねて申し上げるが、舛添知事には、今後も引き続き週末の湯河原通いを続けていただきたい。最近の騒動で知事の職務に支障が生じているようであれば、それこそ税金の無駄遣いである。

なにせ今の私は税金の使い道に関してはとってもセンシティブなのである(参考記事:サードマンの収入明細 (20164月) プラス1

あれ、ああ、そう言えば、私は・・・、しまった、そうだった・・・

情報開示: この記事を書いている時点で私は東京都民ではありません。

自分で自分に仕掛ける罠が、何よりたちの悪い罠ですな・・・ははは。

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