“As what? Tough guy? I don't need tough guys. I need more lawyers.”コルリオーネ家のドン、マイケル・コルリオーネの悲願は、ファミリーのビジネスを合法化することです。Part Iからずっと「あと5年もしたら・・・」と言い続けています。Part IIでも、それから幾ばくかの月日が流れて初老になったPart IIIでも。そしてあの結末へとサーガは流れていきます。Speak softly love...
映画『Godfather part III』より
そんなドン・コルリオーネにとってタフガイは必要ありません。法律家が必要なのです。
しかしThe 3rd Man's Fundにとって、配当を安定してGenerateしてくれるのであれば、タフガイであろうが、フェミニンであろうが、どなたでもウェルカムです。
ヘルメリッチ・アンドペイン(HP)でタフガイ(マッチョ)企業の分析に楽しみを覚えた私は、調子に乗ってキャタピラー(CAT)も覗いてみたいと思います。
まず驚いたのが、なんとアニュアルレポートが英語だけでなく日本語を含む複数の言語で準備されています。タフガイらしからぬきめ細やかな配慮ですね。 しかしそのレポートの4ページ目に出てくるように、ポリエステルな光沢感あふれるCATのシャツを着こなせるのは、もちろんタフガイにしかできません。
ご自身のことをタフだと思っている人は、いちどあのシャツに袖を通してみましょう。似合っていればアナタは立派なタフガイです。そうでなければ、所詮それなりのタフガイにすぎぬ。
1925年にCaterpillar Tractor Co.としてカリフォルニアで創業、1986年にデラウェアで現在のCaterpillar Inc.になっています。21年連続増配当中。HPは垂直方面に、CATはどちらかというと水平方面に資本主義の版図を日々拡大しております。
売り上げが伴うセグメントは以下の4つに分かれています。(以下茶色は年次報告書より抜粋)
- Energy & Power System・・・インフラ整備や建物の建設を目的として機械を使用するお客様をサポート
- Construction Industries・・・石油/ガス、発電、船舶、鉄道、産業用途でCaterpillar製品 をはじめとするレシプロ・エンジン、タービン、機関車、関連システムを使用するお客様のサポート
- Resource Industries・・・マイニングや採石に当社製品を使用しているお客様の支援
- Financial Products・・・Catをはじめとする各種ブランドの製品の購入やリースを希望するお客様やディーラに対して融資を行ったり、Cat製品を販売するディーラに資金を提供
年次報告書より |
各セグメント、けっこうバランスが取れていますね。
地域別の売り上げは:
世界中をまんべんなくカバーしております。
Revenueの推移を見てみます。
ソースはモーニングスターのサイト |
金融危機後、順調に回復と思いきや、2013年度は落ち込んでいます。どうやらResource Industriesが足を引っ張ったみたいですね。“マイニング業界は常に景気循環の影響を受けます”(年次報告書)とのこと。
そんなことよりも以下の記述が興味深い(以下茶色は年次報告書より抜粋)。
世界の人口は毎月約650万人のペースで増えており、当面はこの傾向が続くと予想されます。発展途上国の人々の生活水準は2010年から2018年でほぼ2倍となり、2035年までに世界人口の60 %が都市部に居住すると見られています。こうした成長は、いずれもマイニングへの需要増加につながります。 <中略> 専門家によると、2010年から2040年の間に電気需要は約90 %上昇する見込みで、こうした電気需要の約3分の1が石炭で賄われることになると予想されています。
長期的には強気ですね。でも地球の環境が、PM2.5が、気になりますね。人間の豊かさへの希求は止まらないからなー、日本がたどってきた道でもあるし。そこらへんとの兼ね合いや、石炭をしのぐより便利・廉価なエネルギー(原発とか?)などの動向をどう見るかですね。
そして、いかにもアメリカンな資本主義の教科書的なレゾンデートル:
現在、アフリカの人口の過半数をはじめ、世界で電気を利用できない人口は10億人を超えます。こうした人々に電力を供給できれば、彼らの生活水準が向上し、経済が発展します。そして、より多くの雇用が生まれ、教育水準が改善され、より良い暮らしができるようになります。
この自信満々なおせっかいさがたまらんねえ。もうおっしゃるとおりです。Feed the world!・・・あれの作詞はイギリス人だったっけ。
確かに年次報告書でCEOが語っているようにBSは2013年で改善されています。でも競合他社のディアー(DE)と比較しても顕著なように、流動性負債が流動性資産より多いのが気になる・・・食品や生活必需品ではこういうBSが多いですけど・・・。
最後に一株当たりの指標:
Capexが年ごとに増減があるので、フリーキャッシュフローに対するPayout ratioはとってもばらついていますが、EPSに対するそれは40%程度。
ソースはモーニングスターのサイト、配当金額は年次報告書をもとに修正 |
たしかに世界の景気の動向で、良かったり悪かったりしそうですが、長い目で見ると、人々の豊かさへの欲求に沿うかたちでリターンを得ることが出来る銘柄かもしれません。ただ若干バランスシートが弱そう・・・いまのところは見た目はマッチョでも、実は風邪ひきやすい体質という印象があるのが正直なところですかね。景気の変わり目には気をつけましょう。
情報開示:特になし
Appendix
キャッシュフローのウォーターフォール
Form 10-Kより、項目は適当にまとめています |
稼ぎ(Net cash provided by operating activities)に対する配当&自社株買いの割合、および負債の動向です。ソースはモーニングスターのサイト。負債の単位は$Million。
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