My planet, Arrakis, is so beautiful when the sun is low. Rolling over the sands… you can see spice in the air.映画『Dune』
フランク・ハーバート原作の『Dune』は壮大な叙事詩であり、SiFi(アメリカ人はエス・エフではなくサイ・ファイと言います)の金字塔です。息子のブライアン・ハーバートによると、アイザック・アシモフ、アーサー・C・クラーク、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ等々によるハードカバー版SF作品が全米ベストセラーに名を連ねるようになったのは、〈Dune〉シリーズが大成功を収めたのちのことなんだそうです。(『砂漠の砂丘たち〔新訳版〕』酒井昭伸・訳 ハヤカワ文庫 序文より)
つまり『Dune』がSiFiを文学的にまともなジャンルのひとつにした、といっても過言ではないですね。それまでは一部の物好きによって廉価ペーパーバックが読み捨てられるGeekな娯楽とみなされていたんでしょう。
その壮大な物語は、砂の惑星アラキスでとれる特殊なスパイスを巡る骨肉の闘争記、とも言えます。人類にとってスパイスとは、はるか未来の宇宙の彼方にまで大きな影響を及ぼす存在なのです。ま、『Dune』の場合、スパイスというよりはドラッグといったほうがいい感じがしますが・・・