2022年2月3日木曜日

Dマイナーの第40期(システムD)

いざ・波』枠で保有しているシステム ディ(3804)から報告書が郵送されてきたので、熱心にアンダーラインを引いて読み込んだあとに本棚に置いていたところ、マーカーペンを片手に紙を探していたムスコ(3.5歳)に発見され、ぐちゃぐちゃに落書きされてしまった。その芸術的な出来映えに満足したムスコは報告書をしばらく小脇に抱えていたのだが、そのうち行方不明になってしまった。どうやらオカタヅケ(ゴミ箱行き)されてしまったようである。いやはや、Sustainableではない。仕方がないので有価証券報告書を再度レビュー。第40期はいかがだったでしょうか。 

3804は特定業種向けのパッケージソフトの開発・販売、クラウドサービスの提供をする企業です。

【存在を知ったキッカケ】

2018年の日本経済新聞の記事です。もうその記事自体は保管していないのですが、たしか内容は大学(学園)でのサービスのシェアの圧倒的な高さと、利益率の向上に関してだったと記憶しています。

ちなみに下記グラフは同社のRevenueとOperating Profitの推移を表していますが(数値のソースはモーニングスター)、2017・18年あたりからの利益率の向上は素晴らしいものがありますね。


【初回の獲得】

2018年の9月です。2018年12月に損だしのために売却あり。その後買戻して、ちょこちょこ追加しています。

FEET ON THE GROUND

【クレヨンで描けるか? by Peter Lynch】(*)

描けません。しかし、経営方針に

特定業種、特定業務のソフトウェアに特化して、デファクトスタンダードを目指す

と書かれてある通り、大学(学園)、ウェルネス(フィットネス)施設、自治体等に限ってのパッケージソフトによるトータルソリューションの提供で差別化を図っています。ニッチな分野でのジャイアントで、クレヨンで描けなくても存在感はあります。

学園では業界トップシェア、公共団体向け公会計ソリューションでは同社の製品がデファクトスタンダードとなっています。

【世の中に提供している価値は?】

ご存知の通り、教育機関やお役所(自治体)の業務の効率化は遅れています。同社がカバーしていない保育園の話になりますが、うちのムスメ(もうすぐ7歳)やムスコがお世話になっていた(いる)園も、つい最近までコミュニケーションツールは手書きの連絡ノートと電話でした。

保育士さんなんてただでさえ忙しいところに、私の手書きのだらしない文字を解読してなおかつ子供の園での様子を丁寧な字で微に入り細を穿つ日誌を毎日書いていただいていたので、もう涙なしでは読めなかったのですが、最近ようやくアプリが導入され、出欠連絡や園での様子の確認もスマホでサクッとできるようになりました。もちろん写真付きです。

このアプリの導入によって保育士さんたちの負担もかなり軽減されたと思われ、そういった意味で私の心も軽やかになったのですが、先日ちらっと事務室を覗いたら、年配の保育士さんがムズカシイ顔をしてパソコンのキーボードを指で突いているのを見てしまい、ちょっと胸が痛くなった・・・

ま、そういう例外はあるものの、同社は日本において特に非効率なのでは、と思われるエリアでのワークライフバランス・生産性の向上に役立っている!と考えます。教育関係者だけでなく、保護者にとっても。

【営業利益率は10%を超えているか】

すでに見た通り2018年から超えており、その勢いは継続中で、昨年は21%を超えています。なお目標とする経営指標は売上高経常利益率20%とのことです。

【企業の価値は増大しているか】


すこし私自身のWACCの計算方法に疑義が生じているのですが、それはそれとして2017年からROICが顕著にWACCを上回ってきており、増大しているものとみなします。

【足元はどうだったか】

学園ソリューション事業とウェルネスがコロナ禍の影響で厳しかった。しかたがない。私の勤めている会社も学生生協とちょっとかかわりがあるのだけど、漏れ伝わってくる話はやはり厳しいものがある。今回のコロナ禍でいちばん長期的な影響を残すのは、多くの若者からライブでの学習機会がうばわれたことではないか。

しかし前者では新製品の開発作業が進み、後者でも新製品『Smart Hello』を小規模施設へ納入することができて、今後への布石が打てているようではあります。

公共分野は好調。都道府県単位で全小中高校を一貫する統合型校務支援システムをクラウドサービスで提供できる『School Engine』が順調に拡大しているとか。

結果売上高は前年比微減も、営業利益は増加して過去最高を達成しています。ブラボー!

EYES ON THE HORIZON

【向こう10年の姿を想像できるか】

手がける事業の範囲ではほとんどが圧倒的なシェアを誇っていて、これらのニッチなエリア(とくに公共分野)に競合があとから参入してきてひっくり返されるリスクは少ないのでは・・・と踏んでいます。そうであればクラウド化で安定的な収益が期待でき、チャリンチャリンな音色が鳴り続けるのではと思う。

そのチャリンチャリンとこれまでの経験・ノウハウを利用でして他の分野、たとえばホテルとかタクシー業界とか・・・にDの版図を広げていく・・・

これが理想ですな。ただ一般的にIT業界は比較的障壁が築きにくいのも事実ではあるので、そこは注視しないといけません。

【Risk & Opportunity】

前述の通り、参入障壁が低い業界ではあるので、アマゾン的な革命児にひっくり返される可能性はないでもない。逆に、これまでの経験や資金を活かし、他の業種への参入、ひいては海外への活路を開くこともあり得ます・・・かね。

ただあくまで素人の下手な考えになりますが、たとえばeBASE(3825)が持っているような伸びしろの大きさはちょっと無いように感じます。

というわけで、2022年2月時点での結論は引き続きHold。減らすのは論外、ただこれ以上ポジションを増やすことも今のところはないですかね。

いますこし会社の存在がメジャーになれば、株価も・・・って感じかな。期待してますぜ。

情報開示:Music appreciationの成績はD-だったのでDメジャーとDマイナー、何が違うのかさっぱりわかりません。

* ピーター・リンチ 『ピーター・リンチの株の法則』(ダイヤモンド社)より。本来の意味は、どれだけ企業を理解しているか、の比喩表現となります。


0 件のコメント:

コメントを投稿