ある日私たち夜中の政治集会に出ることになって、女の子たちはみんな一人ニ十個ずつの夜食用のおにぎり作って持ってくることって言われたの。冗談じゃないわよ、そんなの完全な性差別じゃない。でもまあいつも波風立てるのもどうかと思うから私何も言わずちゃんとおにぎりニ十個作っていったわよ。梅干し入れて海苔まいて。そうしたらあとでなんて言われたと思う?小林のおにぎりは中に梅干ししか入ってなかった、おかずもついてなかったって言うのよ。ほかの女の子のは中に鮭やらタラコが入っていたし、玉子焼なんかがついていたりしたんですって。もうアホらしくて声も出なかったわね。
村上春樹 『ノルウェイの森(下)』 講談社文庫
私のおにぎりは、おかかと日高昆布でお願いしますよ、小林さん。
クロロックス(CLX)の2020年度を確認したいと思います。とはいっても、ある意味漂白剤では圧倒的なブランド力を誇っている生活必需品を扱うこの企業、あんまり真剣にみるだけ時間の無駄とも思いますので、とってもあっさりといきます。
CLXの初回獲得は2016年の12月で、The 3rd Man's Fundのメンバーの中では中堅どころとなっています。
CLXの2016年末からの株価(週次)推移、赤矢印が獲得のタイミング、青矢印は一部売却、Yahoo! Financeより |
まずアニュアルレポートですが、例年のごとくCLXで働く人々の多様性を誇っています。
一例でレポートの22ページ目を拝借します。
いや、よくこんだけ細分化してますね。というか細分化できるリソースが揃っているのがすごい。
以前にも書きましたが私には、多種多様な人々で構成される組織のほうが、長期的に見て絶対に強いパフォーマンスを残すという信念じみたものがあります。これは私が半世紀かけて身に染みて学んできたことです。そしてCLXは、私がフォローし始めた2014・5年あたりからずっと組織の多様性を誇る記述をアニュアルレポートに載せ続けています。もうこれだけで投資するに値しますね。
いずれそう遠くない未来に、米国ではマイノリティなる言葉自体が消滅すると思われ、そうなるとCLXのレポートも簡素化されるかもしれないな。米国人と聞いて白人を思い浮かべてしまうようでは、もはや時代遅れなのです。
ちなみにFirst/Mid Officials & Mgrsに占める女性の割合は約47%ですが、どこかの島国の基準だと会議が長くてやってられんのでしょうな。実際には島国のおっさんの会議の方が長すぎる印象の方が強いのだが。そう、あとイスラエル人の会議も長いですぞ。
職種的にはいちばんスキルを要しないと思われるService workersが100%マイノリティってのが現実の格差をあらわしていますが、さてこれはどう変わっていくことでしょうか。
日本の大企業にも、是非ともこういうアプローチのレポートを作ってほしいなあ。あ、言っときますけどね、東大出のおっさんばかりだったマネジメントチームに早稲田大出身のおっさんが加わったからといったって、それは多様化とはちゃいますよ。
Revenueの推移。
数値はモーニングスターのサイトより |
コロナの影響による人々の衛生面への意識の高まりもあってトップラインは前年比⁺8%。
キャッシュフローと一株当たりの指標の推移。
経営効率の指標の推移。
数値はモーニングスターのサイトより |
以前はこのB/Sを毛嫌いしていましたが、最近は業種が業種だけに、まあいいやと思っています。それに確実に負債はダウントレンドですし。
CLXは長期目標として
を掲げています。
CLXは長期目標として
- Net Salesの年間3-5%成長
- 25-50ポイントの年間EBITマージン成長
- 10-20%の年間フリーキャッシュフロー
を掲げています。
2013年度からの結果はというと、
たとえコロナがなかったとしても、人々の衛生面への関心の高まりは、長期的な潮流です。そして米国での人口は増え続け、その米国でのクロロックスのブランド力は、漂白剤を中心にとても強いものがあります。引き続きストロングホールド、場合によっては追加獲得ですね。
情報開示:この記事を書いている時点でCLX87株保有
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